2006/09/29

eパスポート

シンガポール政府はPhilips社から独立して設立されたNXP Semiconductors 社の非接触型スマートカード チップ テクノロジ「SmartMX」を使った生体認証パスポートを採用し始めた。これは既にアメリカおよびフランスでは採用している新時代のパスポートである。今のパスポートには、パスポートの保有者のユーザ情報がある程度は入力されており、それをスキャナで読み取ることで、パスポートコントロールの時間短縮に出来るために、10年ほど前から世界各地で採用されているものであるが、あくまでも文字データしか入っていないので、パスポートを偽造するのも比較的簡単だと言われていた。なぜなら、顔写真による顔情報などの画像データはここに入っていないため、写真の部分だけ変更すれば偽造は容易かったからである。では、新世代のパスポートはどうなっているのかというと、簡単に言えば、普通のパスポートにスマートチップが埋め込まれており、人間版ICチップだと言えばいいだろう。これにより可能な限りの大容量データがパスポートに知らない間に埋め込めることができ、パスポート偽造がほぼ出来なくなる。 基本メモリとしては、36Kbyte EEPROM メモリであり、eガバメント(政府)プロジェクトのニーズへ応えることを目的に開発されたもので、そのメモリ容量は指紋や顔写真など生体認証に求められる幅広い情報を保持できるといえよう。

 スマートチップが埋め込まれているパスポートの表紙が閉じている状態での読取を防止するため、表紙には特殊防護材料が埋め込まれている。これにより、スキミングや “立ち聞き”(eavesdropping - 出入国審査時にパスポート チップと読取装置の間でやり取りされる高周波通信の傍受)を防止するため、ICAO(International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関)の BAC(Basic Access Control)規格をサポートしているという。今回の採用されたPhilips SmartMX パスポートチップは、ドイツの German Federal Office of Information Security(内務省連邦技術安全局)から、非接触型スマートカードソリューションに対して認められる最高レベルの安全基準 Common Criteria EAL5+ に認定されている。

 今後はこの新パスポート方式は世界の28カ国で採用することが決定しているが、日本の場合はどうなっているのかは不明だ。なぜなら、日本国政府が発行するパスポートは当然このスマートチップを採用するべきだとは思うが、日本の場合、特殊外国人(いわゆる在日朝鮮・韓国人)のひとたちは、韓国や北朝鮮のパスポートを保持していた場合でも、「日本人」の入国審査から出入国ができているという特殊事情がある。この問題をどのようにクリアするかは、いよいよ、いままで目を瞑ってきた在日朝鮮人問題もこの際に一気に解決するべき方向に向かうべき時期がきたのだろうと思う。被害者特権は、戦後60年も経ったのだから、不必要のはずだ。

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