2009/10/04

ベトナムの国内線

ホーチミンから古都フエにいくときには、ベトナム航空の国内線を利用した。ホーチミンの空港は国内線と国際線でターミナルが異なる。国際線のターミナルは日本のODAで超近代的に作り変えたため、その綺麗さは実感していたが、国内線のターミナルはお世辞でも綺麗とは言えず、いかにも発展途上国の空港という印象が拭いきれなかった。

ベトナムの国内線はほぼ100%ベトナム航空の独占市場なので、ベトナム航空のカウンターしかない。もっというと、カウンターが少ない。ほぼ全部ベトナム航空の路線なので、いくつもカウンターを作る必要がないのである。だから、すべての利用者が同じカウンターに並ぶために、もうその長蛇の列といったら、いつになったら自分の番が回ってくるのかちっともわからないくらいである。いちおうカウンター前では、全員一列に並んでいるのだが、列からどのカウンターの前にいけと誘導する係員のやる気のなさがあるため、横から「急いでいるんで、横入りさせてー」とぎゃーぎゃー騒ぐおばさんには、何の制限もなくすんなり通らせる。ちなみに大体そんな横柄な態度をするのは中華系の人である。ベトナム人は日本人と同じように大人しく待っている。ただ、意外にも長蛇の列はまだかまだかと思いつつも、動くときはサクサク動くので、あまり焦る必要はない。だが、やっぱり出発90分前にはカウンターには来ていた方が、焦らなくていいだろう。

ちなみにベトナム航空は国内線に限りWebチェックインが可能である。ただし、日本語サイトからは無理で、英語サイトからは可能だ。ところが、Webチェックインでも、ハノイ、ホーチミン、ダナンの3都市から出発する場合にのみ可能であり、それ以外の都市からの出発はいまのところできない。だから、ホーチミンの空港で並びたくないというのであれば、Webチェックインを前もって行なうのが良いと思う。カウンターもWebチェックイン専用のカウンターがあるので、便利だ。出発は2階に上がって荷物検査を通ってから出発ゲートに向かうことになる。荷物検査のところでは、航空券を見せるというのは日本の国内線と同じだが、国内線といえども身分証明書の提示が必要で、外国人の場合はパスポートの提示が必要になる。出発ゲート附近ではいろいろな店がある。店があるといっても、空港の中の店という感じが全くしない。どちらかというと、デパートの売り場みたいな雰囲気だ。空港内の電燈と天井の低さがそれを助長しているような気もするのだが、デパートのお土産売り場の中に出発ゲートがあるという感じだ。目隠しされて、ゲート前でいきなり目隠しを外されたら、「ここはどこのデパートですか?」と思うに違いない。しかし、必要なものは何でも揃っているし、なかには野菜や果物も売られているので、もうここまで来ればスーパーだ。しかし、小腹が空いたら喫茶店や軽食が食べられるというようなところはない。基本がスーパーやデパートの売り場形式なので、食いたかったり飲みたかったりするのであれば、必要な商品を買って、ゲート前で食えというのである。合理的だ。ベトナム航空は、最近の航空機には珍しく、全身塗装で仕上げられ、それも真っ青の色を採用している。ベトナムカラーなのかはわからないが、結構これが遠目でも目立つから派手なほうだと思う。そして、残念ながら国内線のどこもタラップなんてカッコ良いものは用意されていない。乗り場まで昔ながらのバスで移動である。目の前に止まっているじゃないかというような超近い場所にいくにも、なぜかバスに乗せられる。途中でどこかにいくヤツがいないようにするためなのかどうか不明だ。バスで他の客が乗り込むのを待つより、そのまま歩いて飛行機に乗ったほうが早いんじゃないのとたびたび思った。国内線は横3席×2列のタイプで、文句はない。搭乗のしかたが超いい加減で、前後の2箇所から客を乗せるのはいいのだが、前の座席の人が後ろから乗り込んできたり、後ろの座席の人が前から乗り込んできているので、狭い通路を、ほとんど渋滞の道路のようになって乗り込ませているのは、要領悪すぎと感じた。そのおかげで、出発が予定より20分も遅れる事態になるので、これじゃ、シンガポール航空だったらぶち切れるところだろうとおもった。機内では飲み物と機内誌がサービスとして提供される。フエまでのフライト時間は1時間20分もあるのだが、道中はほとんどベトナムの上空を飛んでいるとき、地上が見えるので、窓からの景色は楽しい。ベトナム航空利用のときには、例えグダグダになっていても怒ってはいけない。広い気持ちでベトナム航空を搭乗前から思わないと、乗った後に不快な気分しか残らなくなる。

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