2014/05/10

フラメンコ舞踏博物館(セビリア)

セルビアにきたら、南スペイン独特の文化はできるだけ吸収したいとおもうのが旅心に思うことだろう。代表的な文化の1つはフラメンコ。フラメンコと言っても、実はスペインのフラメンコにはいくつか流儀があることを後で知るのだが、その中でもセルビアのフラメンコは、日本人が考える典型的なフラメンコだと思う。

そのフラメンコを見るためにはセルビアのサンタ・クルス地区にたくさんフラメンコバーが存在し、客はそこでアルコールを取りながら熱いフラメンコを見ることが可能である。それは大人の社交場の1つとしてフラメンコバーがあるのであって、子供が入って見ることが出来る場所では決してない。だけど、子供でもフラメンコを見ることが出来る場所は存在する。それがフラメンコ舞踏博物館(Museo del Baile Flamenco)である。

普段はフラメンコの歴史や文化についてを解説してくれる博物館だが、毎晩19時からフラメンコショーが行われていると聞いていたので、ここの博物館にいってみることにした。夕方からのショーも兼ねて観るのが良いだろうと思ったので、17時くらいにホテルを出て博物館に行ってみた。

博物館がある場所は、フラメンコの店が結構たくさん存在しているサンタ・クルス地区に存在しており、このサンタ・クルス地区自体が迷路のように細い路地とぐにゃぐにゃになっている道から成り立っているから、地図無しでは博物館には到達ができるものではなかった。道中はフラメンコに関係するような衣装関係の店やら、化粧道具の店やらが結構存在する。それを見ているだけでもフラメンコの気分が感じられるところだろうと思われる。
 
 
フラメンコショーなんて、行けばすぐ見れるんでしょうと思っていたのだが、実はそうではない。博物館に到着してみたところ、受付のところで「今日のショーはもうソールドアウトよ」とあっさり断られる。しかし「明日の分だったら、まだ大丈夫」とのこと。そこで最初の日は、翌日のショーも兼ねた入場券を購入することにした。値段は1人あたり、博物館見学料も含めて24ユーロ。だけど、「地球の歩き方」を持っていると、実は読者割引で10%オフになるので、1人あたり21.6ユーロになる。ところが地球の歩き方を見せれば良いと地球の歩き方に記載されているのだが、なにをどうみせればいいのかわかんない。そこで「この日本語のガイドに読者割引があるって書いているんだけどー」と話をしたら、係員が「あっ、そうなの?じゃ10%オフね」という対応をしてくれた。結構緩い。なお、チケットには名前と人数を記載されるので、転売なんかは出来なさそうだ。当日は、このチケットを見せれば入場できるようになっている。

ショーは自由席になっているので、どこに座ってもいい。が、そうなると良い場所を確保したくなる。人によっては鞄を椅子において館内をうろうろしているひともいるのだが、貴重品が入っているかもしれないとおもうと、盗難にあってもおかしくない。これはいいなとおもったのは、スタバあたりのテイクアウト用の飲み物のカップを椅子においておくという方法だった。これだと誰も片づけをしないので場所取りは便利だろう。
 
場所なのだが、ステージを囲むように漢字の「凹」の字のように椅子が数列ならんでいるのだが、できれば正面側の前のほうを確保したほうが良い。前のほうというより、一番前に座ったほうが良い。客いじりなんかは無いし、かぶりつきで見られるので絶対いいし、なにしろ、椅子が階段状になっているわけじゃないので、前に背の高い人が座った場合には、前がまったくみられなくなるので、絶対一番前に座ったほうが良いのである。ちょっと奥ゆかしく、前から三番目くらいでいいかなとおもったのが今回は間違いだった。前に頭を頻繁に動かす座高の高いおばさん、その前にはデブの座高の高いおっさんが座ったのが失敗だった。

ショーが始まる前には、博物館の中で時間を潰しておけば良いと思う。ショーが行われるのは1階の中央部分。そこには常にステージが作られているので、まぁ、普段は意味が無い場所だ。そして、少し離れたところに、なんとフラメンコ教室用のスタジオがあるし、当日もスタジオ内で練習をしているひとたち、といってもおばさんたちがいたのをみた。
2階から博物館は始まる。2階はインタラクティブ形式で、フラメンコの種類や歴史というのを映像と選択画面で体験できる。もちろん、その画面には日本語の選択画面があり、日本語の文字と音声で説明を聞いて見ることができるのは嬉しい。
 
 
フラメンコも地域性によって特徴があることを今回初めて知った。それもスペイン国内での特徴が違うことに驚きだ。ただ、フラメンコはもともといまのような芸術的な領域になるものではなく、単なる地域住民がたのしみのときに踊る盆踊りや祭りの余興みたいな位置づけだったようである。それを藝術の域にさせたのは、やはりフラメンコを「見世物」としてショーを始めたカフェからの始まりだろうとおもう。ウィーンでいうところの社交場としてのカフェは有名だが、フラメンコの店も当時は最先端のクラブのようなものだったと考えて良いとおもう。それも店に来た人たちが全員参加するというものではなくあくまでも見るために来ているという意味だ。当然こういう店は当時の政治権力者にとっては「目障りなもの」になるために、何度も排除されることになる。そのあとの藝術領域になり、自分たちが今知っている激しいタップのようなものになっているのは、あえてそういう動きにしたという商業的な要素のせいであることもよくわかった。

フラメンコの衣装についても、博物館内には展示されている。男用の衣装と女用の衣装があるので、どちらについても興味がわく展示エリアだとは思う。
 

 
フラメンコのショーは、全部で5つのパートから分かれて演じられる。

 ①ギターと男女フラメンコダンサーによる演技
 ②フラメンコギター演奏者によるソロ演奏
 ③女性フラメンコダンサーによる演技
 ④フラメンコ歌手とギターによる音楽の演技
 ⑤男性フラメンコダンサーによる演技
 
 
 
 
 どのパートも大枠の「フラメンコ」という意味では必要なジャンルではあるのだが、個人的には踊りが無いショーはもう観ているだけで苦痛でしかなかった。

間近で見られるショーは結構興奮なのだが、ここに出ている人たちの演技が、正直めちゃくちゃ巧いものかというと、全然そうではなかった。もうちょっと巧いダンサーが演技してもいいんじゃないのだろうか?まぁ毎日行われているようなものなので、たまたまそんなに巧いひとではなかったのかもしれない。

ショーは1時間であるため、厭きることは無いのだろうとは思う。

<フラメンコ舞踏博物館 - Museo del Baile Flamenco>
URL : http://www.museobaileflamenco.com/
Open : 10:00 - 19:00
Address : Calle de Manuel Rojas Marcos, 3, 41004 Sevilla (Map)
Phone : +34 954 34 03 11

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