2010/09/28

初めてのスペイン

2010年のゴールデンウィークには、南欧のスペインに行くことをすごい楽しみにしていたのに、3月下旬に起こったアイスランドの火山噴火は、ヨーロッパの大部分の都市を特に空輸は大混乱。そのおかげで、予定していたスペイン行きは飛行機が飛ばない可能性があるから、発券できませんと旅行会社に言われてしまい、結局、成田からシンガポールまでは予約ができていたから、無理やりマラッカ・コタキナバル旅行に取り替えたという過去があった。だから、どうしても夏休みはスペインに行きたいと思っていたのである。

行きかたは、疲れるのは当然わかっていたのだが、マイルを貯めるためだけにシンガポール経由のシンガポール航空でバルセロナまで行くことにした。しかし、バルセロナ便は、途中ミラノを経由するために、最終的にバルセロナに到着するのは、早朝ではなく朝の9時ごろ。途中にどこかに寄航していく飛行機というのは、そういえばこれまで乗ったことが無かったので、どういうことが行われるのかなという楽しみもちょっとあった。バルセロナをスペインのゲートにしたために、他のスペイン各地に行くには、バルセロナを基点にしなければならない。いろいろ行きたいと思っていたのだが、なにしろ、行きと帰りで約3日無くなってしまうので、これは2都市しか無理だと判断。バルセロナは仕方ないとしても、もう1都市はマドリードにした。

バルセロナからマドリード間は電車という手段もあったのだが、スペインは結構航空網が発達しているところで、いちばん大きいイベリア航空なんか使わなくても、安い航空会社はたくさんあることがわかった。激安のヴエリンク航空(Vueling Airlines)なんかはバルセロナからマドリードへの片道が2500円。電車より安いじゃないか。これは良いとおもったのだが、バルセロナからの乗り継ぎがめちゃくちゃ悪かったので、諦めた。先にバルセロナで遊んで、途中でマドリードに行き、最終的にマドリードからバルセロナ経由で廻った場合でも、バルセロナでの乗り継ぎがわるかったからである。ここまで乗り継ぎが悪いとわかると諦めがつく。他にも怪しい会社があるだろうと思っていたところ、これまた激安航空会社スパンエアを発見。ところが、このスパンエアはなんとスターアライアンスに加盟している航空会社だったので、マイル加算対象航空会社だ。意外な発見をしたと思ったので、旅行会社経由で、シンガポール航空の券に追加してお願いしますーっと頼んでみたところ、あんまり安くない値段を提示してきた。しかし、ウェブで調べてみたところ、便によっては片道25ユーロになっていたので、「ウェブではこんなに安いですよー」と聞いてみたところ、その価格では発券できないとあっさり言われた。ウェブ特価なのだそうだ。そこで、旅行会社にはシンガポール航空便のみを予約することにした。

スペイン国内線だけとはいえ、使ったことが無い航空会社のウェブでの航空券購入というのは、ちょっとドキドキする。しかし、マレーシアのAirAsiaの実績もあったので、ここはチャレンジしてみる。スパンエアは、チケットの種類が3種類あり、Traveler/Traveler+Flex/Premiumである。TravelerはエコノミークラスでPremiumがビジネスクラスなのだが、Travelerの「+Flex」というものは、日にちの変更ができるだけというだけで、Travelerと条件は同じ。そのTravelerが、時期と乗る時間帯によってめちゃくちゃ値段の差があり、今回自分達が選んだときには、バルセロナからマドリードが25ユーロ、逆向きが47ユーロだった。さらに、いつまで行っているのかわからないが、プラス25ユーロを支払うと、空港ラウンジが使えるという特権がついていることがわかったので、早速申し込んでみた。

