2010/02/01

スピリチュアル紀行 台湾

台湾に関係する書物を探していたら、昨今の自分探しのたびやら、運気上昇を願った関係の本が見つかって、日本人もかなり病んできたものだなと実感してしまった。特にこの手の本は女性には人気があるものと見えて、占いとダイエットを絡んでいたら、絶対に書物としては売れるという定番の図式になっている気がする。

さて、台湾と運気をどのように結び付けているのかなと書籍を確認してみると、台湾にはたくさんの寺院があることを中心に、台湾人が信じているパワースポットなるものをいろいろと紹介しているという具合である。かといって、本当に台湾人全体がそれを死んでいるのかどうかといわれると、かなり疑問視してしまうところではあるのだが、なにしろ原住民を含めて、たくさんの民族が小さな島のなかで生活していることもあるので、それなりにスピリチュアルな世界がたくさんあるのは否めない。

が、反対に、だいたいこういう本には運気が下がるようなところを全く紹介していなかったり、昔は運気があがると信じられていたところだろうが、戦後の国民党の悪政のために、ことごとく破壊されたところなんかもあるに違いないのだが、なぜ、そういうところを紹介しないのかが不思議だ。一例を挙げると、現在の圓山大飯店はかつて台湾神社があったところであり、日本人が勝手に神社として作ったとはいえ、それなりに祈祷などをして霊的な要素を埋め込んだ地ではある。ところが、戦後、日本的なものはすべて破壊という宋美麗の命令の元、台湾神社もぶっ壊され、現在のあの気持ち悪いホテルが出来上がってしまった。そうなると、このホテルは運気がいいのか悪いのか、よくわからない位置づけになる。神社をぶっ壊してそこにホテルを建てたことに「罰当たり」と感じるのか、それとも日本の神様なんて、所詮、異民族のものだから無視するべきとするのかは大きく分かれるところだろう。

しかしながら、台湾中、色々な場所のところで霊的な場所を探して、そこで実際に体験しているというのは面白い。そういう旅を台湾で行うのもいいなと思った。

手始めは、占い横丁。ここでずばり過去・現在とそして未来を当ててしまうおばさんに出会って、涙してしまうというのはなんとも女性らしい表現だ。占いを信じるのか信じないのかは本人次第である。特に過去のことは、占い師の話術と非常に絡んでくるところがあるので、どのようにでもとれる表現を占い師がコメントすることで、勝手に聞き手がそれを都合のいいように、つまり、本人の思いと合致した!と勝手に妄想してしまい、それですべてを吐き出してしまうということはよくある話だ。キリスト教の世界でいうところの、「懺悔」の世界に似ていると思う。それをもって「あの占い師は、ずばり当たる」なんていうのを勝手に批評しているから、占いの世界はかなり面白いと思う。当たるも八卦、当たらずも八卦とは、こういうことだろう。

ただ、今まで何度も台湾には行ったことはあっても、台湾を知り、色々な場所に出掛ける際に「スピリチュアル」という点で探ったというのは、改めて勉強をさせられた気がする。まだまだ自分でも行った事が無い場所は台湾にはたくさんあることは事実だが、普通のガイドには書いていない視点で、その場所を見るというのは面白い評価ができるに違いない。たとえば、花蓮の太魯峡なんていうのは、風光明媚な場所であり、観光名所であることは言うまでもないのだが、そこでもパワーを感じるという意味で紹介しているのは面白い。確かに、なにか地球全体から何かをもらえたような気分になる場所ではあるに違いない。

スピリチュアル紀行 台湾―魂をゆさぶる麗しの島
光瀬 憲子 (著)
155ページ
出版社: 東洋経済新報社
発売日: 2007/11

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