2009/06/20

東岳廟(北京)

華北地方最大の道教の寺というのが東岳廟だ。智化寺に比べて、なんと整備されて目立つところにあるのだろうというのが分かる。朝陽門外大街通り沿いにあるのだが、これが地図で見るより結構歩かされたところにある。しかし、ビジネス街のところにあるのか、妙にリーマンみたいなのが歩いているのを目立つ。

入口は結構大きいのだが、なぜか切符売り場が2つあった。これもまた不思議なのだが、最初はまともに値段を払ったのに、そのあと急に止められて「日本人?」と聞かれる。当然「そうだ」というと、全額返金された。頭の中が「???」で一杯になっていたところへ「別の切符売り場で買ってくれ」なのだそうだ。なんじゃ、それ?!差別!?戸惑いながらその売り場に行くと、さっき買った値段より1/4の値段で買えた。その日は智化寺にしろ、ここにしろ、一体どうなっているのだろうと、かなり戸惑う。東岳廟の中に入ると、もっとたくさんの人たちがお参りでもしているのかとおもったら、そうでもなかった。寺の小坊主みたいなのが暇そうにしているのだけは分かったのだが、こういうところにも公安警察が結構数人だが見かけるので、なんだか違和感があって嫌だ。ただ、寺の敷地内に願い事を書いた紅い札がたくさん垂れ下がっているのを見つけることができた。これは日本の寺だと絵馬の役割をしている。札をよく見るといろいろと願いごとを書いているのがわかるのだが、だいたい日本の絵馬もそうだが、くだらないことを書いている場合も多い。道教というと台湾の道教を思い出すのだが、なんだかここの道教は道教らしくないように見えてしまうのは何故だろうか!?例えば、陰陽道を表す旗がはためいているのだが、これって台湾の道教では見たことが無い。
それとなんかおかしいなーとおもったのは、中国政府による宗教に関する方針がなぜか寺に掲げられていた。それを見た途端に、こんな寺なんかどうでもいいと思うようになった。すべてが政府に管理されている宗教活動なんていうほどつまらないものは無い。中国共産党から見ると、共産党政権を脅かす存在の宗教をどうしても制御したいという気持ちがあるのだろう。それは法輪功のせいでもあるし、歴史的にも、なんども東学党とか義和団とか過去にも宗教に関する集団による打倒政権運動を経験していることも制御したい理由なのだろう。看板として書いていた内容は下記の通り


「中国共産党宗教工作的基本方針」

全面貫徹党的宗教信仰自由政策
依法管理宗教事務
堅持独立自主自辦原則
積極引導宗教与社会主義社会相適應

・・・・ふざけた内容だ。そこまでして制御したいのか!だから、こんなところにまで公安警察のやつらがのさばっているのかと考えるとつまらなくなる。きっと、チベットのボタラ宮殿にもたくさんの公安警察の奴らがいて、僧侶の動きを監察しているに違いない。共産党なんか死んでしまえば良いのに。
そう思いつつも、この寺の広さと素晴らしさは信者によるお布施が結構あるのではないかと思われるくらい整備されている。お布施がどの程度、現在の中国人に浸透しているのか分からない。なぜなら文化大革命の際にすべての宗教活動について、全く「原始的だ」とか「妄想的だ」という理由で、共産党により排除されていたからである。迷信的なことが全く嫌っていた毛沢東の教えからの行動なのだろう。そういう毛沢東も迷信を信じていなかったのではなく、かなり信じていたために、その迷信にとらわれて、人民から迷信的事象を忘れさせようとしていたことから、あんな馬鹿なことをしでかしたとも言われている。

この寺には道教に纏わるいろいろな神様が飾られている。敷地内には72体の神様が並べられているのだが、その人形を見ているとわらってしまいそうなものがたくさんある。すべての神様については書けないのだが、中には「それは無いだろう」というような神様があったりする。しかし、地獄絵図なんかに出てくる鬼なのか閻魔の仲間なのかみたいなのも日本でも信じられているので、それと似ているのかもしれない。結構その72対の笑える人形をみているだけで面白いかもしれない。それぞれにはお賽銭を上げている人も居る。人気のあるのは関羽像のところだった。共産党政権でも金儲けはしたいのだろうという人たちがたくさん居るためなのだと思う。

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