シンガポール航空系の格安航空会社、タイガー航空は近く韓国に格安航空会社を設立し、来年にも本格的に北東アジア地域で格安航空路線を開設する。韓国最大の仁川国際空港がある仁川市と共同出資で新しい航空会社を設立するとのことで、仁川国際空港を拠点に日本、中国、ロシア、モンゴルなどに路線を広げる予定なのだそうだ。
新会社は「仁川タイガー航空」。仁川市と韓国の投資家らが51%、残りをタイガー航空の持ち株会社タイガー・エビエーションが出資する。当初はエアバスの中型機「A320」5機体制で運航する。両者は航空会社としての認可を得るため、近く韓国政府と交渉を開始し、北東アジアの格安航空会社としての認可を得る計画だ。
しかしながら、韓国では大韓航空とアシアナ航空が国際路線をほぼ押さえており、既設の済州航空はソウルと済州島などを結ぶ路線を運航している。タイガー航空や仁川市は新格安航空会社設立で利用者の航空便の選択肢を広げられると期待しているが、どこまで既設のメガキャリアと張り合えるのかは、未知数だといえよう。
タイガー航空はシンガポールを拠点にインドやオーストラリア、東南アジア、中国南部に路線を設置済み。韓国での新会社設立で東南アジアの格安航空網が日本を含む北東アジアに拡大することを目的として設立を計画したようだ。同じように、東南アジアの全ての主要拠点間の空路を確保したマレーシアの格安航空会社であるエアーアジアとの格安航空会社間の競争も、今後の動きとして注目ではあるが、東南アジアだけだと共倒れになることを恐れて、ビジネスの分散化をするために北東アジア圏に注目した格安航路の確保を早めに手をうとうとしているのだということも言えよう。
一方、日本は現在政府主導によって、地方空港への国際航空便の乗り入れ緩和に動いており、将来、仁川タイガー航空が日本の地方空港に乗り入れる可能性がある。すでに、主にアシアナ航空が日本の地方都市とソウルを結ぶ航路をいろいろなところで確立しているのだが、それと同じようにソウル以外の国際航路を造ろうとしている動きはある。最近では、中国東方航空や中国国際航空が、まだまだ数は少ないわけが、地方と中国航路の確立もあったりするので、今回の仁川タイガー航空の地方進出がこの地方の国際空港化へ拍車が出てくるのかどうかは疑問だ。
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