2011/10/09

ブダペストの地下鉄

ブダペストの地下鉄は3路線ある。すべての路線はデアーク広場で交差されるので、地下鉄で乗換えをするにはまずはこの広場に来ることになる。しかし、東京の地下鉄の乗り換えは一番便利だとおもうのだが、シンガポールの地下鉄くらい乗り換えくらいデアーク広場の乗り換えはめちゃくちゃ歩く。そして、めちゃくちゃ深いところに潜る。デアーク広場がすべての地下鉄の交差点であるため、ホテルの予約をする際にも、この広場から近いところにしようとして選んだ理由のひとつである。

3つの路線があると述べたが、一番古いのは、カフェ・ジェルボーがあるヴルシュマルティ広場(Vörösmarty tér)から、アンドラーシ通り(Andrassy Ut)沿いに市民公園(Varoliget)を越えて、メキシコ通り(Mexikoi Ut)までの1号線。これは地面から数メートルしか下にないところなので、地下鉄に乗るための階段を数段下りただけで電車に乗ることが出来る。そして、この1号線の地下鉄が、ヨーロッパ大陸で一番最初に作られて地下鉄である。もちろん、世界最初の地下鉄はロンドンの地下鉄なのだが、それについで2番目に古い地下鉄路線である。この地下鉄、アンドラーシ通りと合わせて地下鉄自体が世界遺産になっているのだが、その理由は地下鉄の駅および運行されている車輌を見れば、一目瞭然だろうとおもう。まずは、駅なのだが、各駅の壁にある駅名を記すところがなんとジョルナイの陶器で出来ている豪華さ。そして、駅は複線なのだが、もし乗り過ごした場合、反対ホームに行こうと思っても実は行けない。一度外に出ないと行くことができないようなつくりになっている(ただし、デアーク広場を除く)。そして、他の2号線、3号線と異なり、1号線の地下鉄は、他の路線よりも車輌が小さく2輌で運行している。そして、車内アナウンスも異なり、実は男性のアナウンスなのだ。だから、うるさい地下鉄の中では、低音の男性アナウンスなので何を言っているのか全然聞こえないというのも特徴である。2号線はブダ地区へいくことができる地下鉄で、ブダにある国鉄南駅(Déli pályaudvar)からグドゥルー宮殿にいくためのブダペスト郊外電車に乗り換えるウルシ・ヴェゼール広場駅(Örs vezér tere)にいく東西に伸びた電車である。2つの国鉄駅(南駅と東駅)を結ぶ路線であるため、国鉄に乗り換えてハンガリーの地方都市に行く場合には、この路線にお世話になることになるだろうが、一番の特徴はやっぱりブダにいくために使う人が多いだろうということだろう。更に言うと、グドゥルーに行く郊外電車もそうだが、センテンドレ(Szentendre)にいく郊外電車をバッチャーニ広場駅(Batthyány tér)で乗り換えすることが出来るという意味では、電車間トランジットをするためには使われる電車だろうと思う。

3号線は南北に長く延びる路線であり、南は空港に一番近いケーバーニャ・キシュペシュト駅(Kőbánya-Kispest)から北はウーイペシュト・クズポント駅(Újpest-Központ)まで。空港からバスと地下鉄でブダペスト市内に入る人は、一番お世話になる電車だろうと思う。だから、南からデカい旅行バックを持って移動してくる人をたまにデアーク広場でよく見かける。

2号線と3号線については、実は戦後共産主義時代に建設されたということもあるのだが、地下のかなり深いところに作られているのが特徴である。そして、近代の地下鉄の駅の通り、島形式になっているので、日本人にとっては使いやすいと思う。だが、地下深いところにあるので、エスカレータで下に潜るときに、そのあまりにも長いエスカレータにびっくりするのではないだろうか?地下鉄千代田線の国会議事堂駅にあるエスカレータよりももっと長い長さがあるのだ。それもこのエスカレータ、アジア各国にあるエスカレータよりも断然早い。アジアのエスカレータも、よぼよぼの老人にとっては乗りにくいだろうとおもうのだが、そんなものよりも数倍早い。それでも現地のひとたちは平気で乗っているのである。また、面白いことに、エスカレータののぼりとくだりの間にある敷居に、日本だと、遊ばないようにとかモノを落としたときでも下まで落ちないようにというためのストッパーがあるのだが、ブダペストにはそんなものは無い。映画でも使ったら面白いとおもうのだが、滑り台形式でこの敷居のところを滑って降りるひともいてもおかしく無いだろうなとは思った。ただし、あまりにも勢いが付くだろうから、下に着陸したときにジャンプすると思う。それと2号線と3号線の路線は、8両編成の車輌が走っているのだが、この車輌、よく見ると「CCCP」というのが書かれているのに気づいた。どうやらソ連時代にソ連で作られた車輌なのかもしれない。ハンガリーがソ連の経済圏のなかに組み込まれてしまったときに、ソ連は衛星国からめちゃくちゃ安い値段で原材料を仕入れて、ソ連内で加工し、それを法外な値段で衛星国に売っていた。その流れの一環としてハンガリーに輸入されたものなんだろうと思う。ソ連製だというのが分かるのは、車輌の本当に一部の部分でしかないので、見つけられるかどうかは運だろうと思う。そして、アナウンスは1号線と異なり、女性アナウンスなので、聞きやすいと思う。

ただ、2号線および3号線とも、最近駅名が昔のガイドと異なる名前になっていたり、駅が増えていたりするので、ちょっと古いガイドを持っていると、全く役立たずに鳴ってしまうので注意である。是非、渡航前には最新のハンガリーの地下鉄路線情報は仕入れていたほうが良い。例えば、2号線の地上トラムのターミナルになっているモスクワ広場のところは、以前は名前の通り「モスクワ広場(Moszkva tér)」だったのだが、最近、セール・カールマーン広場駅(Széll Kálmán tér)に名称が変更された。脱ロシア路線の一環として、広場の名前からモスクワをなくしてしまった影響である。

切符については後で記載したいとおもうのだが、ブダペストの地下鉄は、事前に切符を持っていないとだめなのは当たり前だが、切符に刻印を入れる機械はあるとしても、その後ろには必ず2人の駅係員がにらみを効かせているのだ。不正乗車防止のためなのだが、そのチェックはかなり厳しい。1号線のように上りと下りで駅のホームが違う場合にはどちらのホームにも係員がちゃんとにらみを効かせている。タダ乗りしようと思ったら、速攻で捕まるのだ。結構頻繁に注意されている人をいろいろなところで見かけた。係員のにらみはどこの駅だったら手ぬるいかというのは全く無い。すべての駅に共通することである。

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