スペインの国鉄は「Renfe」と呼ばれている。「Red Nacional de los Ferrocarriles Espanoles」の略だ。そして、ネット上でもそうだが、鉄道をさす場合の一般スペイン語にもなっている。日本の鉄道がいちおう私鉄になってはいるが、全国網を持っている鉄道として「JR」があり、日本語でもジェーアールと言われるのと同じである。
切符も実はRenfeの公式サイトで買えるはずなのだが、なぜか日本から事前予約をしようとすると、最後の決済の段階ではじかれてしまうことがわかったので、たぶん観光シーズンだから事前に座席の確保をしようと目論んでいたのが失敗した。しかし、かつてはトーマスクックの赤本を見てチェックしないと分からなかった時刻表も、いまではネット上で確認でき、区間内にどのような電車が走っているか、車両のクラスはどのようなものがあるか、そしてクラスごと、電車ごとに乗車料金がどのくらいかということも事前に知れることができる。
ちなみに、スペインの鉄道は特急より早い電車は全車両指定席になっており、当日電車が来たから立ち席でも乗っちゃおうということをしようとしたら、強制的に降ろされる。自由席券とか立ち席券というのは存在しないので、連結エリアやトイレの傍に陣取っている指定席券が無い人というのは見ることは無い。だから、余計、事前に混みそうな区間の列車というのは席を押さえておく必要が出てくるわけである。
Renfeの公式サイトではなく、ヨーロッパ鉄道であればどこの国の鉄道も予約ができるというサイトは日本語でも存在する。レイルヨーロッパのようなサイトでも購入することはできるのだが、手数料がめちゃくちゃかかるために、公式サイトで購入するよりだいぶ値段が高くなる。多少高くても日本語で処理ができるし、事前に予約ができたほうがいいというのであれば、こういうサイトを利用したほうがいいだろう。手数料を払うのが馬鹿馬鹿しいと思うのであれば、直接予約をするか、現地に行ってから切符を買っておくというのが良いだろう。
自分たちも、日本出発前に事前に切符を買えなかったので、セビリアに到着してからすぐに電車の切符を買おうとおもった。切符は、セビリアから滞在中に日帰りで行くコルドバ行き往復の切符と、次はグラナダに宿泊するために移動するためのセビリア~グラナダ間の片道切符だ。その切符を買うには、駅に行かないとダメだと思っていた。セビリアには駅として大きな San Juan駅とSan Bernardo駅があり、日本に居ると全然その規模感がわからなかったのだが、ホテルにチェックインをしたあとにフロントで聞いたところ、San Juan駅は大きいが、San Bernardo駅はとても小さい駅なので、San Bernardo駅で切符を買えるのか分からないと返答があった。実際に、ホテルからだと、路面電車にヌエバ広場から乗っていけば、San Bernardo駅まで行くのは簡単だったし、セビリア到着前は、San Bernardo 駅で買えば良いじゃんという程度でしかおもっていなかったので、ホテルのフロントのひとのコメントは結構ショックだった。
それじゃ、念のために、みどりの窓口の出店みたいなところや旅行会社みたいなのは近くにあるのか?と聞いてみたところ、なんとホテルのすぐ傍に、Renfeの出店オフィスがあることがわかったので、そちらで直接買えるという素晴らしい情報をゲットした。ところが、日曜日は休業。チェックインをしたのが日曜日だったので、翌朝9時開店と同時にいくことにしようとおもった。なぜならSan Juan駅にいって、切符を買うということもしてもいいとおもったのだが、ホテルからSan Juan駅まではどういったらいいのか?と聞いたところ、バスしかないね?それもここからずーっと随分遠いバス停から乗らないといけないのがわかったので、距離感がわからないし、この時点で駅にいくことはやめてしまった。が、近くのRenfeの出店オフィスで買い、駅まで行かなくて買うことは、のちのち正解だったと分かった。
Renfeの出店オフィスは、ホテルのすぐ南側にある路地を西に向かって歩いて2分くらいのところにある。それも隣りはスーパーマーケットがあるところで、最初はどこにオフィスがあるんじゃい!と思っていたがすぐに場所はわかった。SPARがここセビリアにもあるとは思わなかった。
