陳氏書院も大きな意味ではチャイナタウンにあるのだが、それは中国系の人が多く住んでいるエリアと言う意味であるだけで、横浜中華街や神戸の南京街みたいな、食い物屋と服やと雑貨屋がごちゃごちゃに並んでいるような所謂「チャイナタウン」というようなものをさすとすると、ここではない。更に広義のチャイナタウンのなかの中心部に行かないとダメだ。
狭義のチャイナタウンに向かうまでには、殺風景な街並みが広がる。これといって特徴のあるような風景ではないし、単なるコンクリートの家並みみたいなのがあるだけだ。たまに「中華新報」という中国系の人たちが読む漢字の新聞を発行している建物が見えたのだが、それが新聞社の本拠地なのか、それとも販売・印刷所なのかはよくわからない。おっさんが、新聞の束を運んでいたのが見えた。
余談になるのだが、マレーシアの新聞はいろいろ見ていると、大部数を発行しているのは英字新聞がよく読まれているようだ。しかし、それはマレー系・中華系・インド系が共通として読める新聞だから売れているのであって、中身は政府の動向や政府の意見をそのまま反映しているように見える。ところが、各言語でも発行されている新聞はあるようで、中でも中華系の新聞は、英字新聞で書かれている内容とは全く異なるので面白い。異なるというのは、話題として載せている内容であって、例えば、英字新聞で1面記事にしているような内容は中華系の新聞ではどこを探してもなかったり、載せていても、「こんなことがありました」と後ろのほうのページに載せているだけである。中国系の人たちがどういうことをしたかとか、中国系の人たちにとって重大な事件と思われるものだけが載っているため、たまに政府批判の記事が載っていたりするからおもしろい。金は持っているがマレー人優遇政府のせいで中国系は、常に不満をくすぶって持っているというのが新聞を通して分かった。
話はチャイナタウンに戻す。
チャイナタウンの入口は、どこかの地方都市にある商店街にきてしまったような入口だ。中華系の特徴である、赤・青・黄色の原色を使った門構えがあると、だいたい中華系だーというのがわかるが、この入口もご多望に漏れずにその特徴どおりである。そんな色キチガイの入口を入っていくと、期待通りのごちゃごちゃした店の並びが出てくる。雑貨屋があったと思ったら、野菜を売っていたり、メインの店かな-と思ったら、実はそれらは全部屋台で、建物として存在する店は屋台がずらっと並んでいる裏側にちゃんと構えていたりしている。こういう二重駐車のようにして存在している商売根性の現れが、中国系の人たちの特徴なのだなとおもった。このアーケードスタイルのチャイナタウンは全天候型になっているので、雨が降っても買物は楽しめる。長さとしては300メートルくらいはあるんじゃないかなとおもう。その長い通りを全部天井が覆っている。天井からは、12支のそれぞれの人間像が説明として蚊かがげられて居るのだが、そんなのをこんなところで見せても仕方ないとおもうのだが。そういえば、このチャイナタウンですごいホテルを見つけた。「StayOrange.com」という名前のホテルなのだが、値段がなんと、1泊RM8.80。日本円で1泊300円以下である。怪しさ満点のホテルで、バックパッカー御用達なんだろうと思うのだが、きっとこんなところに荷物を置いて遊びに出かけたら、戻ってきたときにはすべての荷物は誰かに採られているんじゃないかと思うような怪しさはある。しかし、ウェブサイトを見てみると、内装は値段の割りには結構綺麗なので吃驚した。外面と内面ではこんなに違うものなんだろうか?これだけ綺麗だったら、ここに試しに泊まってもいいかなとおもった。それと、チャイナタウンには、なぜか結構菜食主義者用のレストランが結構ある。その特徴としては、看板に「斎」の字が見えたら、それがベジタリアンレストランの店である。
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