2010/10/01

グエル公園(Barcelona)

バルセロナはおもしろい建築物がたくさんある街である。建物の中に入らなくても概観だけでも楽しめるところはかなりたくさんある。すべてが街中に実在しているのであれば、観光客にとって歩いて廻るのは便利だとおもうのだが、そういうわけには芸術家は気前良く作っているわけではない。発注者の要望に併せて芸術品を完成しているからである。

バルセロナの中の代表的建築物であるグエル公園は、バルセロナ市内の中心地にあるわけではなく、少し内陸部に入ったところに存在する公園である。ここに行くには、個人観光客ならバスかMRTを使っていくしか方法が無い。タクシーでも良いが、結構中心地から距離があるので値段が高いだろう。ただ、場合によってはタクシーのほうがいいかもしれない。というのは、MRTで行った場合、駅から公園までは最低でも15分くらいは歩かなければならないし、公園自体が高台の上に立っているいるため、横浜や長崎のような坂道を上っていかねばならないからである。MRTのレセップス駅(Lesseps)からグエル公園があるところまでは、先に記載したとおり、少し距離がある。どのガイドにもあまり詳細な道筋について書いていないのだが、心配しなくても良い。駅を降りたら同じようにグエル公園へ歩いていく人が絶対多く居るからだ。おまけに道路にも標識がちゃんとあり、いくつか横道に入れそうな曲がり角があるのだが、その度に「いやいや、そこを曲がるな。まだまっすぐ進め」という看板が出ている。左に曲がりと、イヤになるくらいの急な坂が始まるが、これを登らないと公園には到着できないので、我慢しよう。まさしくサンフランシスコあたりの坂道を歩いているような感じだし、前のめりになって歩かないといけないのは結構辛い。
さて、お目当ての公園入口に到着すると、まずはへんてこりんなキノコのお化けみたいに門の左右に存在する塔が現れる。全体がデコレーションケーキにでも載っている様な形をしている塔である。左側にあるのがお土産兼案内所で、右側は守衛小屋として使われていたところである。左右で同じ形をしているわけでもなく、1つ1つの建物が個性あふれる建物になっているところが面白い。守衛小屋のほうは中に無料で入ることができるのだが、その階段や入口がめちゃくちゃ狭い。あと、入口になぜか意味不明に係員がいるのだが、このひとたち、一体なにをしているのか本当にわからない。別にチケットを切ったり、入場制限を行うためにいるわけではないらしい。係員同士でずっとくっちゃべっている。そんな係員を無視して、狭い階段を上っていく。もちろん、誰かが登ると、誰も降りれない。教会の階段なみに狭い。それをさらにずんずん上がっていく。そうすると、階毎に部屋が現れるのだが、この部屋が、普通の部屋を考えてはいけない。壁がぐにゃぐにゃ曲がっているために、この壁にはカレンダーは張れないなというような感じである。それにどこの方向を向いているのか分からなくなってしまいそうなくらい、方向感覚がわからなくなってしまう。よくもまぁ、こんな変な形の部屋を作ったものだと思う。建築家が自分の趣味で作っていたのであればいいが、そうじゃなく、あくまでもこれは守衛がいたところである。守衛もしばらく気が狂いそうになったことだろう。

さて、そろそろ公園の中心部に行ってみることにしよう。

正面階段のところもまた奇抜なデザインの塊みたいなものである。2つの階段があるが、その階段の間に彫刻類が飾ってあり、壁にはモザイク模様のタイルが埋め込まれていたりするから、これは一体何風なのだ?というのを考えさせられてしまう。だいたいみんなこの真ん中の彫刻のところを背景に写真を撮っていたりするので、なかなか階段のところはにぎやかだ。階段を上ると、上が中央広場になっている広い敷地があるが、それを支えるたくさんのローマ式の柱が立っているピロティのようなところがある。ここは単なるピロティではないから不思議だ。柱が計算ずくで立てられており、見る場所によって、柱同士がまっすぐ等間隔に立てられているのが見られる。更に言うと、ちょうど中央広場の底に当たる部分に該当する天井のところに、定期的に顔をモチーフにした像が埋め込まれているのがおもしろい。まるで、このピロティの空間を天井の低い教会のようにみなしているように思える。ちょうど柱が、教会の回廊を形成する柱みたいなようだ。またこのピロティの端は、よくガイドブックに記載されているのだが、斜めの柱で中央広場を支えているように見えるところだ。それも中央部分はギリシャ時代の柱風に見えるが、端っこのほうは、自然の木か岩を使ったような形になっているのが面白い。この両極端なデザインをどうしてミックスしようとしたのか、デザイナーのガウディの頭の中を調べてみたいところだ。さて、中央広場のところにやってきた。広場はだだっ広い小学校の校庭のように見える。そして、なにも無い。広場の端にベンチが端の形に沿って存在するのだが、この端というのが波を打ったようにうねうねしているために、ベンチがあちこちを向いているように見える。グエル公園の写真としてよく撮られている場所がここである。そして、この中央広場からは、普通でさえ高台にグエル公園があるため、バルセロナの市内の様子が、海まで完璧に見えるところである。グエル公園の入口の奇抜な塔をここから眺めるのも良いだろう。グエル公園の敷地は全体的に平坦ではない。中央公園以外は、坂道になっているため、そこを散歩道として使うのもいいだろうし、少しはなれたところに「ゴルゴダの丘」という名前の高台がある。中央広場側からも見えるのだが、これがキリストが磔になったところを想像させるような作りになっている。自分達は今回は、もう歩く気が無かったので行かなかった。

グエル公園 (Parc Guell)
Open : 10:00 ~ 20:00
Admission Fee : 無料

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