2013/09/28

ウィンザー城(ロンドン)

ウィンザー城(Windsor Castle)は実際に今でも国王が住んでいるという城としては世界最大の城としても有名である。そう、ここの城はいまでもエリザベス女王の居城として使われているところなのである。そして、それを一般開放して、観光客や一般人に城の中を見せているという意味では結構驚きだ。

ウィンザー城は、高台の上に立っているところであるために、駅から城のほうに向かうためには坂道を城沿いで歩いていく必要がある。しかし、傍に見えているからといって、即効で城の中に入れるかというとこれがまためちゃくちゃ遠い道のりがある。

そしてようやく城の敷地無いに入ったかなーとおもっても、それはまだ全然手前のことであり、そこから更に坂道を上って正面の入口を通らないといけない。途中に左側に近衛兵が立っている門が存在するのだが、それは出口専用の門になっているので、そこからは入場は出来ない。しかし、その出口専用の門の先にある広場のところで、ウィンザー城で行われる衛兵交代式というのは見られることができるというのは覚えておこう。それに衛兵交代式は毎日観られるというわけじゃなく、バッキンガム宮殿で行われる衛兵交代式と交互の日で行われているので、その日はどちらのほうで式典が行われているのかは事前にウェブサイトで確認しておかないといけない。
ウィンザー城を訪れたときは事前に衛兵交代式の時間を調べていたにも関わらず、なにを思ったのか、実際には11:00amから始まるものだったのを、それが11:30amに始まるものだと勘違いしていた。従って、ウィンザーまで行く電車の時間もそれに合わせて少し余裕を持っていくようにしていたのだが、これが幸いしたのか、到着したときには、これから始まりますよーっという状態になっていた。

しかし、なんといってもこのウィンザー城の中に入るのには、実際にかなりの関門と時間がかかるのである。まず最初にチケットの購入という障害が入るが、これが前に並んでいるひとがとんでもなくバカだった場合には、並んでいる時間が本当にもったいない。ただ、チケット購入はそれほど時間がかかることはないと思うのだが、その後の時間が無駄なのだ。というのも、仮にもここは女王が住む城であるわけなので、警備がとても厳重である。もちろん私物の持込は可能なのだが、爆弾や凶器を持っているかどうかのチェックを空港よりも厳しいチェックが待ち構えているのだ。だいたいの人が、セキュリティチェックのゲートで、ピーピー音を出されてチェックされているために、全く先に進まないのである。そうこうしているうちに衛兵交代の儀式はちゃくちゃくと進行が進んでいくわけで、この荷物検査の待ちは本当にイライラする。いちおう係員のひとが見回って「事前に各にしてくださいー」という注意を全く聞いていないバカが多いようで、ベルトは外さない、硬貨や携帯をポケットに入れっぱなしにする、上着を脱がないというような、おまえは人の話を全く聞いていないだろう?というような人たちのせいで待ち時間が長くなるのだ。

やっと思いでセキュリティゲートを進んだと思ったら、そのすぐあとに無料で借りれるオーディオガイドがある。が、このときには、そんなもの後で借りればいいやと思ったので、急いで衛兵交代式の行われている広場のほうに行くことにした。これがまた上がって下がって、うねうねとした道を歩いていかないといけないため、なかなか到着できない。ようやく到着できた広場では、半分くらい式は終わっていた。しかしウィンザー城で行われている衛兵交代は、かなり間近で見られるものであり、これはバッキンガム宮殿で行われているものよりもカメラのシャッターチャンスは嬉しい限りだ。それも、ウィンザー城の場合は、広場がギリシャ・ローマ時代の屋外円形劇場のようになっているので、前に人がたくさん並んでいたとしても、後ろ側からでも十分に式の内容をみることができる。小さい子なんかを連れているひとは便利な状況だとは思う。
 
 
 
ひととおり衛兵交代式を観た後は、実際にウィンザー城の敷地内の様子と、実際の城の中に入ってみることにする。その前に、ダッシュしたことによってもらい忘れたオーディオガイドをもらうために、一度入場口のほうに戻る。その途中、警備員の人に止められた。「そっちは出口じゃないからダメです」と。でも「オーディオガイドを借りるのを忘れたので、戻って借りたいんです」と説明したら「じゃ、どうぞ」と言って通してくれた。意外に話の分かるひとだ。そりゃぁ、普通は持っているオーディオガイドを持っていないので、見りゃ分かるんだろう。しかしこのオーディオガイド、ウェストミンスター寺院の説明同様、1つ1つの説明がめちゃくちゃ長い。持って帰りたいとおもうほど長い。中にはあまり興味が無いものなんかは、あまりにも説明が長すぎるので、途中で厭きてしまうものもある。音声データはどこかでダウンロードできないのだろうか?

