2009/06/13

王府井大街(北京)

北京最大の繁華街は「王府井大街」だろう。ここは地下鉄1号線の「王府井」からすぐのところにある。ところが、地下から地上に出るときには便利だなと思う場所にあっても、「北京の地下鉄」の項にも書いたとおり、逆に地上から地下鉄に乗ろうとする場合には、その乗り場がとても分かりにくいところにある。

一番分かりやすいのは、メイン通りの長安街に面したところに、巨大なショッピングモールとして君臨している東方広場のビルの中から行くことだろう。いちおう東方広場の中に入ると、矢印で乗り場方向を示しているので、それに従って行けば乗れる。だが、銀座や新宿の地下街のように、あちこちの場所から地下鉄の駅に出られるというわけじゃないので、東京の地下鉄に慣れていると、とても苛立つ。

その東方広場は、以前は「東風市場」と呼ばれていて、「築地の市場と御徒町のアメ横と縁日と京都の錦小路を銀座の和光の隣に置いたようなもの」と言われていたところだった。はっきりいえば、何が出てきてもおかしくないような玩具箱のようなマーケットだったといえばいいのだろう。実際には観たことが無いが、贋物やジャンク物を手に入れるんだったら、ここにいけばいいというのを、北京が発展する前にネットやテレビで観たことがある。そんな東風市場の名残は、いまの北京にはまったくない。なぜなら、北京のど真ん中に、世界に発信する北京オリンピックが開催される手前、ジャンクな集まりの集合ビルをそのまま放っておくことが北京政府によってなされるわけがないのである。そして、それは香港の大企業家である李嘉誠の手によって成し遂げられた。一時期は「広場じゃないのに、広場なんていう名前を使うなんて許せない」と共産党政権も開発にOKを出さなかったが、面子のためならなんでもする中国人の最後の手段を使って、結局は名前を変えることなく着工する。20億ドルの費用をかけて、みすぼらしいマーケットから、一流のブランドが入り込む巨大ショッピングモールにしちゃったのだから、まぁ、なんとも凄いということだろう。噂では、李嘉誠は今や北京の土地開発権の半分以上は彼の手にあるという。

ちなみに、東方広場は第1エリアから第5エリアの東西に分かれており、大体の場所は地図を見ればわかる。が、シンガポールや香港のシッピングモールのように案内板があちこちにあるというわけじゃない不親切極まりないので、自分がどこにいるのかは、東方広場の入り口に入ってすぐのところにいるInformationで簡易地図を貰ったほうがいい。第1エリアの地下フロアには、かなり大きなスーパーマーケットがあるので、生鮮食料品から日本のお菓子までなんでも手に入る。前にも書いたが、ペットボトルの水も、ここでまとめて買うのがいいかもしれない。ただし、手で持って帰るのはしんどいので、できるだけタクシーに乗って帰ったほうがいいとおもう。第1エリアから第5エリアまで、西から東へ歩いていくと、その巨大さが分かるのだが、まぁ、半端じゃないほど歩かされる。

東方広場からメインの王府井に入る通りは、人の流れを看ればすぐわかる。王府井は、まるで銀座のホコ天のような場所なのだが、その道幅がとてつもなく広い。両サイドにはたくさんのデパートもどきが立ち並んでいるので、目移りしてしまう。広い道なので人が多くてもそんなに多いとは思わないのだが、もうちょっと道幅を狭くしたら、すごく混雑している場所に見えるのだろうとおもう。すべての店に入ることは無かったのだが、だいたいの店は、値段があってないようなもので、値段交渉しないと物が買えない。その交渉を楽しむ程度ならいいのだが、真剣になって交渉に励もうとするとかなり使える。相手は商売人で、似たような観光客をこれまで何千何万人と相手にしてきたやつらなので、生半可な態度ではまけてしまう。物を買うには、だいたいの相場を事前に知っておく必要がある。ショッピング好きなら、これは常識として知っておきたいことだろう。

0 件のコメント: