2013/05/11

サント・アントニオ教会(リスボン)


サント・アントニオ教会は、市電28番に乗っていくと「カテドラル」駅の目の前にある教会である。サン・アントニオはリスボンの守護神の1人である聖アントニオにちなんでいる。あれ?そういえば、別の教会のところでリスボンの守護神っていうのは聖ヴィンセンテじゃなかったのか?とおもったひとは勘が鋭い。リスボンにはなんと4人もの守護聖人がいるようである。まぁ、なんとも贅沢に聖人を使っている都市だと思った。

聖アントニオ教会の左横には、ほとんど訪問客が居ないサン・アントニオに関する博物館がある。規模としてもそんなに大きいわけじゃないので、ちょっと立ち寄るという程度でも十分なのだが、中に入ると、色々な形で表現された聖アントニオがあるので、ここはキティちゃん博物館か?と思うくらい、どこかの趣味の悪いひとが人形や像を集めてきたものに見えてきてしまった。これだけ同じ聖人ばかりのことを集めて、それを展示しているというのを見ると、かなり奇妙なのだが、信者にとっては、神と同じ意味をもつ人なので、キティファンにとってはどれだけキティが揃っていてもそれでも足らないと感じるのと同じなんだろう。

じゃぁ、なぜその聖アントニオがこの教会の名前になったのか、そして聖人になったのかというのが不思議だ。それは教会に入ってみればすぐに分かる。もともとここには教会がなかった。聖アントニオは宗教家としてイタリアで活躍をしていたのだが、その生家があったのがここの教会のところ。聖人化したあとに生家は教会にしたようなのだが、そのときに、先にすぐ傍にカテドラルがあったから、それと一緒に霊廟として収めることは考えなかったのかというのは、正直不思議に思うところだ。だって、教会の隣りに教会を建てたようなもので、現代人の目からみるとそれが奇妙に思えるからだ。でも、日本人的に考えると、寺の隣りに寺を建てるのは別に不思議じゃないので、それと同じ感覚なのだろうと思う。

教会となった生家は、ここに聖アントニオは生まれたというのを証拠とする一角が教会内に存在する。それは地下にあるため、ここまでお参りに来る人はあまり居ない。だが、この教会に来たのであれば、ウソか本当かわからないが、ここで生まれたという場所まで来てこの教会の意味を感じたほうがいいだろう。
教会内部は荘厳という言葉で言うのに尽きるという雰囲気を持っている。そして、聖アントニオが絵や彫刻として描かれる特徴としては、幼いキリストを抱えている様子を図解化している様子だ。別に、本当のキリストが生きている時代に聖アントニオも生きていたというわけじゃない。あくまでもイメージ図としての聖アントニオなのである。だから、この教会の正面祭壇でもこの様子を彫刻化した聖アントニオの像が掲げられているのが目に見える。
 
 
1982年にローマ教皇・ヨハネパウロ二世がこの教会にやってきて、聖アントニオの生誕地のところは地下聖堂になっているため、この聖堂に対して祈りを捧げたということを示した看板を見つけた。そしてその祈りは、聖アントニオの死後750年を記念したものであるという意味でもあることがわかった。が、正式には1231年のポルトガルの祝日にもなっている6月13日になくなっているため、正確には死後750年を記念したわけじゃないとおもうんだが、まぁ、そんな細かいことは気にしないでおこうではないか。
しかし、地球の歩き方には「縁結びの聖人である」という主旨のことが書かれているのだが、これはイマイチなぜそう書かれたのかわからない。しかし、英語版のWikipediaには「He is also the saint of finding things or lost people」と書かれている。似たような意味はあるが、決して縁結びという意味ではない。

サント・アントニオ教会 (Igreja de Santo António de Lisboa)
Open : 8:00am - 19:00
Admission Fare : 無料
聖アントニオに関するWikipediaはこちら

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