2008/01/04

末広亭の新春落語

正月に落語を聞きに行くのがここ数年の定例行事になってしまった。以前は落語なんて、あんなの爺が聞くようなものと思っていたのだが、日本語の奥深さを知るようになると、落語は言語・文化・時代背景・心情・思考と、いろいろな面から日本人であることを考えさせてくれるいい材料なのだと知ったからである。

別にいつ観に行くかというのは決まっていないのだが、正月にだいたいすることは、毎年決まっているために、落語を観に行くのもいつも1月3日になってしまう。友達にも前々から日程指定で約束をして待ち合わせる。年々落語の人気が出てきているようで、特にここ数年は落語を題材とするドラマが放映されたことにより、お姉ちゃんたちも挙って見に来ていた。去年もそうだったのだが、1月3日には、なぜかNHKのテレビ中継が入るらしく、新宿末広亭の近辺にはテレビ中継車らしき車がたくさん停まっていた。


去年のテレビ中継では、春風亭昇太と中川翔子が司会をしているのを生で見たが、今年は爆笑問題だった。末広亭の前で並んでいると、爆笑問題の2人が法被・袴の姿で並んでいる人たちの横をつかつかと歩いていく。テレビの人たちは全体的に小さい人たちばかりなのだが、この人たちも例外に漏れず小さい。テレビの中で田中は「ちびちび」と馬鹿にされているが、本当に小さく、チビといわれても当然だと思った。たぶん150cmもない。子供と思われても仕方ないのはよくわかった。爆笑問題の2人は、普段から騒がしいのかと思ったら、カメラが廻っていないときには全く大人しく、カメラが廻り始めた途端にテンションが高くなるという、感情の激しさにはプロだなと感じた。何回か、中継のために末広亭へカメラが振られるたびに、爆笑問題の2人が中継現場に現れては、また控え室に引っ込むということをやっているので、2人も大変だと思う。テレビは見ていないのだが、話を聞いていると、どうやら大阪側の中継は、ムーディー勝山と友近だったらしい。このコンビも楽しそうだ。何回かの中継の際に、爆笑問題のほかに、ベテラン芸人である、ケーシー高峰とナポレオンズも一緒に中継に加わっていたが、人込みにもみくちゃになりながら見事中継を終えたようで、これも大変そうだ。

さて、肝心の落語だが、11時ごろから並んでいたので、前のほうの席を見事ゲット。去年は並ぶ時間が遅かったので、桟敷席しか座れなくて辛い思いをしたので、どうしても椅子に、それも舞台に近いところで座りたいなと思っていたのである。あまり舞台に近いと、芸人にいじられる可能性があるので、いじられない程度の距離を保ちつつ、できるだけ前のほうの席を選んだ。案の定、一番前に座っている人たちは、いろいろな芸人にいじられてていて、それを楽しんでいた人も居るが、自分が同じ立場だったら、面倒くさいと思ったに違いない。

並んでいるときにも五月蝿く売り子が居たが、落語協会特製の福袋を3000円でーすとして売っていた。中には何が入っているのだろうと思っていると、歌丸の扇子とか手ぬぐいとからしい。いらねーよ、そんなもの!限定販売だからということなのだろうか、並んでいるときや、中入りのときにも「買ってくださいー」と下っ端のひとたちが売っていた。でも、そのときの売り方があんまり面白くないところが、もっと喋りの達者な芸人らしくないとも思う。

今回出場していた芸人のラインナップは、やはり毎年違うためか、見たことも無い人もいたし、この人また居たかーというような人もいた。メンバーを見て驚いたのが、笑福亭鶴光が出演していたこと。あのひと、関西の落語家なのに、なぜ東京の舞台に出ているのだろうか?と疑問視した。もしかして上方落語協会を破門になったのだろうか?謎である。オールナイトニッポン時代のエロトークになるかと思ったら、そうでもなかった。でも、客を相手に喋る技術は達者であり、なかなか会場を盛り上げるのにはひと役を買っていたと思う。残念だったのが、去年は見ることができた老夫婦漫才師が今年は見られなかったことだろう。その他は、落語あり、漫才あり、手品ありなどなど、色々な芸人を見ることができ、お正月から笑わせてもらった。

