2010/09/30

バルセロナの地下鉄(Barcelona)

バルセロナの地下鉄路線は、東京の地下鉄のように結構複雑に入り組んでいる。おまけに近郊電車や国鉄も走っていたりするので、慣れていないと難しいようだ。ただ、これはしばらく滞在していると慣れてくるようなもので、だいたい観光客が使うような路線というのは決まっているものだ。地下鉄路線は建設中のものを含めると11路線もあるが、東京の地下鉄と同様、路線ごとに色を分けているので、観光客が乗りたいと思っている路線について、乗換駅等での表示はこの色を基調に案内がされているのはうれしい。
地下鉄の駅の入口は、どこでもヨーロッパではどこでもそうなのだが、「M」のマークが付いているところが地下にもぐる入口にあたる。バルセロナの地下鉄の場合、赤地に白字のMが書いているところがそうだ。東京の地下鉄の場合、地下鉄出口がいっぱいありすぎて、どこの出口を使えばいいのか良くわからないという状態に陥ることがあるが、バルセロナの地下鉄の出口は至ってシンプルにできている。複数路線が交差する駅でさえも、それほど地上出口があまりないのでわかりやすい。
乗車の際には地下鉄の切符を買う必要がある。1回あたり1.4EURであり、これは電車・バスに共通された値段である。イタリアあたりと同じで、バスから電車に対して乗り換えが必要なときに、入札してから75分以内であれば同一切符で乗車できるところは便利だ。日本のように乗るたびに毎回買わなければならないようなシステムではない。10回券も存在するのだが、そんなに滞在中は使わないだろうと思ったので、今回は購入していなかった。自動販売機で1回券も10回券も購入できる仕組みであり、自動販売機の表示も複数の言語設定が選択できるようになっているので、カタルーニャ語を知らなくても買うことは可能だ。もちろん日本語は無い。ちなみに、距離運賃制ではなく、どこまで乗っても1回の金額は同じであるというのは便利だ。だから、自動販売機のソフト的な設定も、料金改定の時期に合わせて、距離ごとの値段設定をする必要が無いのでかなり楽なメンテナンスになっていると思う。改札は入るときのみチェックがある。むかしのパリの地下鉄の改札口みたいに、バーしかなく潜ったり飛び越えれば良いというようなスタイルにはなっていない。透明のバリケードになっており、切符を入れないとそれが開かないような仕組みになっている。電車から降りる際には、特に切符を必要としない。だから切符は改札を通ったら不要ということになる。しかし、車内ではたまに覆面警官が乗り込んでくるようで、正規な切符を保有していないと罰金が加算されるようだ。
地下鉄には時刻表が存在しない。台湾やシンガポールと同様、次の電車が来るまでにあとどのくらいの時間がかかるという表示が、プラットフォームに表示される。概してそのカウントダウン表示は当たっているようだ。
バルセロナの地下鉄は古い路線だと1863年に開通しているので、古い路線を乗ると狭苦しいと感じるかもしれないが、たいていの路線はあまり狭苦しいというような感じがしない。車輌は頻繁に更改しているのか、使っていた路線では、そんなに古めかしい電車が走っているようには見受けられなかった。スペイン旅行をしている人たちに、スペインの地下鉄は首絞め強盗やバックをナイフで切り裂いて財布を取っていくやつらがいるという話を以前聞いたことがある。椅子に座っていない状態の時には、ドア付近に、ドアを背中にしてカバンを抱えるように立っていたのだが、座っている分においては特に問題なし。また、幸いにも祭りの期間中だったからか、他に狙いそうなターゲットがうようよ居たからかもしれないが、自分たちが標的にされるようなことはなかった。ローマの地下鉄だと、クソがき集団やら囲い込み集団なんかが乗り込んでくる場合があるのだが、幸いバルセロナの地下鉄に乗っている間はそんな集団にはめぐり合わなかった。特に切り裂き強盗の出没を警戒していたので、持っているバックも麻のバックで、ナイフで切りつけても絶対に破れないようなタイプにしたので、平気だった。首絞めの時には諦める。

駅構内においても特に不潔な感じや違和感のある匂いを感じなかったし、一番いいのは、構内に浮浪者が居ないことだろう。現地の人、旅行者に限らず、だいたい地下鉄のコンコースや出入り口付近と言うのは、働かずして金を恵んでもらおうと思っているやつらが居座っていることが多い。しかし、何度か地下鉄を乗ったところでも、そんな人たちは皆無だったのが印象的だった。

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