2009/10/07

レモングラス(Ho Chi Minh City)

ホーチミン初日に食べに行ったのは、ホーチミンでも一、二を競う名店中の名店といわれているレモングラス(Lemongrass)という店だ。シェラトンホテルから歩いて2分以内にある店であるため、さっさと行ける場所だと思って選んでみた。ガイドによると、「何を頼んでもハズレ無し」なんていうことが書かれている。ここまで大袈裟に書かれていると、本当かなーと疑いたくなるものだ。自分の舌で試してみて、本当にハズレ無しなのかどうか確かめたい。ホーチミンの一番の繁華街だと思われるドンコイ通り(Dong Khoi street)を挟んでシェラトンホテルの反対側にある D Nguyen Thiep 通りに入れば、すぐに店の看板を見つけることができるだろう。

ところが行ってみてわかったのだが、やっぱり人気店であるために、予約無しにいきなり行ってみてもすぐに席につけるわけではなかった。「満員です。」と言われたので、半分諦めていたのだが、すぐに店員が「別の場所に同じ店があり、メニュも味も一緒なので、そちらにご案内しますが、どうしますか?そちらに映っていただけるなら15%ディスカウントします」と言われた。このように言われたとき、最初は「どこかの店とつるんでいる?」と勘ぐってしまったのだが、実はそうではなく、単なる支店というか別店であったのだ。それも店の人が場所を教えただけかと思ったら、「良かったら案内します」と連れて行ってくれたのである。たぶん、たくさんの客が来るから1店では間に合わず、それでもう1店作ったのだろう。

場所は広い大通りである DL Nguyen Hue 沿いにあるホテルの最上階にある。既に店から「こんな客が行くから宜しく」と連絡があったようで、連れてきてくれた人はホテルの1階のエレベータで別れたあと、上にあがったところで「ようこそ」と出迎えてくれる。まるで料亭の仕組みのような扱いをベトナムでされてしまった感じがして、ちょっと面食らった。
さて、実際の店内はどうなのか気になった。なにしろ、ホーチミンで1,2を争う名店といわれていたので、ちょっと敷居が高いものかと思っていたが、全然そんな心配は不要であることがわかった。ただ、客層が街中だからかもしれないが、汚らしい格好をしているような人は誰もおらず、普通の格好をしていれば十分だった。その点はファミレスとは全然違うし、屋台で食べるような人たちが集まる場所でもないし、上着を着ないと入店禁止という意味不明な仕来りがあるような場所でもなかった。今回レモングラスで食べた料理は下記の通り。

・レモングラス特製スズキの焼きフィレ(Filet ca chem nuong sa) : 75,000 VND
・野菜とビーフンが添えている豚の胡椒風味の炭火焼(Heo nuong me) : 89,000 VND
・えび空芯菜スープ(Canh chua rau muong tom): 68,000 VND
・小さいムール貝が入った炒飯(Com chien hen): 89,000 VND

この他に飲み物としてビール・カクテル・コーヒーを飲んでいた気がしたが、そのときの値段をメモってこなかったので、いくらだったか不明である。

すべて「これがベトナムの料理か?」とちょっと疑問に思うくらい、想像していたようなベトナム料理とは異なっていた。単に自分がベトナム料理を単純視していただけのことなのだが、やはりご飯に関してはそれなりに発達した文化を持っている場所であるために、いろいろ知らないベトナムをご飯を通して知ったような気がする。

さて、まずはスズキの焼きフィレなのだが、見た目よりもあっさりとした白身魚の焼き魚だった。スズキなので淡白なのは当然であるが、そこへベトナム風に香辛料と香草をガンガンに使った焼き物なのかと想像していたが、全然違った。日本の白身魚を焼いた料理と同じで、どちらかというと脂身の無いブリの照り焼きのような感じがする。無駄なソースもかかっていないところが良い。続いて、豚の胡椒の炭火焼きは、日本でも居酒屋や普通の家庭でも食べられるような豚焼きと全く同じである。ということで、日本人にはとても身近な料理に思えた。味付も、胡椒の使い方もほとんど日本と同じ。中国のようにコテコテしているわけでもなく、韓国みたいになんでもかんでも辛くすれば良いという脳みそゼロのような料理でも全く無い。しかも炭火焼なので、ガス臭い匂いがしてこないところが良い。まさしく、日本の料理と似ていて、すんなり口に入ることができた。
えびの空芯菜スープは、タイのトム・ヤム・クンのようなあま酸っぱく、辛いスープほどの強烈な味付けは無いのだが、それでもほのかに酸っぱさが口の中に広がるような味付になっていたのには驚いた。焼き物と一緒に食べていたこともあるので、意外に祖の組み合わせがとてもよく、スープ単独で飲んでいた場合は「そんなにたくさん要らないなー」とは思っていたが、組み合わせるとジャンジャン飲みたくなるのが不思議だ。蝦の独特の味が全くなく、どちらかというと、空芯菜の風味のほうが強く、それをニョクマムの風味とトム・ヤム・クンに使われる酸っぱさが組み合わさったような味なので、なにも蝦なんか要らなくてもいいのにとは思った。
ムール貝の入った炒飯は、広東風の炒飯に殻を剥かれた小さいムール貝が入ったもので、イカやら蛸が入った安っぽい海鮮ものを入れた炒飯とは異なっていた。ただ、ムール貝というのは、もともと汚い海でも育つことができるものであるため、味としてもその主張は強いなぁという感じがする。つまり、炒飯という混ぜ物になったにしても、ムール貝の味はぜんぜん分散されるというわけではなく、いつまでもその存在を主張しているのが悔しい。ホーチミンでは良いレストランと評判になっているだけあって、その味はかなり保証できるし、どれをとっても美味い。やっぱり評判はそのままだとおもった。だいたい評判の店は味がやや落ちるというのが定番なのだが、この店に限っては、現在ではそんなことは無い。味にはうるさいひとたちが店を守っているのだろうと思われる。ホーチミンに来たのであれば、是非この店には一度は行くべきだと思う。


レモングラス(Lemon Grass)
Address : 4 D Nguyen Thiep
Phone : (08)3822-0496
Open : 11:00~14:00/17:00~22:00

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

間違ってメールしてしまいました。今週、初ホーチミン行きで、おいしいランチの見せさがしてました。とても参考になりました。一日目は、夜、まで、フリーで、観光して、2日目は、クルーズ?で、一日、夜はどうしょうかと…
3日目は、また、フリーで、観光、雑貨など、見て回りたいと思います。なんか、おすすめありますか?

おきらくごくらく さんのコメント...

メッセージありがとうございます。

雑貨ならバラマキ土産には最適なTomboがいいと思います。しかし、日本人観光客で連日大賑わいですよ。

個人的にはカオダイ教の教会に行くのがお勧め。こんな馬鹿げた宗教は他には見られませんからね。

どちらも当ブログには記載していますので、参考にしてください。