2010/09/30

Hotel Montecarlo (Barcelona)

バルセロナで泊まったホテルは、空港バスを降りるカタルーニャ広場から歩いてすぐなのだが、メインの繁華街であるランプラス通りに面する一番いい場所であった。ホテル名は、「ホテル・モンテカルロ (Hotel Montecarlo)」である。歩道は石畳であるために、長時間トランクを引っ張りまわしてホテルまでにいくのは苦だなとおもうときには、とても便利のいい場所だとは思われる。

ホテル自体はもともと新聞社だったところをホテルに仕立てたので、ホテル自体はそんなに大きく見えるわけじゃないのだが、ところが意外に奥に広くなっているし、中もなかなか綺麗なつくりになっている。

ホテルのビル自体はランプラス通りに有る他の建物に埋もれるような形で並んでいるために、ランプラス通りを南下する際に見落としてしまいそうになる。しかし、いちおうバルセロナの中では4つ星になっているため、それなりに雰囲気があるものだと思えば必然的に見つけることができるだろう。なんと言っても、入口からシャンデリアとガラスの間のような入り口になっているからだ。絨毯敷きになっている数段の階段を上っていくと、フロントが見えてくる。ドアボーイは、なぜかトランクを持っている人が入ってこようとしているのに、荷物を持って上がることを手伝わない。タクシーでホテルに乗り付けるような客じゃないと下りて来ないのだろうか?
バルセロナのホテルでは、朝食をつけた形でホテルの予約をしておいた。しかし、帰国日のときは朝が早いと思ったので、帰国日だけ朝食を抜きにしたいんですというようなことを言ったら、朝食有り無しは、当日サインをすることで有効になるから、食べなきゃ食べないでその分は支払わなくていいと言われた。理に適った答えであり、てきぱきとした対応が好感を持てた。

ここのホテルはカード式ではなく、昔ながらの鍵式の鍵であるため、入室する際には毎度フロントで部屋番号を告げることで鍵を受け取る。2日目くらいになると、アジア人で泊まっている人は他に居ないのか、すっかり顔を覚えられてしまい、「今日はどこに行っていた?」とか「いまはここでこんなイベントをやっているから行ってみるといい」と教えてくれるようになる。チェックイン時においても、ちょうど宿泊をしている期間中にバルセロナで1年で一番盛り上がる祭りの「メルセ祭り」を開催していて、これがプログラムだとくれたものがあり、他にも地図やらお勧めレストランマップなどもフロントでくれた。部屋は3階の中ほどであるが、部屋の作りが廊下に沿って横長になっている不思議な形をしていた。入口を入ると前室兼クローゼットの部屋があり、その奥に寝室がある。一番奥に浴室があるという作りである。部屋の大きさは申し分なく広く、トランクを2人同時に広げても全く問題なし。デスクスペースと、テーブルスペースは別にあるために、ベッドの上で荷物や食べ物を広げる必要が無いのでとても便利である。ベッドはとても変わっていて、なぜかフランスベッドの介護用ベッドみたいに頭のほうがリモコンで競り上がるようなことができ、かつ、足元のほうも折り曲げられるような作りになっている。もうこのベッドに寝ていたら、自分が寝たきり老人になってしまったのはないかという気分に陥った。ただ、こんな機能を使うことはほとんど無く、同室になった友達は、ワインを飲みながらテレビをみようという横着な格好をする際によく使っていた。

部屋の中は無線LANが利用できる仕組みになっており、部屋にいる限りにおいては、どこでも使える。ただし使う際にはフロントに言ってIDとパスワードをもらわないと使えない。もちろん無料である。この時も、ポーターが部屋にきていろいろ部屋の説明をしてきてくれたのだが、そのときに「無線LANを使えたい」と伝えると「ちょっと待ってて」といい、IDとパスワードを記載した紙を持ってきてくれた。