バルセロナでの乗り継ぎの際に、実際には空港で3時間くらい待ち合わせをしなければならない便だった。実際にはもう1本前の便に乗れたのだが、その便だと片道67ユーロだったので、値段だけで1本遅くした。なので、その3時間も空港で何をしたらいいかなーとおもっていたところ、ラウンジが使えるというのであれば、ここでのんびり昼ごはんも兼ねて利用してみようということにした。結果的にはこのラウンジ利用はとても便利で有意義だった。ちなみに、行きでのバルセロナ、帰りでのマドリードのどちらもラウンジが使えて、両方で25ユーロである。1回分で12.5ユーロと考えるとこれはとてもよかった。ラウンジについては、別途報告したい。

続いて、泊まるホテルのことだったのだが、いわゆるチェーン店を調べたら、やっぱりヨーロッパだ。いくら円高になったからといっても、高いものは高い。そこで地球の歩き方を中心に、便利な場所にありそうなところで、値段が安そうなところを、適当に探してみた。マドリードの場合は、オペラ座に近くて、どこに行くにも比較的に便利そうなところを見つけた。難点は、空港から電車で移動してくる場合には、どこの地下鉄の駅が近いのかが全くわからないということと、最寄の駅だとは言っても、駅から1本の路線でいけるわけではないということが難点だった。しかし、結果的に、今回選んだホテルは場所は最高、ホテルの室もまぁまぁよく、電車でどこの駅が近いかというのは、ほとんど意味が無いことだったということが後からわかった。バルセロナの場合は、最初は有名な建築であるカサ・ミラの傍にでも泊まろうと思ったのだが、なぜか探すところ探すところすべて「満室」と言われてしまった。なんで?と思ったのは理由がある。しかし、最終的には街の中心地にとても近いところにあるホテルを取る事ができたのは幸いだ。

マドリードは街中も街中、デスカルサス・レアレス修道院のすぐ傍で、一番有名なプエルタ・デル・ソルにもめちゃくちゃ近く、スーパー兼デパートも近いので本当に便利だった。それも選んだホテルはガイドに全然乗っておらず、単にウェブで検索して出てきたところだった。泊まったのはスペイン全土にチェーン店を持っているRoom Mate Hotelsグループに属している Room Mate Hotel Laura に泊まることにした。またバルセロナは、カタルーニャ広場から一番の繁華街であるランブラスどおりをすこし南下したところにあるホテル・モンテカルロにした。バルセロナは空港からカタルーニャ広場まで直通バスがあることは調べたらわかったので、バス停から近いところのほうが絶対何かと便利だと思っていたからである。結果的には両方のホテルは成功だった。

ところでバルセロナが結構ホテルが満室になっていた理由は、9月のこの時期はバルセロナで最大の祭りであるメルセ祭りが行われるからで、それを観るために世界中から人が集まってくるからだというのが理由である。名前は聞いたことが無いが、祭りの様子だったらテレビで見た事があるという人は多いと思うが、あの祭りがここで行われるからであった。

2都市に滞在している間、そこからいける小都市にも行ってみたいなとは思っていた。特に、マドリードからはトレドという町に1時間はくらいで行ける。スペインに関する本を見ると、スペインに行ったなら他は行かなくてもトレドだけ行けばいいのだと書いているくらい、トレド絶賛だったので、これは行かねばとおもった。しかし、自分達のスケジュールを考えたときに、どう頑張ってもトレドにいく時間が無いことに気づいた。旅行会社が企画したツアーであったら、マドリードなんか3時間程度の滞在で次の都市に行くようなことをするのだが、そんなつまらない強行軍なんか絶対嫌である。マドリードだってたくさん見所があるから、それだけでも滞在日数が足らなくなるものだ。さらにバルセロナも見るところはたくさんあるので、本当はダリ博物館がある場所まで行こうと思ったが、これも時間が無いことがわかったので、結局かマドリードもバルセロナも、そこから日帰りでどこかに行こうというのはまったく諦めた。今回は初めてのスペインだったので、次回スペインに行くとしたら、行けなかったところに行こうと決めた。スペインは、イタリアと並んで、あちこち見るところがあるので困る。嬉しい悲鳴である。

