2009/10/07

ベトナムのタクシー

公共の交通機関があまり発達していないベトナムでは、タクシーはどこに行くにも本当に便利な乗り物である。それも安い。だから、気軽にタクシーを捕まえて乗るのはいいことだと思う。よくガイドには自転車タクシーであるシクロを使ってのんびり行ってみようなんていうのが書かれているが、あれは乗るほうからみても、クソ蒸し暑いところで
のんびり走られると不快極まりないとおもうし、それに横をビュンビュンとオートバイや車が走っているところに、悠然と走っているため、恐ろしくて適わない。いつ横から無謀なオートバイや車が突っ込んでくるのかわからないからだ。その点、タクシーはクーラーをガンガンに効かせてくれるし、値段は必ずメーター制になっているので安心して乗れる。

ただし、タクシー会社は日本と違って、その都市ならどのタクシーを乗っても同じ値段と初期乗車料金というわけではない。会社によって全然違うので注意が必要だ。ただし、だいたいどこの会社も初期乗車は1万ドンから高くても15000ドンである。それ以上の値段を取っていたら、すぐに警察を呼んだほうがいい。そして加算料金も会社によって違うから面白い。だいたい1kmあたりこちらも1万ドンである。

トラブルが少ないタクシー会社というのは、どのガイドにも載っていることであるが、ホーチミンであれば、マイリンタクシー(Mai Linh Taxi)ヴィナサンタクシー(Vinasun Taxi)を使うのはベストだ。できればこのタクシーを選びたい。ホーチミンのような大きな町であれば、流しのタクシーはたくさんいるので、その中でもこれらのタクシーを選んだほうがいい。安心ができる。一番嫌なのは、ホテルで客待ちをしているタクシーだ。だいたいこういうタクシーが一番怪しい。本来ならホテルに来る位なので、それなりに安心ができるというのが日本人的な考え方なのだが、だいたいがホテル側か、もしくはドアマンと結託している場合が多く、料金が高いタクシーしか止まっていない。先程のマイリンタクシーやヴィナサンタクシーをホテルで探すのは結構難しい。まぁ、高いといっても大した金額ではないので、ここは素直に従っても、ぐたぐた文句を言うべきではない。ただ、明らかにおかしいタクシーも居るので注意は必要だ。そして、観光客にとってはさらに、名前は似ているが全く違う系統のぼったくりタクシーもいるから注意である。先程の優良タクシーと似たような名前、例えば、Taxi Vinasun とかの名前は全く違うのである。是非渡航前に、タクシーの柄と表記については目を通しておいたほうがいい。ホーチミンの場合には、なんとか Tour Taxi という名前のタクシーは絶対乗らないほうがいい。これはぼったくりタクシーである。大きなホテルに大体は止まっているから始末が悪い。メーター制になっているとはいえ、最初にそのメーターの読み方になれていないと、一体標示されている値段というのがいくらなのかというのが理解できないと思う。表示されている値段は1,000ドン単位で書かれており、加算料金によって100ドン単位を使うところもあるので、表示としては小数点も使われている。だから写真のような表示の場合には61,400ドンである。メータに書かれているほかの数字は、走行距離と走行時間、そして1km辺りの加算料金(ここでは12,000ドン)が書かれているのだ。大体の場合は走行距離による従量制課金なのだが、交渉によっては時間制で乗る場合もあるので、こういう2種類の計算方法が用意されているようだ。最初はこの数字の読み方がわからず、一体数字はいくらを表示しているのかわからないときには苦労した。フエでタクシーに乗ったときには、この時、ベトナムで初めてタクシーに乗ったため、数字の読み方がわかっていなかった。そしてご飯をたべたあと、少し酔っ払っていたこともあるので、数字として25.2と書かれていたのを見て、252,000ドンだと勘違いした。しかし、酔っ払った中でもいくらなんでも25万ドンというのは高すぎるとおもったので、25,200の間違いだろうとおもい、30,000ドンをタクシードライバーに払おうとすると、なかなか受け取らない。はて?本当に25万ドンなのかとおもい、25万ドンを差し出すと、すんなり受け取ろうとした。そこで一緒に乗車した友達がなかなか降車しないので、なんで降りないのぉ?というと、「だって、こいつ騙しているもん」と言うではないか!そして再度タクシーに乗り込んで、タクシードライバーを捕まえて「金返せ-、ゴラアァ」と掴みかかりたい気持ちを抑えて文句を言ったら、すんなり返してくれた。無知だったとはいえ、ちょっと考えれば、初期乗車料金が1万ドン程度だというのを頭にいれておけば、そんな間違いはしないのである。最後は表示料金とおりに25,200ドンで一件落着。

ところが、こういう間違いも後になれば笑い話になるのだが、気をつけておくべきはお釣りのこと。タクシーに乗るときには是非あまり大きなお金ばかりを持ち歩くべきではない。1000ドン札は絶対持っておくべきだと思う。というのも、ほとんどのタクシーの運転手は真面目にお釣りを払ってくれるが、悪いタクシーに捕まると、お釣りをかなり誤魔化すからである。例えば、料金が65,000ドンだったとして、自分が10万ドン札しか持っていないとすると、お釣りはたぶん3万ドン返って来れば良いほうだろう。それだけ誤魔化そうとするのである。1万ドン程度のごまかしではあまりごちゃごちゃ言いたくは無いのだが、それでも誤魔化されたという事実を突きつけられただけで腹が立つではないか。嫌なのであれば、日本語で堂々と「おつり返せ-」と言うべきである。基本的に真面目なベトナム人なので、誤魔化したときの良心の呵責はあるようなので、素直に返してくれるからだ。

それと無知さの極めとして、タクシードライバであれば、目的地まで早く正しく通るだろうと思ってはいけない。地図が読めないかわいそうな人は諦めるべきであるが、通常に地図が読める人は、ガイドを持ちながら自分がいまどこを走っているのかを随時確認しながら目的地まで乗るべきである。ホーチミンのような町であれば、一方通行のところも結構多い。だからといって、遠回りすることは許されない。ホーチミン滞在中では、何度もドライバが道を誤魔化そうとしたのを防いだ。一番酷かったのは、目的地が全然違うところに行こうとしたのもいた。話すと通じないかもしれないからとおもったので、ガイドを見せて「ここ!」と指差したにも関わらず、意味不明な場所に行こうとしたからだ。こういうバカタクシーに当たった場合には、本当に疲れる。

先程提示したマイリンタクシーのような優良タクシーの場合には、全く心配なく日本のタクシーに乗っている感覚で乗れるし、親切だし、値段を誤魔化さないし、客が降りるまで面倒を見てくれるので大変気持ちがいい。タクシードライバは日本と同じように、顔写真付きの名前が表記されているので、悪いタクシーに出会った場合には、そのタクシー会社に文句の電話を入れても良いと思う。

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