2010/09/30

カテドラル(Barcelona)

バルセロナの真ん中にあるカテドラル(Catedral)は、市内南部のどこに行くにも一番基点になるところだと思う。バルセロナの祭りであるメルセ祭りでも、カテドラル前の広場は祭りの拠点のひとつになっていた。訪れたときにはカテドラルは外壁の工事中であったために、外部からの綺麗なカテドラルの写真を撮ることはできない状態だった。内部に入ってみると、朝っぱらからだというのに、めちゃくちゃ観光客が多くて、カテドラル内は本来なら静粛にしなければならないのだが、もう喧しい。音の反響が良いように聖堂は作られているので、ちょっとしたひそひそ声でも拡声されてしまうために、人数が多いことが相まって喧しくなってしまうのだろう。誰か注意するのかなと思っていたら、そんなことはしなかった。ヴァチカンの「最後の審判」がある場所も、狭い空間に人がたくさんやってきて、ざわざわとうるさいのだが、定期的に係員が「シーっ!」と言うので、そのたびに短時間ながら静寂が流れる。このカテドラルではやられっぱなしだ。天井が高い上に、天井までびっちりと絵画や彫刻があるために、是非このカテドラルに行く場合には、視力がいい人を除けば、是非双眼鏡を持って行った方がいい。目線が水平のところにある展示物については目についたとしても、あまり天井のほうまで目線が行く人は居ないのだが、絶対見たほうがいい。天井がこそ、キリストの一生が記載された絵画が存在するからである。カテドラル中央部には、柵で囲まれた聖歌隊席がある。席の構造として、偉い僧侶が座る場所のようなところかと思っていたのだがそうではない。しかし、その椅子というのが向かい合わせで、木製で繋がったタイプである。長時間座っているのにはちょっと硬くてつらそうな椅子なのだが、それでもここは選ばれた人たちだけしか座ることができないところなのだろう。正面の祭壇のところにはこれといったメインの像があるわけでもない。半円形の舞台になっており、ここで主教が演説を行ったりする場になっているだけである。高い天井になっているが、ゴシック風の建物の隙間に綺麗なステンドグラスが埋め込まれているのは楽しい。そして、祭壇前には地下礼拝堂に続くような階段がある。その先は進むことができないのだが、中には昔使われていたであろう祭壇の家具がある。その前にはマルタ十字軍を思い出させるような十字の紋章が際立つ。しかし、これは全く説明が無いので、一体なんなのかを教えて欲しいところだ。祭壇後ろには数々の聖人像の彫刻や絵画があるのだが、あまりにもリアルすぎて気持ち悪いくらいだ。聞いたこともあるような聖人もいれば、ほとんどの聖人の名前はよく知らない。こういうところでキリスト教徒ではないために無知が露呈してしまうなと感じる。主祭壇の右から外に出ると、そこは回廊になっている。回廊自体も見てみたいところだ。中庭になっているところにはアヒルが飼われていて、なぜか写真撮影の集団が屯っていた。アヒルを見るのが初めてであるというわけでもないとおもうのだが、なぜアヒルを撮る人がこんなに多いのだろうと不思議に思う。そんな回廊の中に美術館がある。14世紀くらいの宗教画が大小たくさんの数が展示されている。ただし、無料ではなく1ユーロ払わないと見ることができないために、あまり人が来ない。喧しいところで宗教画を見るのが嫌だなというひとにとっては、こういう静かな場所で見られるのは良いだろう。ただし、撮影は不可である。

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