2009/09/13

城隍廟(新竹)

新竹の中央市場は城隍廟を中心に囲むようにして形成されている。しかしながら、その中心の廟に行くには、迷路のような市場を通り抜けなければならないのだが、全く矢印とか方向指示のようなものがないために、どこにいったら廟にたどり着けるのだろうかということが分からない。それでも、市場を通っていくと、なんとなく自分が中心地の方向に向かっているということくらいは直感でわかるから不思議なものだ。こういう廟は地元の人しか来ないようなもので、部外者にお披露目するために存在するわけではないためだから、「こちらが廟ですよー」なんていう看板はあるわけがない。過保護の育っている日本人的な考え方からすると、「不親切だ」と思うのだが、地元民からすれば、そんなのはみんな周知のことなので、あえて看板を出す必要はないのである。

ここで祀られているのは名前のとおりに「城隍爺」と呼ばれる神様で、日本で言うところの閻魔様である。ところがこの新竹にある城隍爺は台湾の中では一番偉い城隍爺なのだそうな。歴史的にも1748年に乾隆帝の命で作られているというから相当古い。閻魔様なので、死んでも地獄に行かないようにおいのりするというのが、ここに来ている信者たちの基本的な考え。

ただ、冗談で作ったんじゃないのか?と思われるような神様の像がたくさん並んでいる。あっかんべーっと舌を出している神様や、村山元首相のように眉毛がぼーんと出ている神様やら、高校の文化祭にでも出てきそうなへんてこりんな顔をしている神様なんかもいる。だけど、そんな変な神様を横に従えて、真ん中に陣座しているのが城隍爺なのだ。顔を見ると穏やかな顔をした女性的な神様にみえるのだが、日本の閻魔様のイメージを持っていると、「違う神様?」と勘違いしてしまう。廟がちょうど市場の真ん中に存在するというのは記載したが、そのために廟で焚かれている線香の煙が外に漏れないため、年がら年中、廟の中は線香臭い。この線香臭さが、下界とは一線を画している雰囲気を醸し出しているのではないだろうか。

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