新王宮内には4つの博物館があり、入場券が全館共通で使えて、ここからこの博物館っという区別はない。面白いなーと思ったのは、古楽器コレクション(Sammlung alter Musikinstrumente)だとおもう。音楽の都ならではのコレクションだとは思うのだが、あまりお目にかかったことが無いような楽器がたくさん展示されていた。
中には、モーツァルトやベートーベーンなど、著名な音楽家と大きく関係した楽器の遺産が残っているので、実際にその楽器を彼らが弾いて演奏したり、作曲したりしていたというのを妄想の世界で考えただけで楽しくなるではないか。弦楽器、管楽器、鍵盤のある楽器などなどはあるが、打楽器類は無かった気がする。初めて見たような楽器には、その楽器がどのような音色をだすのかというのを聞かせてくれるヘッドホンも用意されているので聞いてみるとよい。昔の楽器ほど、貴重すぎてあまり迫力のある音を期待してはいけないのだが、実際にこの楽器の音色を当時のひとたちは最先端の楽器として聞いていたわけで、それを現代でも聞けるなんて素晴らしいと思う。 ベートーベンが6歳のときの肖像画がなぜか楽器と一緒に陳列されているのだが、髪の毛ぼさぼさの、小難しそうな顔をしているベートーベンの顔しか思いつかない脳みそから、この肖像画を見ると、とても同じ人間の絵画とは思えない。まぁ、西洋の子供は子供のころは可愛らしく、大人になったらいきなり可愛らしさが全くなくなってしまう顔つきなので仕方ないのだろうか。 狩猟・武器コレクション(Hofjagd und Ruestkammer)は、これまで漫画の世界でしか見たことが無いような中世の武具がたくさん陳列している。いまにも、これらの武具を使って戦いそうな様子が目に浮かぶ。騎士が着る鎧は、いかにも重そうで、あんなものでよく戦えたなーと本当に尊敬するが、日本の鎧よりもずっと重く、ほとんど鉄の塊を頭から足先まで被っているようなものなので、それに、日本の刀よりまったく洗練されていない、こまた鉄の塊のような突くだけ能力が無い剣を振り回していたんだから、実際にはどういう戦いをしていたのかというのかは、なんとなく想像できる。香港のカンフー映画を当時の騎士が見たら、卒倒するような速さで繰り広げられている戦いに、口をあんぐりあけて、この世のものとは思えないような眼でカンフー映画を見るに違いない。それだけ、あんな重装備では動きも鈍いし、相手に当たっても、鎧の本当に隙間に剣先が入らない限りにおいては倒せないと思う。 それにしても、日本の鎧は、身分によって装備に金の掛け方は違っても、だいたい似たような防具にはなっている。しかし、西洋の騎士の防具は、どういう体格の人がそれを装備していたのかわかるくらい、はっきりいってボディコンタイプだ。かつ、防具として頭から股のあたりまであるのは分かるが、途中までという中途半端な装備もあったりするので、理解しがたい。ボディコンタイプの鎧になっているので、持ち主がデブだったりすると、「おまえは、本当にやる気があったのか?」と言いたくなるような鎧に出くわすから笑える。きっと所属していた部隊からも「ブタ」と呼ばれていたことだろう。 あと、顔を隠す面の部分についても、眼のところだけはみえるようになっているので、横からの攻撃に対してはかなり不利だったとおもうのだが、それは防具というより鉄仮面だろう?というような罰ゲームに近いようなものを被らされているのではないか?と思うものも発見した。しかし、展示物に飾っているものとして、これって本当に使われていたのかかなり疑問のものもたくさんある。そういうのを全部揃えて飾っているところがハプルブルグ家らしい。 他にエフェソス博物館(Ephesosmuseum)といわれる古代ギリシャの都市エフェソスから出てきた出土品の展示もあるが、ウィーンと古代ギリシャというのはあまり結びつかない気がしたので見るのをやめた。
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