2013/05/11

ロシオ駅(リスボン)

リスボンのガイドを見ていると、国鉄ロシオ駅(Estação Ferroviária do Rossio)が書かれているのはわかるのだが、地図上に書かれている様子から判断すると、てっきりこの駅は地下にあるのかなと思っていた。しかしながら、これは単にロシオ駅のすぐ西側にバイロ・アルトの丘が立っているために、日本人が普通に考える地上駅とは全く異なる形式になっており、線路が見えるようなところに存在しない形になっているのだ。というのも、実際に線路が存在するところはトンネルになっているのだが、トンネルだからといって地上にないかというと、そうではない。丘の中をぶった切って線路は走っているからだ。

もともとこのロシオ駅はリスボン中央駅といわれていたくらい交通の要所であった。すべてのポルトガルの鉄道路線はここから出発していたのだが、やっぱり手狭になったことと、たくさんの列車を止めるにはそれほどスペースがないことから、主要のターミナル駅としての機能をもう終わらせてしまっていると言って良いだろう。しかしながら、それでもまだターミナルとしての機能が全く無くなったというわけじゃなく、シントラのような西部方面に行く電車や、ポルトガル中部のトマールに行く中距離列車の一部始発駅になっている。
外見からの駅舎は、さすが一番最初に中央駅として名を馳せていた通り、現在の役割からするともったいないくらい立派なつくりになっている。パッと見たところ、劇場か教会かと思われるようなつくりになっており、これは建築学的にはネオ・マヌエル様式と呼ばれるつくりになっている。

入口は2つの大きな馬蹄のような形をしており、その1階エリアにはスタバが存在する。ポルトガルにもスタバがあって、こんなところでクソみたいなコーヒーを飲む人はどういう人種なんだろうとおもうのだが、だいたいがアメリカ人とアジア人だった。ポルトガル人はまずこんな舶来のコーヒーチェーン店は入らない。改札口や切符売り場は、実は丘の上にあたる上位階に存在する。そこまでは長いエスカレータを上っていくといい。
エスカレータで上っていくと、正面に自動と人による切符売り場がある。しかし、多くの人は自動販売機のほうに行かず、係員が居る窓口に行く人が多い。このあたりがやっぱりヨーロッパだなーという感じがした。日本の駅は1人でも作業ができるように切符売り場のところに路線と値段が書かれている大きな地図が用意されているのが普通だが、これに似たようなものが美観なのかそれとも地図をもともと読める人たちが居ないからなのかわからないが、まずヨーロッパの駅には存在しない。単純明快で、どこまで行っても同じ値段とか、1路線しか存在しないというような場合には、駅名と値段がどこかに書かれているものを参照して自分たちで購入することは可能のようだが、自分が行きたい駅というのが地図上のどこに存在するのかを探すのにすごい時間がかかっている外人のことを日本の駅でも見られるように、ヨーロッパでも同じような掲載をしてもたぶんヨーロッパ人は読みきれないのだろうと思う。
ロシオ駅は国鉄なのだが、地下鉄と同じように改札口はなんと自動になっており、一般的なヨーロッパの駅のように好き勝手にホームまで誰でも入ることが出来るというようなことは出来ないことになっている。さらにいうと、切符自体が非接触型になっているため、それ専用の窓口になっている。じゃぁ、長距離でかつ非接触型の切符が適用になっていない地域に行く場合はどうなるのかというと、そういう人はこの駅から乗れない。おそらく違う駅から乗る電車に乗らないとダメだ。言い換えれば、非接触型の切符が使える路線は決まっているからだということもいえる。ちなみに、シントラのほうに行くときには、ここから行くことになるのだが、シントラの駅も非接触型の切符でいける。
ちなみに、ロシオ駅と地下鉄レスタウラローデス駅は連結コンコースで繋がっている。地下鉄駅からだと、その乗り換えがよくわからないのだが、そこは脳みそバーの人間ではどちらのほうにいけばいいのか看板が分からない形で表現されているのが問題だとは思う。しかし、ロシオ駅のほうからいくとそれが分かりやすい。ロシオ駅からだと、駅の中にあるプラットフォームから、下の階にいくところがあり、そこに「地下鉄」のマークが存在するのである。最初はそこはどこに行くんだろうと思っていたところ、実は地下鉄との乗り換えのコンコースだった。スタバがある乗り口よりもさらに下に下がるエスカレータに乗っていくと地下鉄のあるエリアに出てくるわけだ。

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