2009/05/16

アンカー時計(ウィーン)

14世紀までは、なんと魚市場として使われたホーエルマルクト広場(Hoher Markt)の北東がわに、絶対とも言うべき目に入るアールヌーヴォーの空中回廊がある。これが世界最長の仕掛け時計として知られているアンカー時計(Ankeruhr)である。グスタフ・クリムトのライバルとして君臨したフランツ・マッチュ(Franz Mache)によって1917年に完成した。アンカー保険会社が所有する2つの建物を結ぶ長さ10メートルの空中回廊に、12組のウィーンの歴史を彩る人物の人形が納められ、時報ごとに1組が文字盤の前に登場し、その人物の時代の音楽が流れる。正午には全員の顔見せとなるため観光客で賑わう。だいたい11時45分くらいから、なにか祭りでも始まるのではないかというくらい観光客が集まっているのですぐにわかるだろう。登場する人物はを13時から順にあげると、

・ローマ皇帝マルクス・アウレリウス(Marcus Aurelius Antoninus)
・カール大帝(Karl der Große)
・レオポルド6世(Leopold VI)
・宮廷詩人フォーゲルヴァイデ(Walther von der Vogelweide)
・ルドルフ4世(Rudolf IV)
・建築家ブクスバウム(Hans Puchsbaum)
・マクシミリアン1世皇帝(Maximilian I)
・17世紀のウィーン市長リーベンベルク(Johann Andreas von Liebenberg )
・シュターレンベルク伯爵(Guido Wald Rüdiger Starhemberg)
・オイゲン公(Prinz Eugen Franz von Savoyen-Carignan)
・マリアテレジア(Maria Theresia)とフランツ・ロードリンゲン
・音楽家のハイドン

など。

建築の途中で、第一次世界大戦の勝利記念モニュメントにすることが決定されたため、完成してからも長い間ベールを被っていた。当初、最後の像はフランツ・ヨーゼフ皇帝が予定されていたが、皇帝自体が死んでしまい(1916年)、第一次世界大戦の配線(1918年)のもたらした動揺から、同じフランツ・ヨーゼフという名を持ち、当時の国家の作曲者でもあるハイドンに変えられたという。

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