2013/09/28

ロンドンの印象

ロンドンに1週間滞在した印象をまとめてみようと思った。ロンドンを訪問する前のロンドンの印象は、紳士の国、女王陛下とその貴族がいる国、金融の中心地、小説の舞台、ご飯がマズい、雨が多い、ブリティッシュ・ポップスの中心地という、定番の印象しか持っておらず、アメリカほどではないのだが、イギリスに対してもそんなに心から行ってみたいという気は全くなかった。

実際にロンドンに行ってみると、想像通りということばかりだったのが正直なところだが、それは知らなかった!ということも結構ある。

まずは、想像通りだったことから言うと、ロンドンは高緯度にある場所なので、9月中旬に行くと実は結構寒い。薄手のコートはもちろん、マフラーや手袋もあったほうがいいくらい寒いのである。同じ時期に南欧にいくと、まだTシャツ1枚でも十分平気だったりするので、そのつもりで行くと、現地で寒すぎて死んでしまいそうになるだろう。今回は実はロンドンを足がかりに、スコットランドのほうまで足を伸ばしてみようとも思っていたのだが、スコットランドはもっと寒いところなので、厚手のコートが無いと、朝晩は絶対に歩けなかっただろうと考えるとロンドンだけにしておいてよかったと思う。寒さだけなら良いのだが、ロンドンは「霧のロンドン」というくらいの場所で、常に天気が悪い。自分たちが滞在中のときも結構雨が降っていた。でも、朝から晩まで雨が降っているということはほとんどなかったので、まだ幸いだったが、他の日にロンドンに行った人の話を聞くと、滞在中朝から晩まで雨が降っていて、傘が邪魔で邪魔で仕方なかったーということだった。それに比べると、自分たちは一時期だけ傘をささなければいけなかったことはあっても、それ以外は青天ではないが曇っている程度で雨はあんまり降らなかったと思う。やっぱり「晴れ男」パワーがいちおうは効いていたのだろうか?と思っている。

ご飯について言えば、ロンドンは世界に植民地を作っていたので、いまではどこの国の料理も食べることが出来る。イタリア、インド、中国、フランス、トルコなどなど。そういう他国の料理を食べている分においては、特にご飯は気にしないのだろうが、やっぱりイギリスに来たからには、噂のクソ不味いと言われているイギリス料理を食すことを省いてはいけないと思って試してみた。代表的なフィッシュ&チップスを頼んでみたのだが、1箇所で食べただけで判断してはいけないと思ったので、数箇所で食べてみることにした。結果から言うと、不味い理由が分かったということだ。それは味付けが全く無い白身魚のフライだからということ。料理と言うのは、手間・暇をかけて、調理をするということが重要であり、それが味として表れるというのもなのだが、イギリスの料理はだいたい手間をかけるということを不味しない。最小限の調理方法を使って調理をしているだけというのが実態であるために、味付けがないから不味いのである。もちろん、店によっては、ちゃんと味付けをしている店もある。そういうところは当然美味い。が、多くの店は不味い。これは正しい結果だった。

それと、イギリスと言ったらアフタヌーンティなのだが、これはどこの店も似たようなもので、普通のご飯に比べるとだいぶマシ。それにしてもスコーンというのは、どうしてあんなに口の中の水分を片っ端から減ってしまうような食べ物なんだろうか?と不思議に毎回思う。たぶん、珈琲や紅茶をたくさん飲めるようにしているために改良したんじゃないのか?とおもった。それにしても物価がもともと高いところだからかもしれないが、アフタヌーンティもそうだが、レストランの値段も高い。これではエンゲル係数が高くなるだけなので、こんなところには住めないなと思った。

エンターテイメントの世界が充実しているので、刺激を求めたいと言う人にとっては良い都市だとおもう。しかし、それなら東京でも十分だ。同じようなモノである。ただし東京とは圧倒的に違うことがある。それは博物館が無料であるということだ。東京だと、1500円以上くらいはする入場料を払わないと入場できないので、頻繁に博物館に行くと言うのは苦痛になるのだが、ロンドンの大きな博物館は無料なので、暇つぶしに行くとか、学生が知識や教養をつけるために行くという場が提供されているというのは素晴らしい環境だと思った。

ロンドンはオリンピックを開催したばかりだからかもしれないのだが、街のあらゆる場所のところが綺麗であり、落書きが全く見あたらなかった。ゴールデンウィークのときに言ったリスボンの場合は、ポルトガル経済が破綻に近い状態になっている社会だと、若い人たちが職につけなくて、エネルギーが余っているのに暇だから、落書きでもして鬱憤を晴らそうということになるのは当然なんだろうと思う。ロンドンの場合は、世界経済の中心の1つとしてもなっていることながら、あらゆる国から出稼ぎや職を求めてきているところであり、それを許容するたけの職がまだロンドンにはある。となると、それなりに金を得ることができる社会が形成されているわけだから、落書きなんかをしている暇よりは働いていたほうが良いという思考に変わるだけなんだろう。

また、やっぱり紳士の国だからということもあるのだが、観光客を除くと、物事がスマートで丁寧に振舞っているように感じた。雑な動きが感じられない。だから、雑な動きしかできないような中国人観光客というのが、異常によく見えてしまうのだ。きっとロンドンのローカルの人から見ると、こういう中国人は野蛮人としてしか見えていないんだろうなと思っている。

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