2012/09/29

ディック・ブルーナ・ハウス(ユトレヒト)

ディック・ブルーナという言葉を聞いて、すぐにピンと来る人はよほどよく知っている通の方。普通の人は、だれ、それ?ということになるだろう。ディック・ブルーナとは、あの「ミッフィー」の生みの親であり、クリエーターのおっさんの名前である。そのディック・ブルーナは、ここユトレヒトに生まれ、ユトレヒトで、いまでも活躍しているのである。

ディック・ブルーナ・ハウスとは、彼の作品をたくさん収めており、その独特の世界観を1つの博物館にしてしまったというもので、日本で言うところの、ジブリ博物館藤子・F・不二雄ミュージアムのようなところなのだろうが、残念ながら、ジブリや藤子の両博物館みたいに、いろいろな作品がディック・ブルーナにあるわけではない。あくまでもミッフィーだけしか代表作がないので、ミッフィーにちなんだ博物館だと言ったほうが本当は良いかもしれない。

ユトレヒト中央博物館のところでも記載したのだが、この博物館の入場券は、ユトレヒト中央博物館の入場券が共通券になっているので、購入するにはディック・ブルーナ・ハウスでは買えず、一旦ユトレヒト中央博物館に行かねばならない。あんまりこういう共通券方式をとっているところは少ないので、だいたいがディック・ブルーナ・ハウスのほうに直接行ってしまって、入口のところに「ここでは券は買えません。博物館のほうに行って買ってください」という日本語標記の注意書きを見て、吃驚して、慌てて美術館に行き、そこで切符を買うということになるのだろうと思う。
さらにいうと、学園都市ユトレヒトにやってくる観光客の普通のひとたちはどういう人がわからないが、こと、このディック・ブルーナ・ハウスにやってくるひとの90%以上が、日本人またはアジア人の女性ばかりで、男がこの博物館に入ってくるのはほとんどいないと思われる。だいたいの訪問女性たちは、顔が正直ブサイクなひとたちばっかりで、日本人の場合だと、海外旅行でよく見かける日本人の典型的な格好、全方位の鍔を持った帽子を被り、鞄を斜め掛けして、入れるところを前に抱えているひとで、スニーカーを履いて旅行をしているというあの典型的なスタイルをしている人たちである。ダサすぎるのだ。

さて、中に入ってみよう。ここからはもう子供の世界に飛び込んだものだと思ったほうが良い。決して大人の目線で展示物が置かれているのではなく、子供目線で置かれているということに気をつけないといけない。背の低いひとにとっては、願ったり適ったりという場所であることは言えるのだが、一般成人男性から見た場合には、こういう低いところばかりにおかれていると、だんだん腰が痛くなって、すべての展示がどうでも良いとおもってくる。
 
 
 
 
最初のほうに近い部屋のところでは、ミッフィーの基本台帳のうえを塗りえで好きなようにデッサンができるものがあり、それをいろいろな子供が作品として作ったという部屋があった。しかし、その並べられた作品集を見ていると、これは絶対子供が描いたんじゃないだろう?という作品があったりする。まるで、神社にいって、奉納されている絵馬に書かれている文言を見て笑っている感覚と同じだ。
 
 
 
竹下登が首相の時に、地方に1億円ずつ金をばら撒いたことがあったのだが、あれによって地方の田舎では、金で作られたお風呂とか鐘とか、訳のわからないものに配布された金を使ったという事実があるが、このディック・ブルーナ・ハウスのところにもこの趣味の悪い金製品が存在する。もちろん金メッキなのだろうが、金のミッフィーなんていう、誰が考えたのかわからないが、中国系の人たちには大ウケするようなものが目の前にどかーんと出てきたときには、正直、なんじゃこれと思った。
ディックブルーナは元々はイラストレータであり、家業が出版社(A.W.buruna & sun)でブックカバーのデザインやポスターなどを作っているうちに、このミッフィーのキャラクターを生んだようである。ミッフィーのキャラクター自体、表情がほとんど動かないかわいい感じのキャラクターなのだが、実はこのキャラクターを使った絵本やポスターをつくるときの手間は、ディックブルーナとしてこだわりがあるようで、その一部始終はビデオで紹介されているため、それを観るのが良い。漫画家とは違うので、いろいろとスケッチをまずは作ったうえで、気に入った表現が見つかると、それを硬い鉛筆でスケッチをトレースして、その上にようやく色を塗っていくという方法を採っている。それも使う色というのも、青、黄色、白、緑、そしてオレンジ掛かった赤の5色しか使わない。

この博物館で、「うわぁ・・・」と吃驚するのは、同じ内容の絵本なのだが、違う言語で翻訳されている本たちが、壁一面に張られている状態で紹介されているところの部屋に入ったときだろう。自分が理解できる言語がどれだけの数があるのかは、この部屋に入ってみて探してみてはどうだろう?
 
上の階にいくと、ミッフィーの世界を1/1の世界に移動させて実現してしまったというようなものがたくさん観られる。これはこれで子供たちにとってはおもしろいところに見えたことだろう。大人にとってはどうでも良い世界ではある。ただ、かわいいという感覚だけはやっぱり得ることはできよう。
 
 
 
内部はそんなに広くはないので、博物館のなかを見学するには30分もあれば十分なほどだ。だから、遠出をしてわざわざこの博物館だけを見に来るというようなツマンナイ行動をするよりは、もっと広い目でユトレヒトの街を散策したほうが良いと思う。

ちなみに、お土産屋には、同じ内容で違う言語の本もたくさん売られているので、1つの話だけに特化して、いろいろな言語の本を買うのはやってみてはどうだろう?自分は「ミッフィーのおばあさん死んじゃった」の話題について、オランダ語、日本語、フリースランド語、中国語、韓国語のバージョンを買ってみた。

日本のミッフィー情報サイト
URL : http://www.dickbruna.jp/

ディック・ブルーナ・ハウス (Dick Bruna Huis)
URL : http://centraalmuseum.nl/bezoeken/locaties/dick-bruna-huis/

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