2009/10/07

サイゴン大教会(Ho Chi Minh City)

ホーチミンの一番の目抜き通りであるドンコイ通りの一番どん詰まりにあたるところに、赤レンガで作られてとても目立っているサイゴン大教会(聖マリア大聖堂、Nha tho Duc Ba, Saigon Notre-Dame Basilica)が存在する。教会前がちょうど広い広場になっているということもあり、遠くからでもこの教会がとても目立つのが、いかにもここが昔ヨーロッパに支配されていたところであるということの証なのだと思う。
フランスが宗主国であったために、フランス植民地時代のベトナムはカトリックの布教場所としてベトナム各地に教会が建てられた。プロテスタントとは異なるので、教会にも派手さがあるから見ごたえがある。そして、他のアジア諸国では教会と言ってもヨーロッパのような豪華さはなく、所詮、離れた場所での布教拠点だからとナメられたものが多く、形ばかりの教会というようなことが多かったりするのだが、ホーチミンの教会は、全くヨーロッパの教会に劣らないようなものだった。前面赤レンガというのはちょっと珍しい教会だなという気もした。大きく聳える教会は街を代表するモニュメントとしては十分立派だと思われる。また、教会前が広場になっているので、カトリック教徒が多いベトナムでは、きっと、イベントが行われるときには、教会内だけではなく、前の敷地も含めて沢山の人がくるんだろうというのは想像ができる。中に入った驚いたのは、ヨーロッパのカトリック教会でも見ることができたのだが、キリストやマリアに対する感謝をあらわしたプレートが壁にたくさん貼られていることだろう。その感謝の理由は各個人によって全然異なると思うのだが、神に感謝する儀礼としては共通的なものだと思われる。「感謝聖母」とか「Ta on duc me」とベトナム語で書かれたものなども結構ある。古いものだと、フランス語で「Merci Maria」なんていうことが書かれているものも見つけた。教会では絵でキリスト教の歴史とキリストの偉業を説明するのが一般的だが、ここでももちろんその手法は使われている。ステンドグラスで綺麗に作られているところがすばらしい。ベトナム戦争時にぶっ壊されたのかどうかは不明だが、それでも修復したのであれば、それだけ聖母マリアを神と崇めているひとたちが寄付により作ったと考えると、その信仰心の深さには脱帽だ。残念ながら祭壇近くにいくことは「立ち入り禁止」の柵がかかっていたためにはいることはできない。ただし、信者であれば限られた入口から入ることができるために、ぜひカトリック教徒であれば近くまでいって、聖母マリアの像とキリストの十字架像を見るべきだろう。望遠でしか撮影ができなかったのが悔しい。聖母マリアが下の段にあり、キリスト像はその上にあるという構成になっているのがなんとなくおもしろい。聖母教会であるためにマリアがメインではあるというのはわかるが、キリストもついでに祀ってしまおうというのも贅沢な感じだ。ちょうどこの訪問時にも結婚式を行なおうとしているカップルが撮影しているところに出くわした。それだけこの教会は目立つ存在だし、また、背景として撮影するには堂々として風格がある建物だと思われる。教会の前に広がる広場には、白いマリア像もあり、これを背景に写真撮影しているひとたちもたくさんいた。このマリア像、結構綺麗に仕上がっているので、ヨーロッパのマリア像と比べても遜色は無い。あれはベトナム人にとっても自慢の逸品なのではないだろうかと思う。

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