春が近づくと、春の訪れが本当に嫌だとおもう理由の1つとして、花粉症に悩まされるというのがある。今年の春は、冬がとても寒く、しばらく暖かくならなかったこともあり、花粉の跳ぶ量が比較的に少なくて、あまりくしゃみや鼻水に悩まされることはなかった。しかし、来年の春はどうなるのかわからない。今年飛ばなかった分、まとめて杉花粉が跳ぶ恐れがある。そう考えただけでも、もう鼻がかゆくなってきてしまう。
あの忌々しい杉さえなければ、毎年快適な春が過ごせるのにーと、杉花粉情報がニュースで報道される時期になると考えてしまう。そのときに、木こりでもカナダから個人で雇うから、東京近郊の全ての杉を伐採してほしい!と同時に思う。しかし、明治時代の植林政策が間違っていて、直ぐに育つ杉を植えてしまったのが、いま各地の山に杉ばっかり生えてしまっている原因である。杉のかわりに檜を植えなかったところが、そのときの先見性の無さだと思う。
そういう個人的な感情を誰か代弁してやってくれないかとおもっていたところ、なんと東京都がスギ花粉の飛散量を減らすため、都西部の多摩地区でスギの伐採事業に着手したというニュースが入ってきた。行政が、杉花粉に対して本格的に動いたのはこれが初めてなのではないか?東京都が今回やった行動というのが、杉林を全面的に無くしていくというのではなく、花粉が従来の量より10分の1の新種のスギに置き換えたり、別の広葉樹に植え替えていくというものらしい。その代わりに、植え替えるのであるから、約30000ヘクタールのスギ林が対象として入れ替えられるらしい。その3万ヘクタールというのがどの程度なのか、農業をやっている人間でもないので想像がつかない。きっと微々たる広さなのだと思うが、全く手付かずというよりは、花粉症患者として嬉しいことはない。土地の面積は3万ヘクタールだが、樹木の量でいうと、なんと180万本が対象となるらしい。180万本って凄くない!?
中国の西方地域の砂漠化が問題になっているが、そこは植林をしてもしても、そのあたりに住んでいる遊牧民族が飼っている羊やヤギが、せっかく植えた樹木を根まで食べてしまうために、植林が全く進んでいない。それよりも、自分の金にならないような公共的事業に対して、政府が全く乗る機でないというのが、中国の砂漠化を抑えられない最大の原因であるのは有名な話。そういう中国政府にとっては羨ましいとおもわれる「スギ伐採」事業ではあるが、伐採したスギは「多摩産材」として都立の学校の机やロッカー、住宅材などに活用し、需要拡大も狙うという。今回対象となったのは国有林ではなく、8割が民有林というのだから、もっと凄い。官民が一体になってこの事業に取り組んでいこうという表れだろう。