しかし、第2部の歌丸はまだ新年挨拶のような喋りをしていたのだが、第3部のトリを務めていた三遊亭遊三は、真面目に古典落語の「たらちね」を披露した。その日のオオトリであり、それも正月なのにこんなしんみりとした題材を選ぶのも、その感性が分からないなーとおもいつつも聞いてしまった。傍に座っていた年配の人たちは、ボロボロ涙を流していたのが印象的だった。

それにしてもこういうお正月公演の場合には、珍しい人も見られるところが嬉しい。テレビでしか見たことが無かったのだが、大きなのこぎりを楽器に見立てて演奏するマグナム小林を生で見られるなんていうのは感激そのものだった。あんなものを楽器にしようとした発想が素晴らしい。本人曰く、「これは楽器のためののこぎりで、昔は結構良く使われていたんですよ」というが、そんなもの嘘に決まっている。しかし、名前に相応しくないよぼよぼのジジィであるマグナム小林が言うから、なんとなく説得感がある。それから曲芸を披露したボンボンブラザーズも生で見られるというのもすごい。昔は、染の助・染太郎がこの手の芸では有名だったが、何も語らないボンボンブラザーズのような芸も見事だろう。それから、漫才や漫談や落語とは違う語りとして、宮田章司の売り声も見事だった。寅さんで出てくるような、あの掛け声を披露してくれるものだが、あの手の語りが廃れていくのは悲しいものがある。

この日は第3部まで見てしまった。終わったときには、夜の21時を過ぎていた。帰りに、前にいったことがあるトルコ料理屋のハッサンに行ってみた。行った途端に「ラストオーダーです」と言われて、早いなーと感じたのだが、時間が時間なので仕方ないだろう。夜になると、トルコ人が多く来ているのが見られた。和風とトルコの組み合わせの1日だった。

余談だが、末広亭所有のチャリを発見した。

お風呂の数え歌

小さい頃に見ていた「ひらけ!ポンキッキ」の中で使われる曲としては、定番中の定番だった「おふろのかぞえうた」を、テクノグループのRYUKYUDISKOが女性ボーカルのen-Rayをフィーチャリングしてテクノ調にし、去年の8月にリリース。それだけなら、RYUKYUDISKOが、いろいろなアーティストと組んで新しいことをし始めたのだなと思うだけなのだが、この曲を中国語に歌詞を変換して歌わせるというところに、またド肝を抜かされた。
最初にこの曲を聞いたときに、どっかで聞いたことがあるような気がするが、まぁ、新しい曲なのかなくらいしか思っていなかったが、何度か聞いているうちに「あっ、これはおふろのかぞえうたじゃん!」と思い出してしまう。それくらい、最初は全く別の曲だと思ってしまっていた。

そこで歌われている中国語なのだが、一体何を言っているんだろうとここで興味を持つ。実際のCDシングルには歌詞が書かれているかも知れないが、自分がヒヤリングしたとおりの歌詞を改めて記入してみた。当たっているのか当たっていないのか、それは実に分からないが、中国語に詳しい人は添削をお願いしたい。ちなみに、自分なりにヒヤリングした結果では、原曲の日本語の歌詞と同じ意味を使っているなと感じた。ただ、中国語だと日本語のような韻の踏み方がうまく使われていない気がする。

~おふろの数えうた(中国語の歌詞)~

第一個晚上 一個人進浴室裡洗澡的時候
我的好媽媽 你快來幫幫忙

第二個晚上 骯髒的衣服脫在籠子裡面
要自己一件件地 把它類別好

第三個晚上 手指頭塞住耳朵 鑽進了水中
屁股朝天 趴達趴達 像個潛水艇

第四個晚上 二條膝蓋沾滿了 一坨坨泥巴
擦過的傷口其實有一點疼痛

第五個晚上 我總是在浴缸裡 噗噗放大屁
水面上冒出泡泡 就像
大朋友

第六個晚上 冷冷的水蒸氣 矇矓了窗戶
畫上一個人模樣 像個宇宙人

第七個晚上 新買來的的洗髮精有七種顏色
洗得頭髮冒的泡泡 變成大星星

第八個晚上 跟爸爸二個人 跳進了水中
一轉眼浴池裡漲大洪水

第九個晚上 洗臉巾擰乾以後像跟油條
皺巴巴的肚臍眼 撇口不再笑

第十個晚上 從頭到腳洗得乾乾淨淨
穿上睡衣鑽進被窩
 BYE…睡個大懶覺




夢のFUTURE feat.KOTOMI
2007.08.01 release
Ki/oon/KSCL-1149
\1,223(with tax)

