カステラといったら文明堂が有名なのだが、いまは本店が東京にあっても、もともとは長崎にあった会社。だけど、文明堂が一番最初に日本でカステラをつくった会社でも全然無い。文明堂なんて、長崎のカステラ界では若造の部類に入るところだろう。文明堂がこれほど世に知られたのは、やはりその宣伝力なんではないかとは思う。
じゃ、カステラの老舗と言ったら長崎ではどこなのか?というと、これは「松翁軒」というところは絶対外せない。なんといっても創業は天和元年・1681年である。今年で330年以上にもなるという堂々たる老舗だ。ちょうど日本が徳川幕府により鎖国が始まり、長崎・出島が唯一の海外への玄関として開港していたときに、ヨーロッパ文化として入ってきたときに伝わったと思われているが、実は異なる。そのときの貿易国はオランダになるわけだが、オランダは新国家として世界の海で稼ぎまくり始めていたときではあるが、食べものの文化はそんなによくはなかった。カステラの元となったのは、その鎖国になるずっと前のポルトガル船がやってきたころに、スペイン船もやってきており、そのときに伝えられた御菓子が元。カスティーリャ王国の名前にひっかけて作られた言葉が語源のようである。
泊まっていたホテルのすぐ傍に松翁軒の出店があったので、実は夜のおやつとして買ったのだが、本店は観光名所にもなっているめがね橋の傍にあるところだ。
本店にある建物には、カステラはもちろん販売しているのだが、2階にいくと、喫茶になっているので、カステラをお茶菓子にしてコーヒーやら紅茶も飲めるところだ。それもかなりレトロな雰囲気がある喫茶店だし、店内には季節ごとなのか、このお店が所有している骨董品を展示しているので、なかなか楽しいと思われる。ちなみにここの喫茶の名前は「セヴィリア」。まさしくスペイン南部の地名から引用している。でも、でも、カスティーリャ王国じゃないじゃん!も、もしかして、レコンキスタ後のカスティーリャ?だったら、勢力図の中に入るね。
松翁軒には贈答用のカステラが売られていて、パッケージもそうなのだが、味もちょっと濃いとのこと。ワンランク上のカステラというのがコンセプトのようだが、本店でお茶をしたあとにおみやげとして買って帰ろうかと思ったのだが、そこには残念ながら売ってなかった。もしかしてとおもって、ホテル近くのところに電話をかけてもらったら、採りお気してくれるとのことだったので、そうしてもらい、ホテルに戻るときに、先に見つけていた出店に行ってみると、「あら?あなたでしたか。」とお店の人に言われた。どうやら最初に店にやってきたときの印象がすごい強かったらしく、顔を覚えられていたらしい。最初にその店に行ったときにお店で何か酷いことをしたのか、それとも、おもしろい顔だったから覚えられていたのか、それはどうだか分からない。
さて、買ってみた贈答品のカステラは、東京に戻ってきたあとに食べてみた。ちょうど母親が入院してしまったときだったのではあるが、おみやげのカステラは味が違うことは分かっていたので、入院しているときにモノを食べてもいい状態ではあったので、母親にも持って行って食べさせたら「これは食べたことの無い味だわねー」と大感動していた。カステラの中では、たまにある種類なのだが、下の部分に粗目の砂糖がまぶしているタイプのものだったのだが、カステラのメインの部分に使われている卵が違うようで、味がすごい濃いのなんって。これは購入して大正解だった。
松翁軒が長崎以外にどこに店があるのかわからないのだが、東京にあるんだったら絶対毎回選んでいることだろうと思っている。
松翁軒の公式サイト
URL : http://www.shooken.com/
本店住所:長崎市魚の町3-19
セヴィリヤ営業時間:AM10:00~PM7:00 月曜定休日(祝日の場合は翌営業日)
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