2013/09/26

ロンドンの地下鉄


ロンドン市内を移動するには東京並みに発達している地下鉄に乗るのが一番便利だと思う。バスだとどこに行くのかわかんないからだ。確かに地下を走っていると、どこを走っているのか分からなくなるというデメリットはあるのだが、確実にその場所まで移動できる交通手段としてはこれ以上の便利さはないだろう。ロンドンの地下鉄路線図を片手に移動すれば、どこでも移動できるし、あらゆる路線が乗り換え可能になっているので、乗換駅さえ間違わなければ目的地に行くことが出来ることだろう。しかし、目的地が地下鉄駅のどこの駅に近いのかという根本的なことが分からなければ、いくら便利な地下鉄を使っても無駄だというもの。

いちいち切符を買うのは面倒くさいので、どうせならSuicaみたいなプリペイド式のカードを買っておくと言うのも良いし、有効期間中であれば公共交通機関は乗り放題というTravel Cardを買っておくほうがいいかもしれない。なにしろ、地下鉄の料金というのはとても複雑で、ピーク時間とオフピーク時間で値段が違うというのもあるし、ゾーン制というのを採用しており、ゾーンを越えると値段が変わるということになっているので、知らないとわけのわかんないことになるからだ。それならTravel Cardだけ持っていればよく、それもZone1/2を使う一番小規模のもので十分だ。なにしろ、ロンドン市内のだいたいの観光地はこのZone2までの範囲内に入っているからである。
今回自分たちが一番良く利用していた路線は、サークル線(Circle Line)とディストリクト線(District Line)である。なにしろ、宿泊していたホテルがあったGloucesor Road駅の傍にあったからだ。この駅は先の2つの路線のほかにピカデリー線(Picadilly Line)もあり、こちらの路線に乗ると、繁華街のあるエリアに行くことができる。だから、ホテルがあった場所は本当にどこにいくにも、大変便利なところだった。

ロンドンの地下鉄は世界で初めて作られた地下鉄であるため、結構伝統的な雰囲気を持っている。もちろん新しい路線のほうは、それなりに近代的な建物になっていたりするのだが、古くからある地下鉄駅は、場所によっては乗客にとって不便この上ないようなつくりになっていたりする。それを個性といえば簡単に片付けられるものだと思うが、統一性がない駅の集まりなので、各駅がどんな構造になっているのかというのは、1つ1つ降りてみて確認してみると楽しいかもしれない。それはホームとその壁のデザインもそうだし、駅舎の外枠についてもそうだし、乗り換えのコンコースの様子についてもそうだし、どの点をとっても個性的。地下鉄に関する写真集をロンドン博物館で購入したが、まさしく絵になるところばっかりなので、全く駅に関して厭きない。日本の地下鉄の駅は、どこもかしこも無機質な感じがして個性的ではない。工事としては統一的な材料とデザインのほうが楽なんだろうが、一般的には個性がないので、どこの駅にいるのか区別が付きにくいというデメリットもある。唯一、大阪の地下鉄御堂筋線だけは、中央にホームがあり、天井がめちゃくちゃ高い方式になっているので、この路線沿いの駅だけは好きだ。
 
 

 
あらゆる駅が多数の路線と乗り換えが出来るようになっているのだが、その乗り換えをするためには、日本の地下鉄のように、上のほうに乗り換え路線の看板が出ているので、それに従って移動すれば良いだけ。間違って「Way Out」を目指すと、出口に出てしまう。

その乗り換えは東京の大手町駅みたいに乗り換えるのがめちゃくちゃ大変な場所もあるし、すんなり乗り換えることが出来る場所もある。上下に移動するのが大変なところもあるのだが、多くの場所はエスカレータがあるので、それに乗れば良い。エスカレータが作れない場所はエレベータがあるので、それを利用しても良い。地下鉄ピカデリーサーカス駅のところは、たぶん元気がある人にとってはビックリするようなことに遭遇すると思う。日本の地下鉄みたいにエスカレータを使わず、健康のために階段を使うというひともいると思うのだが、ここの駅の階段は、一度上り始めると途中で止められない。そして、階段の段数は193段あり、建物でいうと、15階分を歩くのと同じことなのだ。だから、階段を本当に使うつもりなのかを確認するための看板まで用意されているからおもしろい。普通の人はエレベータを使うことになる。階段をひーひー言いながら上ったあとは、さすがに劇場の街・ピカデリーサーカス駅の改札口と言わんばかりの可愛い改札口が出迎えていた。
 
どうしてこうもロンドンの地下鉄は個性的なものばかりなのだろうか?とおもったが、ロンドンは2012年にオリンピックを開催したばかり。このオリンピックを契機に、各種の整備が整ったというのが正直のところだろう。地下鉄というと、どうしても怖い・狭い・暗いというのがどこの都市でも言えることなのだが、ロンドンはその重要な交通手段としての地下鉄の整備に当てることで、大量の観光客が安全で快適な交通手段を利用できることに努力した結果なのだと思う。その1つとして、ロンドンの地下鉄を走る電車の車両がとても綺麗だったことだ。地下鉄はどの列車も共通的に、赤と白と青のトリコロールから成っている。これは、ロンドンの地下鉄のマークにも利用されており、更に言うと、英国航空のカラーリングでもある。というのも、このカラーリングは、国旗であるユニオンジャックから引用されている。この統一的なカラーリングを国家全体のイメージカラーにしているのはとても素晴らしいことだ。ところが日本の場合はどうだ?日の丸の国旗の存在自体を否定するようなふざけた非国民がたくさんいることによって、日の丸大好きということを表立って言う空気さえもタブーということになっている悲しい国家になっている。赤と白という世界一分かりやすい色を使っているのに残念だ。
 
話は車両に戻すが、この地下鉄の車両というのがとても綺麗である。ディズニーランドのところに走っているモノレールのようなデザインの座席カバーを使い、車両も白を貴重とした壁になっているのでとても清潔に見える。そして、日本の車両と同じように、ドアの丈夫には「次はどこどこの駅」というアナウンスが文字表示で書かれているので、次はどこなのかというのがわかんなくなっても大丈夫に成っている。さらに、これはロンドンオリンピックのときから採用されたようなのだが、日本の交通手段では極当たり前のように利用されている「次は○○駅~。△△線に乗り換えの人はここで降りてください」というアナウンスがされている。そして、地下鉄の走行中においても、Wi-Fiと3G回線を利用することが出来る。日本はまだまだ走行中ではWi-Fiが使えるという環境が装備されていないので、この点ではロンドンのほうが一歩先んでいるようだ。日本はようやく地下での3G回線が使える環境が整備されたばかりであるからだ。ロンドンの地下鉄の乗客を見ていると、日本と同じように、多くの人がスマートフォンを片手にピコピコしている人たちが多い。あんまり新聞を読んでいる人というのは少ないが、それでも居ないことはない。なにしろ、新聞は場所だけとって邪魔だからだというのが大きな原因だろう。
そういえば、地下鉄ベイカーストリート駅(Baker Street)は名前を見ればピンとくるように、ここはシャーロックホームズの家があったとされることで有名な場所である。この駅のモチーフはやっぱりシャーロックホームズ。壁一面にパイプを咥えたホームズの顔があるので、これを見るためだけにこの駅に来るのも良いだろう。大きくホームズの顔を作って、その顔は小さいホームズの顔から形成されているという二重の楽しみがある。ホームズファンは是非行ってみて欲しいところだ。

 

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