2009/06/13

北京のレストラン一般

北京のレストランは全般的に言えることが2点ある。

1つは、「美林閣」のところでも記載したのだが、日本だと大抵のレストランに入った場合提供される最初の水とかお茶というのがまず存在しない。口に入るものは全て注文形式を取っており、たとえ水であろうともそれは金を取る対象になる。だから下手にお茶を注文するより、ビールやジュースを注文したほうが断然安上がりの場合もあるのだ。嘘だと思ってみたら、そのドリンクメニュの欄を見てみると良い。更に言うと、お茶の場合、確かにジャスミン茶や烏龍茶や龍井茶のような種類は、いくつか見られる。しかしながら、ここは北京であり、お茶の産地からはめちゃくちゃ離れている。お茶の産地は揚子江よりも南で生産されるものであって、一番北部である龍井茶でさえ、杭州で作られているものだから、北京からは遠い。従って輸送料のコストがかさむので、もっと遠いところの福建省で作られている烏龍茶なんて、眼が出るくらい高いのだ。なにせ1人あたり50元もお茶だけでとるのである。ビールなんて10元も出せば飲めるので、そう考えるとお茶は北京ではぜいたく品のうちの1つであるといえよう。そういえば、北京あたりの華北地方から東北地方にかけてはジャスミン茶が一般的に飲まれているものだと思われているが、ジャスミン茶は癖の強いお茶であるため、ジャスミン茶しか知らない人は他に選択肢が無いので無視するとして、緑茶を知っている日本人からすると、確かにジャスミン茶が苦手だという人は結構多いと思う。実際に、北京の店の人に聞いてみると、最近北京のひともそこそこ金が出てきたために、普段に飲むお茶としてジャスミン茶ではなく烏龍茶なんか飲んでいるやつも出てきたというから吃驚した。

もう1つ北京のどんな高級なレストランでも納得できないことがある。それは白米のことだ。北京のボロい店、いい店のどこにいっても、白米が本当に不味い。水が不味いからなのか、それとも米自体が不味いのかわからないが、どうしてこんなに不味いご飯が炊けるのだろうというくらい不味い。あんなものでお腹を膨らせるのであれば、他の料理を注文したほうがいい。北京では白米を注文することは絶対止めたほうがいい。あんなものを食うなら犬になったほうがいい。それほど不味いのだ。よく考えたら北京は華北地方で、そもそも米を食べる文化が無いところである。もともと小麦文化圏であるために、どちらかというと麺類が発達している場所なのである。麺の他に餃子のような皮で包む料理は発達しているところなのだ。米が作れない理由は簡単で、北京近郊は水が慢性的に不足しているのである。米作りには大量の水が絶対に必要なのだが、そんなことに水を使われると、大都会北京に水が行かなくなるため、北京の市民が水不足になってしまう。現に北京近郊のすべての川については、ほとんど干上がっており、川にはダムを作って、すべての水を北京市内に届くようにしている。従って、川沿いにある農家は、本来なら川の水を使って農作業を出来るところ、北京オリンピックで否応がな、無理やり川の水を北京市内に持っていかれたために、まともな農作業が出来なくなってしまった。後日、明の十三陵へ出向く際に、いくつかの川を越えて行ったのだが、川沿いで作っていたものはすべて果物で、時期として桃を作っていた。葡萄や桃などはあまり水をやる必要は無く、むしろ水分が不足したほうが糖度が増すのである。ヨーロッパでも大旱魃が起こるときに収穫された葡萄でつくったワインはめちゃくちゃ美味い(近年で言うと、2003年~2005年産のフランス南部からスペインのワインはどれも美味い)

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