2013/05/11

Zé Varunca

地球の歩き方に載っている場所に行くと、たくさんの日本人がいるのは分かっているから、あまり日本人が屯しないようなところがないかなと思って、トリップアドバイザからレストランを探してみた。ロンリープラネットを持っていたらそれを読んでいくのもありだったが、今回はポルトガル版のロンリープラネットを事前に買っていなかったので、トリップアドバイザの助けをかなり頼ってしまった。

そのなかで見つけたのが、Zé Varuncaという伝統的なポルトガル家庭料理の店である。地下鉄Avenida駅から裏道に入ったところに存在するので、最初はどこに店があるのかな?と一瞬分からなくなりそうだったが、そんなことは無かった。

この店に行ったのは表向きの営業時間開始である18時半ごろに行ってみた。しかし、既に1組のカップルがこの店で先にご飯を食べていたので、実際にはこの店は何時から存在しているのか分からない。だけど店は混んでいるわけじゃないのに、なぜか入口を入ってすぐのテーブルのところを案内された。なんで?他にもテーブルが空いているじゃん?!これについては、後で分かったことなのだが、ほとんどのテーブルが事前予約をしているところだったのである。自分たちは確かに18時半頃に店に到着してご飯を食べ始めたのだが、他のお客さんは20時ごろからぞろぞろとやってきて、自分たちが帰る頃にはすべてのテーブルが満席になるくらいの大盛況ぶりで、さらに客が入ろうとお店にやってくるのだが、店主は「見てくれ!きょうはもう無理無理~」とお客さんをあしらっていたりしていた。同じようにトリップアドバイザを見てきているひとが多いのかどうかはわからないが、見たところ、地元の人たちが仲間内とご飯を食べるためにやってきているという感じがした。
お店の雰囲気はとても家庭的な雰囲気で、食器に付いても可愛らしい。ニースあたりでよくお土産として売られている黄色を主とした色のカラフルな食器を使っているところが可愛らしい。さらに料理として運ばれてくる鍋や大皿も1つ1つがとても可愛らしいものであるため、それを眺めているだけでも楽しくなる。さらに言うと、店全体の壁がこれまたカラフルで可愛らしく、別に幾何学模様になっているわけじゃないアズレージョで全面を覆っているところだろう。これを観ているだけでもたのしくなるのだが、見方によっては「ここはトイレか?」と思ってしまいたくなることもある。
 
 
さらに言うと、テーブルに運ばれてきたメニュがまた可愛らしい。昔ながらの厚手の表紙の本のようなメニュで作られているのだ。それも複数のメニュがあった場合には、1つずつが全く異なる表紙で飾っており、これが全部手作りで製本をされているのが分かるのだが、これが味があって楽しくなる。
 
店主だろうと思われる男性店員は愛想がいい。どんな客にも、すべてのテーブルを廻って「味はどう?楽しい?」みたいな声をかけてくるし、メニュを選んだとき「いいねぇー、そのチョイス」と客をおだてるのが上手だ。もう1人、女性のバイトみたいなのがいるのだが、これがまた愛想が悪い。たぶん本人は愛想が悪いと思っていないのだろう。ポルトガル人の特有な人見知り、作り笑顔をしないという典型的なタイプなんだろうと思う。仕事は熱心に、そして丁寧にやるんだが、愛想が無いのでなんとなく常にムッとしているように見えて、一元さんの客にとっては「あの店員はなんなんだ?」と思うところがあるだろう。

さて、ここで食べてものは以下の通り。


・ 肉のアペタイザー
・ 鴨の釜飯
・ プリン
・ アップルタルト
・ コーヒー 

おそらく上のメニュを見たときに、「あれ?少なくない?そんなもんで足りるの?」と思う人がいるだろうが、メインとなっている肉のアペタイザーと鴨の釜飯は、どちらも大きな鍋にたくさんの量が入っているので、これだけでもうかなり満腹なってくるのである。

肉のアペタイザーから先に説明すると、ジャガイモを中心とした野菜と肉を混ぜ込んだ煮込みモノをカワイイなべにいれて提供される。具の1つ1つが大きいので、食べがいがあるあるところもいいが、味付けはこれが思ったほど濃くないので日本人の舌にもとても合うものだと思った。それに運ばれてきた鍋をみたときに、この可愛らしいなべの中はいったいなにが入っているんだろうというワクワク感が一緒に伝わるところが、この店が客に対するホスピタリティの1つとして提供しているんだろうと思う。ジャガイモ中心であるからそのためにおなかが膨れるとしても、中に入っている鶏肉も柔らかくて味が出ているのでグッドだ。
 
もう1つのメインである鴨の釜飯だが、これは鴨肉と鴨肉から染み出た汁をベースにして釜飯にしているものだ。中華系に出てくる鶏飯とはちょっと違う。なにしろ、ご飯のところまでは鶏飯のように濃いスープの味付けというわけじゃないからだ。この鴨肉を解して、ご飯と絡めて食べるとすごい美味い。なにしろ鴨肉自体がなかなか脂が載っているので美味い。
 
デザートもきっと美味いんだろうとおもって、調子をこいて頼んでみたが、大正解だった。プリンも、想像としてはプッチンプリンみたいなものかとおもっていたのだが、これがめちゃくちゃ大きなサイズで、カラメルの部分が濃厚なのと、卵黄の部分がかなり濃厚であるというところがめちゃくちゃ美味い。もう1つのデザートだるアップルタルトは、付けあわせでプラムが付いている。ちょっと酒で漬けられたプラムから染み出る甘さとアルコール分がアップルタルトと相まって、一緒に飲むエスプレッソコーヒーがとても美味しく感じる。
 
これ全部で37ユーロ。結構安くて美味いしびっくりする。煩くないし、雰囲気いいし、リスボンの中では隠れ家にしたいところだ。

Zé Varunca
URL : http://www.zevarunca.com/
Address : Rua São José 54
Phone : +35 1 213 468 018

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こちらの近くのホテルに泊まるので、どんなレストランなんだろうと気になっていたところでした。
美味しそうで、とても参考になりました!
是非滞在中に行ってみたいと思います!