翌日、Renfeの出店に開店時間に合わせて行き、建物の中に入ってみると、凄くこじんまりとしたオフィスであることがわかって、本当にこんなところで切符を売ってくれるのか?とおもったら、ちゃんと対応はしてくれた。何しろ、PCを置いた机が2脚オフィス内にあるだけで、そこにやる気のなさそうなおっさんが2人居ただけだからだ。「どこまで、いついくの?」と窓口のおっさんから言われたので、その質問に答えるように伝えた。対応してくれたおっさんは英語を話してくれるので、英語ができれば問題なし。会話ができなければ、事前にRenfeのサイトで調べた、乗り駅、降り駅、電車番号を紙に書いて、おっさんに渡すのでもいい。
セビリアからグラナダにいく電車は、直行便の本数が少なかったので、予約が取れないとイヤだなーと思っていたのだが、なんとか大丈夫だった。並びで2席をゲットである。この電車は2等車しかない電車であり、3時間ちかく乗るから1等車があれば、それでもよかったのだが、残念ながらもともと1等車は編成されていないので、予約はできない。1人片道29.50ユーロなので、全部で59ユーロ。クレジットカード支払いもここでは利用できるから便利だ。もちろん手数料は不要である。なお、編成されている列車の車両数というのは事前でも分からなかったのだが、グラナダ以遠まで行く電車だったし、結構旅行者は使われる電車だと思っていたから、それなりに車両数が多い電車だと思っていたのだが、実際には4両しか編成されていない電車だったので、ホントに事前予約が出来ていて良かったと思った。
チケットは、PCでプリントアウトされた普通のA4プリントで渡される。てっきり、新幹線や、一般的なヨーロッパ鉄道で使われている長細い紙で切符を貰えるのかと思ったので、本当にこんな紙が切符になるのか?と少々不安になった。いちおう念のために、「乗るときに、これを見せれば良いのか?」と聞いたら、窓口のひとは「そうだ」と言う。詳細は別途記載したいと思うが、列車に乗る際には、改札口に該当するところで、この切符を駅員が確認するので、何の問題も無いのである。
そういえば、ついでにセビリア滞在中に、コルドバへ日帰り旅行もしようかとおもっていたので、コルドバ行きの往復チケットも買っておこうとおもった。セビリアからコルドバまでの電車は、1時間に2本くらいは走っている中距離列車であり、需要が多いようなのだ。だから、希望の時刻に発車する電車が取れなくても別に心配してはいなかったし、コルドバに行く当日に駅で買えば良いかなと最初は思っていたが、どうせだったら今チケットを持っていたほうが便利かなと思ったので、この時点で、往復の電車の予約をすることにしておいた。
セビリアからコルドバ間は、AVANTやAVEなどの超高速列車がたくさん運行しているので、グラナダにいく電車とは異なり、2等車に該当するTourista、2等車のなかでもちょっとだけグレードが高い Tourista Plus、そして、1等車のPreferente、さらに列車によっては特級車のClubという多種の等級が編成されている。ただ、AVANTだろうが、AVEだろうが、両都市間はたった40分しか乗っていることは無いので、「乗りたいのであれば」という条件付で上位車両に乗るのはありだろうとおもう。が、食事をしている暇は無いと思うので、注意だろう。列車の中には、セルビアを出発したらコルドバまでノンストップで行き、コルドバ終点という、超ナメている列車も存在するので、この都市間の列車は特に移動がしやすい。
なお料金は、同じ距離間、同じ等級なのに、AVANTとAVEでは値段が異なる。これは日本の新幹線でも同じ駅間なのに、のぞみに乗る場合とこだまに乗る場合で値段が異なるのと同じである。また、AVANTもAVEも当日切符を買った場合と、事前予約で買った場合では値段が異なるのだ。もちろん事前予約で買ったほうが安い。値段は結構頻繁に変わるので、こういうのはRenfeの公式サイトから確認したほうが良い。
そういえば、コルドバ往復のチケットを購入するとき、なぜか先に買ったグラナダ行きのときには大丈夫だったクレジットカードが受け付け拒否ということになった。なんでだろう?暗証番号を打つのを間違えたのだろうか?従って、友達のカードで試してみることにしたら大丈夫だったので、この場合もクレジットカード支払いで処理をした。短期間に複数の買物をカード処理しようとしたからカード会社で引っ掛かったのか、全く理由がわからない。なにしろ、限度額は絶対行くことが無い額に設定されていたからだ。
こんな中途半端なオフィスのところに切符を求めてやってくる人は他に居ないだろうと思っていたが、結構頻繁に客がやってくるようだ。自分たちの後には順番待ちの人たちが数人いた。事前予約をするには結構親切に対応してくれたので、良い感じだと思った。
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