ただ、いつも「8の日」であることを忘れてしまう。神保町はいろいろ食べるところがあるので、目移りしてしまい、いつも昼ご飯で食べるところをどうしようかと思うのであるが、8がつく日に、「そうだ、今日はエイトに行こう」という選択が頭に浮かんでくるのは、昼ご飯に出かけるときではなくて、仕事中に何気なく思いつくときなのである。昼ご飯を食べにいって、「あっ、そういえば、今日は8が付く日だった」と後で後悔するときもよくある。
その「8」の日であるが、この8の日が週末になった場合には、お店の好意でなぜか一番近い平日に繰り下げられるというから、笑える。言い換えれば、平日に来るお客が週末よりも多いため、客寄せパンダとしては平日にキャンペーンを張ったほうがいいというマーケット調査の結果なのだろうと思う。そのとおりで、平日の8の日になると、12時にならない前から、店の前には長蛇の列が作られる。金の無さそうなリーマンだけではなく、学生も並んでいるし、最近では神保町界隈で勤めているOLも並んでいるのを良く見る。女性客にとっては、なかなか入りにくい昔ながらの汚さそうなカウンタータイプのラーメン屋なので、本来ならば少ないのだろうとおもうが、やはり価格には勝てないらしい。1コイン以下でなんとか昼ご飯を済ませたいと思っている貧乏リーマンたちにとっては、エイトは神様のような存在なのだろう。学生にとってはもっとそう思われると思う。
300円だからといって、それなりの味かというと、そうではない。元来は札幌ラーメンであるために味噌ラーメンが看板メニュになるのだが、300円のときには、味噌だけでなく、塩と醤油も当然提供している。だけど、だいたいの客は味噌ラーメンを注文している。8の日は、単にラーメンだけ注文する人は確かに多いが、半チャンラーメンや餃子も一緒に注文する人もたまにいる。だけど、こういう人が混んでいるときには、店の中も客の出入りが激しくなるために、注文にも間違いがあったりして混乱するために、あまり定番以外のものを注文するのはお勧めしない。よく注文の順番を間違えて、先に注文したのに後から出てきた場合には、「卵つき」のおまけをくれる場合がある。だけど、個人的にはそんな卵は要らないなーと思う。エイト自体のラーメンは激的に美味いというわけもでないし、激マズというわけでもない。麺が太く、たっぷりスープの入るラーメン丼に装われてくるので、いかにもラーメンを食べていますという感覚は楽しめる。量もそれだけで満腹になれる。300円の日にラーメンの大盛りを頼むとプラス100円で食べることができるが、この大盛りの丼は、確かに普通サイズのよりも大きい。丼鉢の大きさもそうだが、大きいドンブリの場合は黒いので、「あのひと、大盛りを頼んでいるんだ」というのが直ぐ分かる。
店内は、先ほど述べたとおりに、いわゆるラーメン屋独特のカウンター形式であることと、入り口を入って細長い長さのなかに客が蠢いているような感じで食べている姿は、なにかの大会でも始まっているのではないか?と思わせてくれる感じだ。そのフロアを注文を取ってくれるおばさんが1人で切り盛りしているのが凄い。だれが誰の後に入ってきたのか、そして、どこのテーブルのオーダなのかはあまり間違えない(たまに間違えるときがあるけど。)。厨房の中は、メインとして2人。麺を茹でて、トッピングする人たちがいる。いかにも北海道の人と言う顔つきの人たちだ。その隣で、サイドメニュを作っているおじさんが1人いる。この人は、餃子を作ったり、炒め物を作っていたりする。意外に忙しい。そして、洗い物をメインでやっているお姐さんが1人いる。このお姐さんは、店の中では一番の下っ端なのであるが、会計も兼ねているので、結構忙しい。客が引っ切り無しに出入りするので、そのたびに洗うものがどんどん増えてくるのであるため、それを処理しなければならないが、さらに客が支払いをするときにも対応しなければならないのである。あの店では、一応伝票が存在するので、誰が何を食べているのか分かるはずだろうが、きっと間違えがあっても仕方ないと思う。なにせ、本当に人の流れが多いときには、あまりにも吃驚するからである。
そんなラーメン・エイトも神保町界隈では2軒あるが、メインは靖国通り沿いにある店である。白山通り沿いにある店は分店のようだ。他にもあるのかもしれないが、いまのところ見つけたことが無い。ぜひ、次の8の日には神保町の「エイト」の存在を忘れないで欲しいと思う。
ラーメン・エイト 小川町店 : 東京都千代田区神田小川町2-5-6
水道橋店 : 東京都千代田区西神田2-1-13
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