2006/09/30

Cambodia

カンボジアはアンコールワットの遺跡で有名な場所ではあるが、東南アジアの国のなかでも日本人にはあまりいいイメージが無い場所だと言えるのではないだろうか?それはカンボジア内戦のせいだろうと思う。小さい頃、いつもカンボジアに関するニュースは、何派と何派が武装戦闘を繰り広げられていたという内容ばかりだったので、どうしようもない国だなと幼心に思っていた。そんな内戦ももうすでに時間がある程度経過して、いまでは立派な国に成長しているといわれている。しかし、隣国のベトナムやタイに比べると、その存在価値も観光の魅力のアピールも日本人には全然縁遠いものになっていると思われる。日本人の旅行好きは今に始まったことではないと思うが、カンボジアに行って来ましたという話はあまり聴いたことが無い。つい最近まで、内戦の影響による戦争残骸や地雷などのようなものがまだまだ残っていることが、日本人を近寄らせない理由なのだろうと思う。よくテレビで旅番組を放映されているのだが、香港や台湾、シンガポールのような美食なところは頻繁に放映されていても、カンボジアを中心とした旅番組は見たことが無い。概して、こういう番組は、政府観光協会とテレビ局のタイアップで実現するようなものなので、カンボジア政府が「もっと日本人が沢山来れば良いのに」と本気で思っているのであれば、無理してでも番組制作に積極的に乗り出すのだろうと思うが、そうでもなさそうである。

しかし、先日日経流通新聞に掲載された、カンボジア観光大臣と日経のインタビュー談を見ると、あまりカンボジア政府の努力は見えてこず、「なんで日本人はこんなに自然と遺跡が残っている国に来ないのだ!」と他人に責任を押し付けているように思えて仕方が無い。同じ東南アジアであるタイやベトナムやマレーシアの華人が中心になって、現在安定してきているカンボジアへ旅行にいくことが増えているようだ。華人ネットワークは侮れないもので、安全かつ商売のたねがあるとおもったら、雨後のタケノコのように大量難民のようにその地へ移動する。実際に、カンボジアには内戦前からもそうだが、東南アジアと中国を結ぶ重要拠点として華人は多く住んでいた。その華人が「カンボジアはいいところだ」と相互の情報交換により、華人の旅行先として最近は人気がある。ところが日本人にとっては、内戦の情報くらいしかカンボジアには接する機会が無かった。だから、いまだにカンボジアのことは何も良く知らない。しかし、2005年には日本人が14万人もカンボジアを旅行していたようである。これが多いか少ないかは意見の分かれるところであるが、1日平均して400人程度がカンボジアを訪れていたと考えると、とても多い数だとおもった。しかし、タイやベトナムに比べると断然この数は小さい。
直行便を作ればカンボジアへの旅行者が増えるはずだというが、航空直通路をつくるのであれば、それなりの需要が見込まれないと航空会社もなかなかその航路を確立しないと思われる。カンボジアにも実際にナショナルフラッグはあるのだが、これがどうしようもないほど情けない航空会社のため、とても日本に集光するとは思えない。カンボジアにはシェムリアップエアウェイズプレジデント航空という2社の航空会社がある。 どちらも国内線をどうにか飛ばす程度の飛行機しか保有していないし、機体使用年数もめちゃめちゃ長い(ニューズウィーク氏参照)。だから、現在カンボジアへ行くには、他の大都市を経由するのが一般的である。バンコクや香港やシンガポールがそれである。直行便がないが、そこに行けばすごい体験ができるというのがあれば、日本人は結構単純なので行くと思う。しかしながら、アンコールワット以外、なにがあるのかほとんどの日本人は知らない。偉大なるクメール文化を誇っていた場所であるのは知っているが、そのクメール文化が日本には全然馴染みが薄いのである。シンガポールみたいに、何も無いから強引に経済流通の中心地に発展させるという発想はおそらくこの国にはないだろうし、後進して同じようなことをしても、すでにまわりには、シンガポールと香港という華人にとっての金融都市は確立しているし、隣国タイにもタイ銀行がある。じゃ、食べもので勝負するか?といえば、カンボジアの料理なんて、全然知らない。一体、何をたべているのだろうか?米は採れるだろうから、まぁ、それなりの料理はあるとしても、ベトナム料理やタイ料理みたいなのかなと想像できるだけで、これがカンボジア料理というのがわからないので、カンボジアに行って現地の食べものを食べてみたいという気にもならない。

韓国からは2004年に大韓航空が直行便を結んだことで、韓国人の観光客が多くなったようだが、一体なにをするためにカンボジアに行っているのか聞いてみたいきがする。何にも工業的な設備がない国で、開発していないので、昔ながらのジャンブルと綺麗な場所があるという話なのだが、他にマレーシアという大規模な似たような地域があることをカンボジア政府は意識しているのだろうか?インフラ設備を積極的に行うことで、観光客を呼び込もうとしているのだろうが、なにかもっと別の方法で日本人を振り向かせるようなことが本当は必要だと思う。

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