2013/09/28

セント・メアリー・ル・ボウ教会で結婚式に出遭う(ロンドン)

ギルドハウスを出たあと、地下鉄に乗って帰ろうかなーと思っていたので、最寄の駅を探して歩いていると、どこかから教会の鐘が聞えてきた。教会の鐘は何気に聞いていると心地よいし、日本にいるとそんなに身近にあるようなものではないから、物珍しく思うものの1つなのだが、このときの教会の鐘は、てっきり時刻を示すための鐘だと思っていたのに、いつまで経っても鐘が鳴りやまず、それも今生の別れのような気が狂ったかのように鳴り響いていたため、なんか変なことでもいまロンドンで起こったのかなと思っていた。
鐘が鳴っていた教会は「セント・メアリ・ル・ボウ教会(St. Mary-le-Bow Church)」という。この教会の傍に行くと、その原因というのがすぐわかった。なんと、結婚式がその教会で行われるため、さっきからずっと鳴り続けていたのは、お祝いを示すための鐘だったというわけだ。

教会の入口付近には、花嫁の到着を待っている牧師と女友達がずらっと並んでおり、ちょうど自分たちが教会に到着したときに、花嫁を乗せた車が到着したところだった。どういう人が今回の主役なのかなと思うのは、通りすがりの観光客と言えども、やっぱり気になるところだ。車から降りてきた花嫁は、まぁまあ綺麗な人であり、長い裾の白いウェディングドレスを着ているため、その友達が裾を持って教会の中に入るのを手伝っていた。
しかし、その友達がすげぇデブ。ケツがデカイ!食が貧しいイギリスで、よくもまぁこんだけ太りましたなーというくらいのデブ。毎日ハンバーガーでも食っているんだろうか、この人は。
それよりもビックリしたのは2つ。教会の入口で牧師が花嫁の到着を待っていたということ。てっきり花婿が待っているのかと思っていたのだが、花婿はいち早く、教会内部の祭壇の前にいて、花嫁が来るのを待っていると言う状態だったからである。それと、花嫁のお父さんがスカートを履いていたということ。スカートを男性が穿くのはスコットランド人の正装。ということで、この花嫁または一族はスコットランドの人なんだろうというのが分かった。
 
ちょうど通りかかったときにお目にかかったのがこの結婚式。日本の結婚式は招待客以外は教会内部にはいることができないのだが、ここの教会は全く関係ない人でも結婚式の式典には参加できる。でも、教会の椅子のところに座って、仲間として参加するということは不可能で、端っこのほうで様子を見るということは可能だ。
 
ある程度、式が進んでいくとつまんなくなってきたので、そろそろ教会を出ようと思った。その前に、なにか扉があったので、なんだろう?と何気なく開けたら、そこには階段があった。たぶんこの階段を上っていくと、鐘のところにいけるんだろうとおもったので、鐘のところから街並みでも眺めようと気軽な気持ちで上ってみたところ、なんと踊り場のところに人がたくさんいることを発見。なに、このひと?!よくよく見ていると、天井からたくさんの紐がずり下がっており、その1本1本に1人ずつが立っているのだ。さっき狂ったようになっていた鐘は、実は自動で鳴らしていたというのではなく、ここにいるひとたちのようなボランティアが、人力で鐘を鳴らすために紐を引っ張っていたということが分かったのである。
 
実は鐘は、ドレミファソラシドの8音から鳴っており、それを順番にならしていくような鳴らし方だった。鐘を鳴らすには、全身で紐を引っ張るような形で鳴らすので、結構鐘を鳴らすのもひと苦労のようだった。たまたまその場にいたおばさんが説明をしてくれたのを聞いていると、今回は結婚式が始まる30分前からずっと鐘を鳴らしっぱなしにしていたということ。「30分もですかぁ~?」と驚いたような顔をしてたら、「あーら、今回は短いほうよ。過去にはどれだけ長く鐘をならせるかという自慢大会みたいなのがあったらしく、壁に過去に結婚を上げたひとのプレートが並んでいて、最高気雄録は、8時間1分なのよ」だっていう説明を聞いた。金持ちがたくさんの人を雇って、その鐘鳴らしの大会らしきものに参加していたんだとおもうのだが、8時間も教会の鐘が鳴り続くっていう状況を想像してみるとわかるが、そんな長い時間鳴っていたら、きっと頭がおかしくなるんじゃないのだろうかと思う。うるさすぎて。
 だいたい、「最高記録の8時間1分の1分っていうのがおかしいですね?」という話をしたときに、説明をしてくれたひとがいうには、「さすがに8時間もなりっぱなしにするのは体力も限界がくるし、聞いているほうもうるさいからだんだん辛くなってくるでしょ?それまでの記録が8時間ぴったりの時間だったから、最高記録のひとは1分だけ長くしようと思ったみたいね」という話。まるで、セルゲイ・ブブカの棒高跳びの記録が1cmずつ増えていくようなものだなとおもった。それに時間とは関係なく長時間も鳴り続けている鐘は、ありがた迷惑にしかならないんだろうなとおもった。

セント・メアリー・ル・ボウ教会(St. Mary-le-Bow)
URL : http://www.stmarylebow.co.uk/
Address : Cheapside, London EC2V 6AU
Telephone: +44 (0)20 7248 5139

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