中秋の名月は、旧暦の9月15日であるのは日本も同じである。ベトナムも中華文化の影響を多かれ少なかれ受けた地域であるために、旧暦で中国に関するお祝いをする習慣は残っている。日本ではすっかり慣習がなくなってきてしまった中秋の名月を愛でるという風習は、ここベトナムではまだまだ残っていた。
中秋を祝うために中華文化では月餅をお供えのために買ったり、それを食べたりするのであるが、ここベトナムでも同じだった。日本のように団子でも食べるのかと思っていたら、全然違った。ホーチミンとフエしか知らないが、どちらの都市でも、月餅だけを売っている店が赤と黄色の看板で掲げているのを何度か見ることがあった。
実際に月餅の店で買ってみた。なんとなく店自体が大きな通りに面している上で、直射日光ばりばりだったので、これって腐っているんじゃないのかな?と思うような置きかたをされていたのだが、「これ欲しいです」と頼んだら、出してきたのは、直射日光ばりばりのショーケースからではなく、奥の控えのほうから持ってきた。やっぱりそれくらいはサービスいう意識はあるんだろう。値段は1個15000VND。たぶんベトナム価格としては高いと思うが、日本人感覚としてはおやつには最適だ。中華街で売られているような馬鹿でかさはないのだが、ちゃんとパッケージにも入れてくれようというのは、やはり中秋がお祭りだからなのだと思う。中秋に入る前にベトナムに滞在していたのであるが、中秋を祝うような飾り付けを売る店も道中に発見。これだけ見ていると、ここが本当にベトナムなのか全然わからず、中華街に迷い込んでしまったんではないかと思うのも納得だと思った。ただ、こういう店は、中秋の季節が終わったあと、なにを売って生計を立てるのだろうか?謎だ。
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