2013/05/11

海洋博物館(リスボン)

ジェロニモス修道院と同じ建物にあるのだが、一番西側には修道院とは異なり、絶対ポルトガルに来たからには見ておくべき博物館がある。それが海洋博物館(Museu de Marinha)であり、ここに来ると、ポルトガルが海洋国家として成り立っていたということがよくわかるものだ。

入口を入ってすぐのところに、いきなりエンリケ航海王子の巨大な銅像がこんにちはーと出迎えてくれる。これが室内に置いておくには、ちょっと大きすぎるくらいの大きさである。特徴のある鍔の広い帽子をかぶり、襟が高くぴったりとした貴族らしい上着をきて、どっかりと座った状態で鎮座している像である。これを見るとエンリケ王子はこういう顔なんだと分かるのだが、後ほど紹介する「発見のモニュメント」のところにいるエンリケ王子は顔がよくわからない。
そして王子の像の後ろには、ポルトガルが世界をまたに駆けて大航海時代に発見と交易のあった場所を示した巨大な世界地図が壁に掲げられている。この世界地図は別に古い地図ではないため、現在の世界地図を基に作られているため、別に違和感のない形になっている。そして当然日本もポルトガルによって「発見」されたことなので当然掲載されているのだが、ポルトガルから日本に来るまでどのような経路を通っていったのかというのが赤線によってわかるようになっている。種子島に鉄砲を持ってきたことにより初めて日本とポルトガルが繋がったわけだが、長い道のりを通ってようやく遠東のジパングにやってきたときのポルトガル人たちはどう思ったことだろうか?また、ポルトガルによって「イル・フォルモーサ」と名づけられた台湾も当然ポルトガルによって「発見」されたことになっている。地図上では「TAIWAN」ではなく「Ilha Formosa」と書かれている。
大航海時代の航海技術と帆船や船員に関する模型や展示物がめちゃくちゃたくさんここにはある。それを全部ゆっくり観ていると、それだけですごい時間が経過してしまうわけだが、大航海時代のものだけじゃなく、現在の海軍に関するものまで揃っているので、海モノには興味があるひとにとっては泣いて喜びたくなるようなモノばかりだ。船の先端につける魔よけを意味するデコレーションが、聖人の顔をモチーフにしているのだが、なぜこの顔は片目は開いている状態で、もう一方の目は瞑っている状態なのかがわからない。

 
 
 
 
 
個人的には結構現代になるとおもわれるのだが、まだ帆船の時代に作られた船室の一部として、船乗りではなく客船として使われていたときの貴族などが使ったであろう船室の豪華さにびっくりした。帆船としてはかなりの大きさだったことはわかるのだが、そのなかで船室を作るというのはかなり場所と広さに制約があるものだと思っていた。ところが上級クラスの客が乗り込む場所というのは、いつの時代も自分の部屋にいるかのような空間の広さとその中に持ち込まれる道具の凄さには、とても船旅をするものではないと感じてしまう。これだけ快適な部屋であれば、波による揺れさえ耐えれば、何十日もかかる船旅も楽しくなるだろう。
海洋博物館(Museu de Marinha)
URL :http://museu.marinha.pt/museu/site/pt
Open : 10:00~17:00
Holiday : 月曜日
Admission Fare : EUR4.00


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