2013/10/17

熊野詣へ

太古から、皇室も民衆も関係なく詣でる信仰が続いているのが、熊野詣というものなのだが、実は熊野に関してのことはほとんどと言って良いくらい何も知らない。熊野の場所は紀伊半島にあり、それも伊勢神宮よりも南にあるところだというのは知っていても、ここが熊野だと断定できるところがなく、「あの辺り全部」と地図帳を取り出して指をさしたところということくらいしかわからない。そんな場所に、以前から両親が「一度は行ってみたいところ」というから、こちらも行くことをちょっとは計画してみようかと思って調べてみるのだが、調べれば調べるほど、中心的な何かを頂点に、情報の裾野が広がるということではなく、情報の濃淡にあまり区別がなく、なんでもかんでも熊野詣には関係するということが分かってきて、益々熊野ってなんなの?という気になってきた。

よく、旅行会社から送られてくるパッケージツアーのところに熊野詣に関するものがあったりするので、それを参考にどこに行くべきかを考えてみたのだが、だいたいの場合が熊野単独というのではなく、伊勢神宮とのカップリングや、高野山とのカップリングだったりする。そんなところと一緒にいくほどのものなのか?と気軽に思って、個人で行く場合のスケジュールなんかや経路を調べてみることにした。

時期的には10月ごろのほうが、暑さもだんだん弱まってくるだろうし、冬みたいに激寒ということは無いと思うので、ちょうど良いだろうとおもったから、10月の三連休に行ってみることにした。2泊3日もあればなんとかなるだろうと思っていたのである。

当初の予定は、熊野と高野山にでも行ってみようとは思っていたのだが、調べてみると、熊野の場所が遠すぎると言うことが分かる。電車で行った場合には、名古屋から紀伊半島を下るように走る電車に乗って、新宮まで行く必要があるし、飛行機で行った場合には、南紀白浜空港からバス、または最寄の駅までバスで行き、そこから電車で新宮方面に行くということになるようだった。どっちから行こうとしても、辺鄙な場所にあるため、時間と交通費がかかることは否めない。だったら、長時間バスに揺られて、一体何時に到着するのかわからないような飛行機とバスという組み合わせで行くよりは、電車のほうがいいんじゃないかという単純な理由から、名古屋経由でいくことを考えてみた。南紀白浜空港はJALしか就航していないため、あいにくANAの株主優待券を持っているから、ANAが就航していれば交通費がだいぶ浮くと思ってので、飛行機をあきらめたというのももう1つの理由である。

しかし、名古屋経由で行くとした場合でも、交通費はそれなりにかかるし高い。なんとか安上がりになる方法は無いのかと調べたところ、JR東海から割引券が出ていることがわかった。この割引券については、別途記載したいと思う。

実は熊野とは、熊野三山を中心とした周辺一体の神の領域のことをいうらしい。その三山というのは、熊野速玉神社、熊野本宮神社、熊野那智大社の3つの神社のことを指す。この神社は地図を見ると、互いに離れているのだが、紀伊半島全体で言うと、新宮から勝浦にちかいところに点在している。しかし、紀伊半島の南部や西部からも熊野エリアへいく道が昔から「熊野古道」としてもてはやされているのだが、そう簡単に新宮側にいけなかったから山越えしたほうが簡単だったという話を聞いたことがあるが、そのために必然的に道ができて、それをお遍路さんのように通る人が増えたから、山道が珍重されたという感じなのかもしれない。だいたい西部のほうからの道だと、途中数泊くらいしないと熊野までは到着できない道筋なので、余計ありがたみが増えるんだろうと思う。

良い気候の時期だったからということもあるので、おそらく熊野詣をする人なんかは、結構いるものだと思っていた。実際には、お正月の明治神宮なみ、今年は伊勢神宮・出雲大社の両神宮の遷宮があるときなので、それをありがたがって訪問するひとが多いのと同じように、熊野のほうも多いのだろうか?と思っていたが、それほど人の出は多いとは思わなかった。やはり辺鄙な場所にあるため、簡単には来れないということが1つの障害に鳴っているんだろうと思う。また、観光客の多くは、団体バスでやってきている人たちばかりだった。たぶんそのほうが何もしないでも勝手に連れて行ってくれるというメリットからなのだろうとは思うし、交通の便が言うほど便利ではないところなので、パッケージツアーのほうが楽だわーと思っている人が多かったということもあるのかもしれない。

日程的に最初は高野山までとは思っていたのだが、よくよく日程を考えると、2泊3日で高野山まで行くと言うのは、疲れるだけだろうと思っていたのでやめることにした。三山3日かけて廻れば良いのだろうということにしたのである。結果的に、この作戦は大成功で、体力的にも両親がいるのでそんなにあちこち動き回るのも困難だと思ったから丁度良かったと思う。だいたい熊野から高野山まで、いちおう直通バスが運行されているのだが、片道6時間の路線バスに乗らないといけないので、こんなものに乗って、途中でトイレに行きたくなったら嫌だなという思いがあったので、その理由から止めたというのもある。

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