2009/05/16

カールス教会(ウィーン)

カールスプラッツ駅舎から南を向くと、なんとなく異国風の建物が見える。これがカールス教会(Karkskirche)である。カール6世がペスト終息に感謝するために建てた教会で、バロックの偉大な建築家フィッシャー・フォン・エアラッハによって着工されたものだ。印象的なブルーの大円蓋は高さ72メートルにも達する。金を払えば、ここへ昇ることもできるが、今回はやめた。

正面に立つ2本の円柱は古代ローマ帝国の勝利記念柱を模したものであるが、イスラムの尖塔のようにもみえる。しかし、このカールス教会の名前は決してカール6世の名前から引用されたものではない。ペスト患者を献身的に看護した16世紀のイタリアの聖人カール・ボロメウスに敬意を表したものである。カトリックの王国だったハプスブルグ帝国としては、プロテスタントの勢力が拡大することを嫌った。ボロメウスは、ペストばかりでなくプロテスタントの精力が広まるのも防いだこともで名を馳せたひとなので、それを記念して名前を付けたという。

0 件のコメント: