2009/03/07

車窓(南アルプスアプトライン)

南アルプスアプトラインは単線の鉄道である。それは山間部を走る鉄道の共通的なファシリティであるとおもう。そしてもう1つ共通的な要素がある。それは車窓からの風景が、常に絶景であるということだ。電車のスピードに合わせて、窓からの景色が変わっていくが、この景色をずっと見ていても飽きない。それは山間部を走るための単調さがないからなのか、それとも山あり湖あり川あり人家ありが複雑にそれも短期間に変化するからなのか。森林地帯を走っていくこの電車は、車輌が赤いため、緑の木の間を走っているととても絵になる風景だ。途中に何度も川を渡るのだが、この川は同じ川。あるときは右側にあるとおもったら、トンネルを抜けたら左にあったり、橋を渡ったら逆側になったりと、とても複雑だ。途中にその川にかかる車の橋が見えたが、それも真っ赤な鉄橋であり、緑の森のなかでかなり目立つ。途中に小さいダムも結構あるため、川はいくつかの場所で流れがなく、深い緑色に水が溜まっている場所がある。

途中に長島ダムというところが見えてくる。大井川水系で唯一の多目的ダムであり、多目的のくせに水力発電の機能を持っていない意味が分からないダムなのである。そのダムからの噴出された水の勢いを列車から見ることができる。またこのあたりは静岡の名産・川奈茶が獲れるばしょでもあるので、道中、たくさんの茶畑をみることができた。途中にアプト式を外す駅では、対向の列車とのすれ違いをする場所でもあるため、対向ホームでは、こちら側の列車が入ってくるのをカメラを構えて待っているひとたちがたくさんいた。長島ダムが作った湖のうえに駅を作ったため、それが奥大井湖上という名前の駅として生まれている。しかし、この駅を降りたところで、ダムからの風景しか見えないので、実は降りて何をするんだろうとおもうのだが、なぜかホームに鐘があったりするので、それを鳴らして遊んでいる人もいた。なお、この線路はダムに沿って以前はたくさんのトンネルを経由して走っていたのだが、ダムの上を走るような形に線路を変えたことによって、旧線路は新線路から見ることができるが通ることができなくなった。

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