2009/09/13

無為草堂(台中)

台湾には全土にたくさんの茶芸館があり、どこもすばらしいものがあるとおもわれるのだが、昔からどうしても行きたくて行きたくて仕方がなかったのだが、場所が台中だからということだけで、何度台湾に渡航しても行ったことがない憧れの茶芸館がある。それが無為草堂(Wu Wei Zao Tang)である。たぶん、台湾のガイドで台中のことを書かれているのであれば、必ずといっていいほどこの茶芸館は記載されているほど、台湾では超有名どころである。

たぶん、この茶芸館の存在を知ったのはテレビだったとおもう。いまはほとんど台湾の紹介をしているテレビ番組がないのだが、以前、台湾の宣伝がかなりたくさん番組やCMを通してバンバンテレビ放送されていたときに、この茶芸館のことが紹介されていて、それでなんと綺麗なところなんだろうという感激から、絶対そのうち行かねばならない場所だと思っていたのである。今回台中を訪問先として選んだのは、台中が今まで行ったことがない場所だからということもあるのだが、この茶芸館に一度は行ってみたいと思っていたからである。

ホテルからこの店までは実は結構距離がある。公益路をまっすぐ行けばいいだけなのだが、地図で見ているよりも、実際に歩いていったら本当に遠かった。太い通りを何本も横切らないといけないのだが、この店に行くまでの間に、公益路だけとはいえ、台中の街がとても大きな街であること、そして結構広範囲にわたって繁華街があることがよくわかった。公益路だけでも、道の両サイドにたくさんのレストランがあることを発見したからである。

さて、前置きはこのくらいにして実際の無為草堂に入ってみることにした。

入口は公益路と大敦路の角にあるため、通りで考えるとめちゃくちゃ車通りが激しいところの角っこにある。ところが入口だけを見ると、ここは都会の真ん中なのか?と思わんばかりに、木の塀と道路を隔てていることにより、気分と時間を門を潜った途端に忘れてしまいそうになる。中に入ると、椅子の部屋と靴を縫いで寛ぐ部屋の二系統があるので、どちらかは選べる。混んでいると無理なのかもしれないが、大抵はそんなに混んでいるわけじゃないので、希望するほうを選ぶと良い。もちろん、今回は中庭の池が見える座敷タイプのほうを選ぶことにした。基本的にここではお茶を楽しむための空間であるのだが、メニュとしてはお茶だけでなく、時間帯によってはご飯の提供も可能なのである。といっても、ありがちな台湾料理ではなく精進料理に近いものがあり、クソ暑い台湾なのに鍋料理なんかがあるから、ちょっと笑える。今回は飲んだことがないようなお茶をせっかくだから試してみようかと思ったので、蘆山烏龍茶を頼んでみることにした。台湾中部に蘆山で取れる烏龍茶であるため、海抜が高いところで作られているものなのである。説明に書かれていた特徴としては「おちついた香りで、何回淹れても強い甘味があります。一度飲んだら忘れられないお茶です」と書かれていた。確かに最初に飲んでも、何度淹れても味が変わらず、ほんのり甘い香りがするために、今度台北でお茶を買うときには絶対これを買いたいと思ったのである。値段としては、37.5g で380元だから、決して安いものではない。100g換算にすると、1000元を超えるわけで、そんな高いお茶なんか、今まで買ったことがない。まぁ、こういう場所でお茶を飲むという雰囲気と場所代ということを考えれば、仕方ないかなという気もする。

ちなみに、勝手にお茶請けもでてきて、1つは蝦の風味のチップス。これが病みつきになってしまうくらい、パクパクと食べてしまったのだ。それと、「これはサービスです」と言ってもって来られたのが、烏龍茶のゼリー。上に茶梅が乗っているのだが、こういうゼリーもたまにはいいなとおもった。口がスッキリして、飲んでいる茶と口のなかで喧嘩しないからだ。茶道具一式が目の前に置かれるのだが、一切合財、店の人が用意してくれるわけではない。道具とお湯は用意するから、あとは勝手にやってくれーという放任主義のところなのである。初めて、台湾式の茶芸を体験する人にとっては、どうしていいのか分からなくなると思う。まぁ、そういうときには、店員を呼んできて「おしえてー」といえば教えてくれる。どうせ、店員は暇だ。さて、この茶芸館に来たかったのは、その中庭の池の見事さに惚れてしまったからである。いろいろな写真やガイドでは見たことがあるのだが、その通りの映像が目の前に広がっていたので、本当に来てよかったと感じた。池の鯉の餌も実はお茶請けと一緒に運ばれてくるので、最初、「この小さい小粒は一体何かな?」と思いながら、実はちょっと食べてしまった。小さいころ、鮒を買っていて、そのときの餌を子供ながら食べてしまったときがあったのだが、そのときの記憶がめちゃくちゃ味から蘇ってきてしまって、それではたと「こ、これはもしかして、鯉の餌?」と理解できたのである。そして、その鯉はめちゃくちゃ大きいし、餌を貰うことになれているので、餌を持っていそうな人間の傍に勝手にやってくるのは面白い。まぁ、そんな鯉のなかに餌を放り投げたら、もう大騒ぎである。くわせろーと言わんばかりの鯉がたくさんいるからである。無為草堂
URL : http://www.wuwei.com.tw/
台中市公益路二段106号
Phone : 04-2329-6707
Open : 10:00~23:00
(食事は11:30~14:00と17:30~21:00)

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