2010/05/15

ニュー・マジェスティック・ホテル (Singapore)

何度行ったかわからないシンガポールに戻ってきたが、毎回同じようなところに泊まるのはつまらないと思い、今回は変な趣向のホテルにでも泊まってみようと考えた。デザイナーズホテルに属するであろう、そのホテルの名前は「ニューマジェスティックホテル(New Majestic Hotel, 大華飯店)」である。公式サイトからアクセスしてみると、その奇抜なデザインに一瞬ドッキリしてしまったのと、これって、普通のホテルというよりはっきり言ってラブホテルじゃないかーと思ってしまったが、普段と違う趣向を望んでいただけで結構楽しみだった。
Goldern Mile Complex から目の前に停まっていたタクシーに乗り込んでホテルへ。このタクシーのオヤジは自分が新しい車で営業をしはじめたのか、トランクの上げ下ろしはしてくれないわ、トランクがちょっと車に当たったくらいで、ぎゃーぎゃー騒ぐわで、うるさいわ、ボケーと言いたくなるよなおっさんだった。そんなに騒ぐなら己で荷物の上げ下ろしでもしろよ!

さて、ホテルについてびっくりしたのは、ホテルのロビーがまるっきりロビーらしくなく、どこかのジムの受付か?と思うようなつくりになっていた。旅行者が泊まるホテルの概念をすっかり変えてしまうような造りに唖然としながらチェックインをしたあと、エレベータを上がって部屋に通されるときに、ふと横を見ると、2階にプールがあり、そのプールがガラス越しにみえるのがわかった。ホテルの中庭にちょうどプールがあるのはよくあるものだが、このホテルがデザイナーズホテルと言われてもてはやされているのは、このプールの床が一部丸見えになっており、その見える床からは階下にあるレストランが見えるのだ。部屋に入って、さらにびっくりした。部屋全体が赤。真っ赤だ。絶対落ち着かない!こんな部屋はまさしくラブホテルでしか見たことがない。部屋全体はそんなに大きいとは思わないのだが、全体の構造からデザインが驚きである。各部屋はすべて違うデザインになっているため、どの部屋になるかは部屋のタイプにもよって異なる。いちおうホテルの公式サイト経由で予約する際に、サイトに載っていた紅い部屋をリクエストしていたから、それほどの驚きではないだろうと思っていたが、実際に部屋の中に入ってみたときの衝撃は大きい。夕焼けの時間帯に猫がうろうろしているというのがコンセプトのような部屋であるため、壁のあちこちに猫の絵が書かれている。
部屋の真ん中にベッドがあり、そのベッドには薄型のデジタルテレビが備え付けられている。変なたとえだが、病院の入院用ベッドにテレビが付けられている感じだったので、すごい近いところにテレビがある。お風呂とシャワーは別なのだが、シャワーは内部屋にあり、お風呂はバルコニーにある。シャワーは半透明になっているため、同室に泊まる人のシャワーの様子が丸見えである。お風呂のほうはバルコニーになっているのだが、これはなにも施しをしないと、他の部屋から丸見えになる。そのために浴槽がある場所を中心に四方を囲むようにブラインドが下りるようになっているが、これがリゾート地やジャングルのなかでのお風呂のような雰囲気を出すようなつくりになっているのがおもしろい。しかし、浴槽も真っ赤というのはどうにかならんものだろうか。ちなみに、ここは本当に浴槽としての役割しかなく、体を洗うのはシャワールームのところでおこなう。洗面周りはどうかというと、どこか洒落たレストランの化粧室のようなつくりになっている。ほとんど使い勝手の悪い形になっている洗面台は、デザイン重視で機能性は二の次である。そういうホテルの趣向なので仕方はない。水を勢いよくだすとすぐに水浸しになってしまった。アメニティはすべて揃っており、KIEHL'S のセットが揃っていた。トイレもシャワールームと同じように半透明の個室タイプになっている。しかし、ちょうど人間が便器に座っている状態では、摺りガラスになっているのでよくわからないという配慮はしてある。他に部屋の設備としては、Tバックやコーヒーメーカなどの常備設備やミネラルウォーターが用意されていた。おもしろいのは、このコーヒーメーカで、最近よくデパートで試飲を兼ねて売り出されているNespressoのコーヒーメーカーとそれに使われるカプセルコーヒーが用意されていて、そのカプセルコーヒーは滞在中、部屋に用意されているだけならすきなだけ飲むことが可能だ。また、冷蔵庫にはアルコールやジュースも用意されているが、そのうちジュースのみは好きなだけ飲んでもいいことになっている。なぜアルコール類のビールやワインは無料じゃないのだろうか?値段が全然違うからなのだろうか?だから飲み物として、滞在中にコンビニで何か買ってこなければならないというようなことはほとんどなかった。また、部屋はネットが接続できる環境がある。これは有線と無線とどちらも可能だ。チェックインのときに渡される鍵の入ったカードの裏面にパスワードが記載されている。しかし、このネット接続は、1度に1台しか接続できない。だから、ノートパソコンとiPhone/iPod を同時に利用しようとした場合には、ネット接続IDが2つになってしまうために、2台目はアクセス拒否になってしまう。そういうときには、ノートPCをネット接続マシンとし、iPhone/iPod touch はそのノートPC経由でネットに接続できるような仕組みにすれば問題なし。最初は1IDあたり1台しかダメだということがわからず、思わずフロントに「繋がらないです」と電話をしてしまった。朝ごはんは宿泊費についているが、これが普通のホテルよりゆとりがない。なぜなら、朝ご飯の提供時間帯がかなり客に対してなめている。他のホテルなら、朝の6時半後から10時ごろまで提供しているところを、ここでは8時から10時までというたった2時間しか提供しないのである。しかし、それだからといって適当なご飯が出てくるというわけじゃない。バイキング形式をここでも採用しており、ホットミールは、注文すれば何でも作ってくれるのだ。厨房はガラス張りになって、何を作っているのかを見せる形になっているのは、最近のレストランではよく見かける光景だ。どういうシェフがどういう作りをしているのか見せながらご飯を食べるというのもおもしろい。バイキングに関しては、お世辞にもそれほど種類は多いとは思えないが、それでも朝の空腹を満足してくれるくらいの種類はある。どちらかというと女性向きの感じがする。レストラン自体もすっきりしたデザインルームになっており、ここのレストラン自体は夜になると地元のちょっとステータスの高いひとたちが楽しむ憩いの場になっているようだった。しかしキリストをモチーフにした壁のデザインはあんまりよろしくない。冒頭でも述べた、このレストランで、ふと上を向いてみると、プールで泳いでいる人たちが見えるようなつくりだ。プールという水の入った空間を間接的に経由して日光が天井から入るようになっている建築デザインはおもしろい。ホテルの位置がチャイナタウンの外れにあたり、Outram Park 駅からは近いために、どこにいくにも比較的便利だ。チャイナタウンの中心地からも歩いて帰れる範囲であることと、傍にバーが結構多いので、夜になると夜猫族(夜になると元気に遊ぶ宵っ張りのひとたちのこと)がわんさか近所に出歩いていることに出くわす。

New Majestic Hotel
31-37 Bukit Pasoh Road
URL : http://www.newmajestichotel.com/

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