2010/03/27

公館の書店街(台北)

台湾大学は台湾の中で一番賢い人たちが集まる最高学府であり、元帝国八大学のうちの1つになる伝統と歴史がある学校である。この大学はとても優秀な人たちが集まっているために、広大な学校の敷地の中は、観光スポットとしても十分使える場所になっている。

さて、そんな台湾大学の傍もなかなか魅力的な場所がたくさんある。今まで台北には何度も来ているのだが、実は台湾大学のあたりには来た事が無かった。台湾大学出身の友達はいたことはいたが、なぜか学校の傍に行きたがらない。自分が同じ立場だったら、大学を案内するというよりは、ぜんぜん違うところで遊びたいということを考えるだろうから、なんとなく理解はできる。が、やっぱり地元に馴れている人がいると、隠れた店を紹介してくれるだろうから、それを期待したいところだった。

今回はそんな友達が同行しているわけじゃなかったのだが、なんとなく台湾大学の傍が気になっていたのでMRTに乗って公館駅まで行き、そこから地上に出て歩いてみることにした。

台湾のどこの町でもそうなのだが、大学があるところには、すぐ傍に必ず夜市が存在する。最高学府の台湾大学の傍にも、もちろん、夜市は存在する。名前は、公館夜市であり、名前にひねりは無い。だが、今回来たのは夜ではないので、夜市のことを紹介したいのではない。紹介したいのは、学生の町らしいところ風景だ。賢い台湾大学の学生が集まっている場所なので、それなりに学術的な香りがするものがあるだろうとおもったら、やっぱりあった。神保町は古本屋の街として東京では有名だが、新刊の本売っている店がめちゃくちゃ集まっているというのは、東京でさえ存在しないと思う。強いて言えば、神保町は全部が全部古本屋というわけではなく、マニアックな新刊本を売っている店もあるし、普通の新刊の本を売っている店も存在するから、神保町が少し似ているとおもわれるが、公館にある書店街というのは、そんなのとは違う。全部新刊である。新刊といっても、新古本も含まれるのだ。だから、日本では絶対に手に入らないような本がここにきたら手に入るという可能性もある。それも古本屋ではないので、誰かの手に一度渡って、扱いが悪いものに出くわしたというようなことはないのがおもしろい。売られている本は、多くは中国語の本であるのは当然である。なにせ、ここは台湾だからだ。しかし探せばかなり日本語の本も存在することがわかるだろう。中には戦前に書かれた台湾に関する書物も見つけることができる。戦前の日本は、台湾を日本人化するというよりも、民族性をそのまま重視して、日本化していくということをがんばっていたので、現地に住んでいる人たちの研究に対してかなり高度な学術が発達していた。しかし、そんなのは他人が書いたことからしか見たことが無く、実際の書物を見たことが無かったが、この公館あたりの本屋では、そんな戦前の本が結構見つかる。しかし、文語体で書かれていたり、旧漢字を使われているから、かなり読みにくい。それから、戦前に作られた台湾語-日本語辞典というのも見つけた。A4サイズで分厚い辞書であったが、値段がたったの250元程度だったので、買ってみたいとは思ったのだが、もって帰ることを考えると面倒くさいので止めた。
本屋があると、その傍にはなぜか喫茶店が存在するというのは、神保町のケースでよくわかっている。実は、この公館の書店街のところでも、台湾大学の学生が集まるような喫茶店が結構たくさんある。それもどこも洒落ている。こういう文化的な雰囲気が残っているところで勉強ができるのは、うらやましい限りだ。喫茶店ではきっとまじめな会話もしているだろうし、エロ会話もしていることだろうし、そんなのは日本の大学生と同じだとは思う。が、勉強している量は絶対的に台湾の学生のほうが上だ。彼らの勉強量の豊富さは日本人が知ると舌を巻くと思う。

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