2010/05/13

マレーシア国体開催広告 (Malacca)


マラッカ市内を歩いていると、あちこちに運動会のゲートみたいなのがあるので、なにか祭りがあるのかと思ったが、実際には6月にマラッカで、国民体育大会(Sukan Malaysia)が行われることによる宣伝であったことがわかった。日本で言うところの国体である。実際にマレーシアでの国体がどの程度盛り上がっているのかと思って、マレーシア人に聞いてみた。日本の国体も、運動競技選手だけは盛り上がっているのだが、その土地で開催されるとしても、盛り上げようとしているのは行政だけで、実際に住んでいる人は「へぇ、そんなのがあるんだぁ~」というくらいしか思っていないのと同じであることがわかった。実際に日本でも国体の競技を見に行ったことがある人はどの程度いるのだろうか?競技をしているひとたちは、真剣そのものだから見るだろうが、一般人は全く興味がないと思う。ただ、「国体選手だった」と言われると「それはすごいねー」と尊敬の言葉をその人にかけたりするから、後で考えるとちょっと笑えるが、実際にマレーシア人もおなじらしい。

マレーシアの国体ではどういう競技が行われているのかなと個人的には興味を持って、ちょっと調べてみた。日本でも見られる普通の競技もあるなか、結構見たことも無いようなものや、あとは元イギリス植民地だなというのが残っている競技もあることがわかる。ちょっと競技の種目を見てみよう。下記の36競技である。

サッカー、体操競技、プンチャック・シラット、空手、武術、自転車、ネットボール、バスケットボール、ホッケー、ローンボール、ボクシング、馬術、テニス、バドミントン、ウェイトリフティング、ボーリング、セパ・タクロー、フェンシング、競泳、ダイビング、カバディ、バレーボール、ビーチバレー、アーチェリー、ヨット、射撃、ペタンク、スカッシュ、卓球、陸上競技、ゴルフ、柔道、タミール武術、カヌー、ラグビー、新体操

半分知っていて、半分知らない競技がある。聞いたことも無いような競技もある。

まずは、プンチャック・シラット(Pencak Silat)は、インドネシアを中心に、元マラッカ王国だった地域に広がって普及しているインドネシア武術である。空手や合気道に似たようなものだと思うのだが、実践的に格闘をするための競技と、お祭りや祝い事に演舞を披露するためのものに分かれる。いちおう国体なので、ここでは競技なのだろう。競技にはプロテクタを嵌めて行われる。

ネットボール(Netball)というのも、単語としてはありがちなもので作られているのだが、いまひとつ聞いたことが無い競技である。これはバスケットボールを原型に、女性向けの競技として生まれたもので、イギリス連邦の国ではかなり流行っているものだそうだ。70カ国でも行われているから相当のものだ。7人で行われる競技で、基本動作はパスとシュートのみ。ドリブルをするのは禁止だ。ポジションとして動ける範囲というのが決まっているというのもおもしろいルールである。身体的接触は絶対できないようになっているところは少しバスケットに似たところがある。笑えるのがゴールのところで、バスケットと違って後ろの板が無い。なんとなく運動会の玉入れみたいな感じになっている。日本で行っているところはあるのだろうか?

ローンボウルス(Lawn Balls)はこれまたイギリス連邦では広く行われている競技で、陸上版カーリングである。芝生の上で、5メートル幅の中でボールが投げられ、いかに目的地の中心に近いところに転がせるかというものである。この競技は実は古く、周りが氷しかないところで発達したのがカーリング。転がすのではなく投げちゃえーとしたのが砲丸投げだ。

セパ・タクロー(Sepak Takraw)は今では名の知れた民族競技だろうと思う。これ、実はマレーシア原産の競技で、籐で作られたボールを使い、足だけでバレーボールみたいな競技をするものである。今ではプラスティックのボールになっているのだが、これ、実際に籐のボールを触ってみるとかなり硬い。こんなのを蹴るとなると実は結構足が痛くなる。お土産屋にはセパ・タクローのボールが売られている場合があるので買ってみるのもいいだろう。

カバディ(Kabaddi)についても、もう日本ではすっかりメジャーになってしまった競技で、これはインド系の人たちに行われていた競技が、インド系のひとの移動に伴ってマレーシアでも行われるようになったものだと思う。この競技、やっぱり傍から見ていると笑える。あの「カバディ、カバディ・・・・」と言いながら鬼ごっこみたいなのをしている光景が滑稽に見えるからだ。

ペタンク(Petanque)はもともとフランスで生まれた競技なのだが、これもやっぱりイギリス連邦内ではいろいろなところで行われている結構メジャーな競技だ。以前、フィジーに行ったときにもホテル内に、わざわざペタンク専用競技場が存在していて、なんでわざわざと本当に思った。それだけ競技をしたいというニーズがあるからホテル内に存在するのだろうとおもう。が、今回泊まったマレーシア内のホテルにはどこにもこれはなかった。
タミール武術・シランバム(Silambam)は、名前の通りインド系の人たちによって持ち込まれた競技で、同じように中国からやってきた武術は中国語からの引用で「Wu Shu」という。どちらも違う競技として、国体の中の競技に数えられている。シランバムは、日本の剣道にちょっと近いものがあり、棒を使いながら円形のなかで剣道のような試合をする。相手をただ殴るというのではないのは剣道と同じで、特定の箇所への打ちのみが有効なポイントとなる。だから、相手との駆け引きが非常に必要な競技といえよう。中国武術のほうは、正式には武術太極拳といい、こちらは北京オリンピックの時期から正式競技になったので見たことがある人が居たら覚えがあるだろう。少林寺拳法や空手に近いものがあり、香港映画の戦闘シーンに出てくる戦いで繰り広げられるものに近い。こちらのほうが動きがあるのでかなり見ていて楽しい。

やはりところ変わればいろいろと楽しいことがわかるようで、マラッカで行われる国体も時期が合えば見たかった。たぶん、マラッカの各地の会場で分かれて競技を行っていたことだろう。

Sukan Malaysia XIII, Melaka 2010
URL : http://www.sukma2010.com.my/en/main.aspx
Date : 2010.6.10 ~ 6.19

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