ちなみにイギリスの守り神というのは「セント・ジョージ」である。ラテン語だと、聖ゲオルギオス。「イギリスの・・・」というより正確にはイングランドの守護聖人というほうが正しい。ウィンザー城の門にも、このセントジョージを象った石の彫刻を見ることが出来る。槍を持った勇者が翼の生えた龍を退治しているのがセントジョージ。しかし、セントジョージがなんでイングランドの守護聖人になっているのかは、どうやらイングランド人も疑問に思っているらしく、全然イングランドと関係ないから止めちゃえば?という意見のあることはあるらしい。そんな勝手に守護聖人って変えられるわけ!?日本もヤタガラスを明日からイリオモテヤマネコにしようっと言っているようなもんだから、この人たちの考え方がよくわかんない。
 
城の居住部は実は八角形の建物になっており、その建物を囲むように、深い壕が出来ている。それはどうも日本の城のつくりとちょっと似ているのではないだろうか?天守閣に登る前には壕を作って、外敵の侵入を防ぐという役割があるのだが、ここの城についても同じだ。なにしろ、ウィンザー城の建設は13世紀のもの。だから、一番バロックそのものの時代に作られている。そして、先ほど入口のチケット売り場から衛兵交代を見るための広場へいくまでの道についても、細くてうねうねしているのも、天守閣に登る前に各所で敵を迎え撃つような仕組みになっている日本の城と実に良く似ている。ところどころ道の壁に窓みたいなのが見えるのは、そこから下から駆け上がった来る敵に対して矢で(後世は鉄砲で)応戦するために設けられたものだ
 
 
高台の上に立っているウィンザー城は、壕と反対側の外側のエリアを見ると、眼下の城下町がよく見える。しかし、ここは今でも皇室に使われている城だとはいえ、城の周りはあまりにも簡素でなんの発展もない。おそらく簡素にすることがイギリス皇室を静かに見守るようになっているのだろう。中国だったら、高官が城には絶対やってくるからという理由で、その高官に向かって商売をするために、むやみやたらにゴキブリのように集まってくるのだろうが、ここウィンザーにはそんな喧騒は全く感じられない。だから、高台からの風景も本当にここが城下町なのか?と疑いたくなるくらい、周りの景色は何にもない
森しかないのである。
 ウィンザー城の内部に行ってみよう。

まずは、現女王のエリザベス2世から見ると祖母にあたりジョージ5世の嫁であるメアリー王妃が集めたままごとセットというのがある。ままごとセットというと、とても幼稚なものに思われるのだが、これがとても精巧に出来ており、人形の服1つ1つが手作りのものであり、それも記事がとても上等なものを作られている。さすが王妃の遊び道具として出来たものとはいえ、一流の建築家に、当時の最先端の技術を取り入れた「りかちゃんハウス」のようなものを作らせたりしているところは、さすが皇室の力を見せ付けているなとは思った。ただし、こちらの展示物は、どれもこれも写真を撮ってはいけないことになっている。なんで撮ってはいけないのか謎。

隣の部屋には、王族たちが自分で絵を書いた証拠作品集が展示されているところがある。ヴィクトリア女王やジョージ6世が自分で書いた写生なんかはとても素晴らしいとおもったのだが、実はチャールズ現皇太子が書いた各絵はどれもこれも本当に下手。子供の絵ではないのだろうか?というくらい下手で笑える。しかし、写生を描いている場所はさすが金銭には糸目をつけないイギリス王室というだけあって、アフリカやアジアなどの世界各地で描いているようなのだが、それでも描いている人の技量が全く無いため、どれもこれも陳腐化しているように思える。絵画の実力からしても、あの皇太子、やっぱり王としての素質は無いな。
 
続いて城の建物を出て、外にあるセントジョージ礼拝堂にもいってみたほうがいい。ただし、ここの建物に行く前に「ガーター騎士団」という称号について事前に知っていたほうが良い。礼拝堂は城と同じくらい古いものであり、外観についてはバロックそのものの建物。アーチ型の礼拝堂の天井についてはとても見事なので、是非内部に入って上をみて溜息をついてもらったほうがいい。そして、礼拝堂の中心部にいくと、現ガーター騎士団の紋章の旗がはためいている。ガーター騎士団とは、元々はイングランド王を守るために作られた貴族の集まりなのだが、いまではとても名誉のある称号の1つになっている。そして、ガーター騎士団に入るためには、既にメンバになっている他の2人による紹介がなければ入ることが出来ないという厳しい資格だ。チャーチルは昔からの貴族であり、いまもガーター騎士団のメンバに入っている家のひとたち。そこで何と、日本の今上天皇陛下も実はガーター騎士団にえらばられている。元々は1902年の日英同盟を締結した際に、明治天皇がガーター騎士団のメンバとしてどうしてもなってほしいとイギリス側からの要請によってなったものだが、その後大正、昭和の天皇にこれは引き継がれた。しかしながら、途中第二次世界大戦のときに敵国として戦った日本は、ガーター騎士団の資格を剥奪されてしまう。戦後、日本の地位を回復すると同時に、このガーター騎士団の名誉ある地位についてもまた回復した。ヨーロッパ以外の皇族においてガーター騎士団のメンバになっているいのはいまは日本しかない。その証拠に、ここでは天皇家を表す14枚の菊の文様の旗があるので、上を見て旗を探してみよう。礼拝堂の係員に「あれはもしかしたら日本の天皇ですか?」と聞いてみたところ、「よくわかったねー」と教えてくれた。写真を撮りたかったなー。
なお、入場券はその後1年間、再入場することができるようになっているので、退出の際にはチケットにハンコを押してもらうことをわすれてはならない。ただし、二度と来ることもないのであれば再訪には気にしないで良いと思う。

ウィンザー城(Windsor Castle)
URL : http://www.royalcollection.org.uk/visit/windsorcastle/plan-your-visit?language=ja
Open : 9:45~17:15
Admission Fare : £18.50

ウィンザー城の近衛兵交代式:http://www.royal.gov.uk/RoyalEventsandCeremonies/ChangingtheGuard/Overview.aspx

1-Year Pass : http://www.royalcollection.org.uk/1-year-pass

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