このポータは、スペイン人ではあるのだが、地元バルセロナの人ではなく、「いま、カタルーニャ語は勉強中。街の人と話をするのだったらカタルーニャ語じゃないと親近感が湧かないからね」と言っていた。噂で聞いていた過去の王国意識を突如見せ付けられた気がした。カタルーニャの人たちの独立心は歴史上とても強く、陽の目をみたバルセロナオリンピックまでは、常にマドリードよりも目下に思われていたところであるが、経済的にはバルセロナのほうがオリンピックを契機に断然上になっている。そのため、スペイン地方からたくさんの人がバルセロナにやってくるのだが、よそ者と地元民を区別するために、カタルーニャ語の可否は大きな文化共存ファクターになっている。バルセロナでの表記は基本的に全部カタルーニャ語がメインになっており、2番目に標準スペイン語であるカスティーリャ語、そして3番目に英語が記載されている。フロントでもらったメルセ祭りのパンフレットも、実は全部嫌がらせのようにカタリューニャ語になっている。せめて、英語のパンフレットをくれーと大願したかったが、「ない」のひとこと。おいおい・・・。

浴室は、長い湯船とシャワーが付いており、マドリードと違って、疲れたときには熱いお湯に浸かってのんびりすることができたのは、とてもリラックスができたところだと思う。浴室も比較的広く作られており、むしろ無駄なスペースが多いなという気もした。シャワーを別に1つ部屋として作ってもいいんじゃないの?というくらいの広さがあったからである。アメニティについてはこちらも充実しており、必要なものはすべて揃っていた。しかし、なぜか歯ブラシだけは無いのである。シャンプー類はあるのに歯ブラシ無しってどういうこと?シンガポール航空の深夜飛行便で配られる使っていない歯ブラシセットが残っていたので、粗末な歯ブラシをここで代用することにする。それ以外は大抵のものが揃っていた。テレビは薄型であるため、部屋がすっきりした様子になっているのは嬉しい。マドリードと違ってバルセロナのこのホテルは、スペインの地方局まで受信できているために、全部で40近いテレビ局をみることができた。スペイン国内だけではなく、ドイツ・フランス・イタリア・ポルトガル・イギリスの各放送局も聞ける。日本語放送は無い。

今回泊まったホテルで一番いいと思ったのは、隣の部屋の物音が全くしないところだろう。部屋に入ってしまったら全く外部の音が聞こえない。これは部屋にいて一番落ち着くところだ。以前台北に泊まった時に、部屋のすぐ傍がカラオケバーだったために、へたくそなジジィやババァのカラオケが聞こえてきて、いい加減やめてくれーといって、フロントに文句を言ったことがあるが、そういう騒音は全く無い。

朝食はフロントの階にあるのだが、ホテル入口とは逆の方向に向いて奥に行く。朝食は朝の7時から10時までの間でバイキング形式。パン・ハム・サラダ・ホットミールやフルーツといった、よくヨーロッパで見られる朝食スタイルである。天井が高く、部屋を自然光を取り入れているところがすっきりしている。朝食の準備をする従業員の人たちも気さくな人たちばかりで、2日目の朝になると、前日にコーヒーか紅茶か選んだことを覚えていてくれるようで、「あなたは紅茶だったわよね?」とこちらがお願いする前に確認してくる。こういう気配りというのは結構嬉しい。まだまだホテルには特徴がある。いつ、どういうときに使われているのか良くわからないフロアがある。それが2階のボードルームっぽいところである。街の偉い人がここでなにかの会議をするために使われるのかなと思われる雰囲気があり、ホテル自体は19世紀の建物風なのだが、この部屋はまるでここから貴族が出てきそうだ。誰でも自由に入れるところなのだが、別にここで何かが提供されるということもない。ホテルのポーターが言うには、屋上に上がると景色がいいぞーと言っていた。夕方18時までは屋上を開放していると言われていたので、6階まではエレベータで行き、そこから屋上までは階段を上っていくことにしてみた。屋上からは、ランプラス通りを歩いている人たちがゴキブリのようにうじゃうじゃ居るように見える。そして、屋上からの風景は意外にも遠くまで見え、南は海のほうも見え、北は双眼鏡があればサグラダ・ファミリアも見ることができる。バルセロナにもたくさんホテルは存在するのが、近くにスーパーがあるし、にぎやかなところだし、どこに行くにも便利なところだし、申し分なかった。またバルセロナに泊まるのであれば、ここに泊まりたいと思う。

Hotel Montecarlo, Barcelona
URL : http://www.montecarlobcn.com/
Address : La Rambla, 124, 08002 BARCELONA
Phone : +34 - 934 120 404
Fax : +34 - 933 187 323
e-mail: hotel@montecarlobcn.com

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