結局今回のスケジュールとしては下記の通りになった。

2010/9/18(Sat) SQ637 NRT 11:30 → SIN 17:40
SQ378 SIN 23:45 → BCN 09:05+1
2010/9/19(Sun) JK453 BCN 12:45 → MAD 12:45

<2010/9/19>

2010/9/22(Wed) JK452 MAD 10:45 → BCN 12:00

<2010/9/22>

2010/9/25(Sat) SQ377 BCN 10:25 → SIN 07:20+1
2010/9/26(Sun) SQ012 SIN 09:40 → NRT 17:35

スペイン旅行の際には、2つ気になることがあった。1つは、事前に耳が腐るほど、目が腐るほど見たり聞いたりしていたのが、首絞め強盗と切り裂き強盗のこと。後ろから羽交い絞めにあって有り金持って行かれるとか、地下鉄のようなところでは、人間は刺さなくてもカバンを切り裂いて、中の財布を抜き取るという荒業が横行しているということ。これは本当に怖いと思った。2つめの懸念は、ギリシャの経済破綻に始まったヨーロッパのPIGS諸国の連鎖反応による経済的な落胆である。ギリシャは最終的には暴動まで起こってめちゃくちゃになったのだが、そのあとにヤバいと言われたのがスペイン。実際に年金関連の銀行が潰れていたりしたので、スペイン経済もめちゃくちゃになっているというのを聞いた。暴動の話は聞いていないが、もうやる気ナシの国民が何をしでかすかわからない。きっとたくさん浮浪者がうじゃうじゃいるのかという期待をした。

スペイン滞在中は、いつもあんまり意識して持っていない財布を、今回は小学生なみのマジックテープ式のものに変え、さらに現金も1日出かける際には、100ユーロ以上を持ち歩かないようにした。羽交い絞めにあっても、財布を抜かれても、「まぁ仕方ない」という程度で済ませるようにしたかったからである。ここまで防備したのは、実は産まれて初めてかもしれない。実際そんな防備で対応したのが幸いしたのかわからないが、自分達が狙われることは全く無く、祭りのために他にルーズに歩いている人たちがいたから、盗人からみると、ターゲットをボーっとしている人たちに変えたんじゃないのかなと思う。だいたいどこに行くにも、カメラ意外は、カバンさえも持って歩かなかったし、ガイドも持ち歩かなかったから、地元に留学している子くらいにしか思われなかったのかもしれない。おまけに、びりびりびりーっとマジックテープのいかにも財布には何も入っていませんというような財布だったから、遠目で見ても金持っていないターゲットにふさわしくないと思われていたのかもしれない。

首都のマドリードとバルセロナしか今回は行っていないのだが、予想に反して、全然浮浪者を見なかった。もっとあちこちに浮浪者がいるわ、金くれーっと空き缶を差し出して道路に座っているのがいるのかとおもったが、全然居なかった。むしろ、東京のほうが浮浪者や道路で寝泊りしているひとが多いんじゃないのかなと思う。祭りの時期だから、一掃したのかとおもうのだが、でもこれは中国じゃないので、そんなことはしないだろう。

スペイン全体はやっぱり南欧だけあって、見所もそうだが、食べ物も美味かった。美味かったが、すべてがすべて味が濃い。味が濃いのは最初は美味いとおもうが、何度か食べると、実質飽きてくる。このときほど日本食のようなあっさりしたものが食べたいと思ったことは無い。食べ物はそんなに高いわけじゃないし、美味いのだが、長居はできない場所だなというのが正直な印象だ。あとはたまたま大都市しか行ってないからかもしれないが、ローマやナポリみたいないい加減なひとは全然居なかったのも不思議だった。

事前にしっかり予習をしていくことにしているはずなのに、今回のスペインについては、正直忙しさに負けてあまり予習をしなかったのが悔やまれる。もっと予習をしていれば、ガイドにあんまり頼らずに歴史的な部分を観て廻れたかなと思う。それにスペインは四角く広い場所だし、行く場所によって文化が全く違う。これももっと知りたいところだった。次回はもっと中丸明の本を再読して行きたいと思う。

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