2009/10/06

ザ・テンプル・レストラン(Hue)

夕方からフエの中では一番の繁華街であるChu van an通りのところにあるテンプルレストラン(Temple Restaurant)というところに夕ご飯を食べに行った。このChu Van An通りには似たようなベトナム料理屋が結構あるので、思わず間違ってしまいそうなのだが、ここは入口自体がなんとなく雰囲気が違うので、ちょっと入りにくいなーという感じはする。
比較的大きなレストランの内部を眺めていると、なんと客は誰もいないのである。夜の19時半になっているのに、この人数の少なさは一体なんなんだ?と怪しげに思ってしまう。しかし、ロンリープラネットには「ロマンチックな雰囲気のある店だが、店内はなかなか洗練されている」というような紹介文章が書いてあったので、それなりに観光客がやってきているものだろうと思ったのだが、全然想像とは違った。

実際に店内に入ると、英語、フランス語を介する店員がツカツカと近寄ってきて、ぶっきらぼうに応対する。決して彼がサービスに不慣れの様子だというのではない。テンプルレストラン自体が格式高いレストランなので、こんな店によくもまぁずけずけと貴様等がやってきたもんだっというのを、無言のまま圧力をかけてきたような応対だといったほうがいい。一瞬怯んだが、こちらは客。別に横柄な態度を取るわけでもなく、通常の紳士的な応対でこの店員とはその後やり取りをすることになる。メニュのほうは、意外にも日本語のメニュが用意されていた。もちろん最初に持ってきたメニュは英語とフランス語とベトナム語の三ヶ国語が書かれているメニュで、それぞれが同じページに書かれているわけではなく、言語ごとにページが用意されているため、メニュがかなり分厚い。最初はそんなにメニュがあるのかーっと不覚にも勘違いしてしまった。いちおう念のために「日本語のメニュはあるのか?」と聞いてみると出てきたのだ。結構日本人観光客もやってきていることなのだろう。ここで頼んだのは次のとおり

・豚肉の照り焼き
・蝦の揚げ春巻き
・大蝦のフライ
・ブランデーバナナ
・コーヒー

豚の照り焼きは、小片に分けられた豚肉を照り焼き風にしたもので、これは日本人の口にとても合う。食べなれているような味なので、パクパクと食べてしまった。
蝦の揚げ春巻きのほうも、生春巻きは食べたいとは思わなかったので、必然的に揚げ春巻きにしたとはいえ、これも大成功。日本でも最近はベトナム料理屋が結構多くなっているので、こういうのが身近になったことが功を奏したのだと思う。大蝦のフライだが、これは殻を外された蝦に衣を着けてあげたものだというものだ。見てのとおりである。特にコメントは無い。なにも変わったものではないからだ。ブランデーが掛けられたバナナで、最終的にアルコールを飛ばして、ブランデーの甘味だけを利用してバナナを食べるというシンプルなデザートとコーヒーについては、すこし油っぽい料理を食べた後には、意外にも口がさっぱりしたような気がした。量としては少ないとおもっていたが、中途半端な時間にホテルでルームサービスを食べたあとだったので、この日の晩はこんなもんで良いだろうというのは、双方の納得で終わった。

さて、このレストランがなぜ「テンプル」なのかというのは、店を出たときにわかった。最初は店内が寺を改装して作られているからかとも思っていたのだが、それは全然違った。正確に言えば、寺が存在していた場所にレストランを作ったということなのだ。その名残というのは、店を出たところにいくつか祠がそのまま存在しており、今でもその祠に対して献花をしたり、線香を点してお祈りをしにやってくる地元のひとたちがたくさんいるのだ。レストランの中に居ると、たまに窓際に人がやってきて、そのまま居座っていたりするから、最初は何をしているのだろうと不思議に思った。要は、祠が地上に置かれているため、腰より低い位置にあるから、座ってその祠にお祈りをしているという情況を眺めていただけなのである。ちなみに、テンプルレストランは数階建ての建物になっており、1階はレストランに使われており、2階以上はバックパッカー用としてホテル(Guest House Phu Cuong)に使われているようだ。

ちょっとしたレストランなのに、なんだかいくつかのいろいろな顔を見せられたような気がした。

Temple Restaurant
Address : 05 Chu Van An st, Hue, Vietnam
Phone : 054-830716
Fax : 054-830717

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