フエの空港はとてもシンプルな地方空港だ。出発と到着が同じフロア-にあるし、出発のための搭乗手続きカウンターも3つしかない。そして、好き勝手にカウンターで手続きができるというわけではなく、それまでは暇だから、1階のフロア-にあるオープンの喫茶店兼休憩所で待っているしかない。
混むだろうと思って早めに空港に到着しても全く意味が無い。なぜならチェックインは出発2時間前にならないと絶対に行われない。他に出発する飛行機が手続きをしているから、ついでにやってもらおうなんていっても、受付拒否だ。時間まで待っていろといわれるだけである。そうなったら仕方が無いので、荷物を持って待合室・・・といっても、部屋になっているわけではないが、椅子に腰掛けて時間までのんびり待っているべきだろう。座っていると、「ご注文は?」とお姉さんがやってくるので、ここはベトナムコーヒーでも飲んでのんびり待っていればいい。1杯8000ドンだ。激安。ご飯メニュもあるので、軽食をここで摂ってもいいが、食べている人はたまたま居なかった。フエから出発する飛行機の数は少ない。フエからホーチミンとハノイにしか飛んでおらず、それぞれ1日3本ずつ。従って、時間帯によってどこ行きの飛行機に乗る人なのかというのは一目瞭然なのだ。だから、空港職員たちも暇なのである。でも人数はかなり居る。飛行機を誘導する人や荷物を運搬する人やチェックインを行なう人など、やる仕事はいくらでもある。でも、飛行機がそんなに頻繁に飛ぶわけでもないので、あまりにも暇だからこの喫茶スペースに陣取っておしゃべりしているのも見かける。お前らが座るなよー、客に座らせろとおもうが、席数はたくさんあるので、文句を言う必要も無い。終いには警備員兼軍人みたいなのも喋りにくるので、あぁ地方空港だなというのが本当によく感じることができる。
コーヒーだけ飲んでいても時間は潰れるわけでもなく、暇なので空港内をうろうろしてみたが、あっさり終わってしまう。というのも見るところがほとんど無いからである。空港ターミナルは、いまコーヒーを飲んでいるところがメインみたいなもので、後はトイレと売るつもりが全く無い売店があるくらいだからだ。売っているものも、コンビニで売られているようなお菓子類しかないというのが笑える。日本の空港のように名物弁当や名物品を売っているようなことは、ここフエには無かった。ホーチミンの空港はそこそこあったのに、この違いようはなんなんだ。チェックインをした後はすぐに搭乗口に行ってみる。チェックインをする際に、早い者勝ちで席が決められるのかとおもっていたら、そうでもなかった。結局ベトナム航空のチェックインの仕組みは未だにわかっていない。搭乗口に行くには、当然手荷物検査のところを通るのだが、その検査がとてもいい加減。お前ら何にも見ていないだろうといいたくなるくらいのチェックだ。だいたいX線の検査画面のところなんか、係員が全く見ていない。金属類や怪しいものが見つかったらビープ音でもなるという仕組みなのか、ハイハイと処理をしていく。やる気無し。こんなので安全は保たれるのかどうかは全くわからない。もし、フエからホーチミンを経由して、そのまま日本に帰宅するという場合だったら、どういうことをされていたのだろうかというのが疑問だ。たぶん、一度荷物を自分で国際線のほうに持っていって、自分で手続きしろなんていうことを言われるに違いない。
ちなみに搭乗口に行ってみても、実はそこでは待つことが出来ない。では、乗客はどうするのかというと、2階にある乗客待合場に行くしかない。螺旋階段を上っていくと、目の前に整然と並べられた椅子とお土産屋がある。いちおう軽食屋もここにはある。でも、テレビが置いていないので、世の中どうなっているのかというのはここではわからない。テレビでも置いておけば良いのになとおもう。そして、また出発までここで長い時間を待たされる。ベトナムでは待つのが仕事だ。お土産屋といっても、商店街の誰が買うのかわからないようなオバちゃん用の服が無造作に置かれていた。無造作といっても、一応截たんでいるのだが、なんというか、スーパーの安売りされているハンガー掛けのような形で売られている。あとは、これも誰が買うのかわからないような木彫りの人形とかも売られているし、2階に上って来た乗客の多くは最初は、どういうものが売られているんだろうと興味本位に見に来てはいたのだが、誰もが買うもの無しと思って、そのまままた大人しく席に座る。喫煙をする人は、暇でイライラするためか、ひっきりなしに喫煙場に行っている人もいた。ベトナム航空のラウンジが同じところに存在するのだが、これがまたどこがラウンジじゃーというようなもので、別室になっているだけで何もサービスは無い。売店と言われるのは誰がこんなところで買うのかわからない服のほか、誰が読むのかわからないような本や誰が買うのかわからないCDが売られていた。誰も買おうとしないので、店をお守りしているひとも暇そうだ。さて、フエもいよいよ離れてホーチミンに戻ることにする。表は相変わらず土砂降りの状態だった。
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