01. 夢のFUTURE feat. KOTOMI
02. おふろのかぞえうた(琉球電舞改編)feat. en-Ray
03. 夢のFUTURE feat. KOTOMI (instrumental)
04. おふろのかぞえうた(琉球電舞改編)feat. en-Ray(instrumental)

新年のご挨拶

2008年が始まりました。

去年は記事としてかなり散雑になってしまったようなので、今年はジャンルごとに整理したいと思ったりもした。他の人のブログを見ると、ジャンルごとに1つのサイトを作っていたりするので、そのほうが見る人にとってリピータが増えやすいのかもしれないからだ。趣味趣向が多種多様になっていた場合には、自分の好みのことが書いていない場合には、そのあと見向きをされないことが多いからだ。

といっても、たくさんのブログサイトを管理運営していくようなことは自分にはちょっと無理だと思う。最近はあまりブログを書く時間がないので、去年の後半は、ブログを書いたり書かなかったりと、かなり目立ってしまったので、今年はもっとゆとりをもってブログを作ってみたいと思う。

あとは、コメントをもらえるようなサイトにしていきたいので、コメントが書きやすいブログに書き直してみたいと思う。

いずれにしても今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

2007/12/31

高島屋でリラックマ展


年末に新宿・高島屋でリラックマ展が開催されていたので、ちょっと観に行ってみた。リラックマは最近ゲーセンを含めて、子供から大人の間で人気のあるキャラクターだ。タレパンダと同じ会社から出ているキャラクターなのだが、タレパンダより癒しを求めようとしているひとが多いのか、特に子供より大人に人気があるような気がする。

実際に高島屋の展示会にいったときには、子供連れの人たちが多いのかなと思っていたところ、年頃では20歳代から30歳代の大人がわんさか来ていた。子供はというと、訪問者の中では1%も満たなかったのではないだろうか?それほどリラックマは子供よりも大人に受けているキャラクターなのだと思う。

混んではいるだろうなと想像していたが、あんなに混んでいるとは思わなかった。たかがキャラクターなのに。これがディズニーとかスヌーピーなら分かる。ここ2年くらいで人気がでてきたキャラクターだというのに、この人気はなんなんだろうか?リラックマのキャラクター設定が自分に似ていると思っている人たちが多いからなのだろうか?それともあの愛くるしい顔に癒しを求めている人が多いからなのだろうか?なぞだ。

来ている大人たちはまるで子供のように、製品化されたリラックマのキャラクターグッヅをたくさん買い込んでいた。中には等身大のリラックマのぬいぐるみを受注生産で売っているというのもあり、こんなの誰が買うんだろうと疑問に思ったりもした。

リラックマのぬいぐるみと一緒に写真を撮るというのが2時ごろから始まったが、こんなの前の感覚だと、子供が好んで写真に写りたがるという光景を目にするものだが、リラックマに限って言うと、結婚適齢期なのに婚期を逃してしまっただろうというような女性がわんさか我が先にと群がっていたところに、なぜか可笑しさを感じてしまった。

それにしても、リラックマのキャラクターグッヅは、ぬいぐるみのほかに色々な製品として売られているものだと感心した。生活必需品からどうでもいいような製品まで、なんでもかんでもキャラクター化されている。需要があるから売られているのだろうと思うのだが、買った人たちはどのようにこれらのグッヅをつかっているのか見てみたい気がする。

ボスポラスハサン(トルコ料理)



新宿の伊勢丹を道路1つ挟んだ向こう側、つまり新宿3丁目界隈には、たくさんのレストランがある。もちろん、そこには末広亭という昔からの演芸場があるため、そこに来る芸人が食事をするところとして発展してきたという歴史があるが、いまではそのレストランの種類は和風だけに限らず、和洋折衷関係なくあるので、いずれの人の趣向にも合うものだろうと思う。

その中で前からちょっと気になっていたのが、トルコの国旗を道路に掲げている店だった。店の名前は「ボスポラス・ハサン(Bosphorus Hasan)」である。ビザンチン帝国時代から交通の要所だったボスポラス海峡にちなんだ名前なのだろう。しかし、トルコ料理というのもはどういうものだろうか?世界三大料理といわれるうちの1つになっているトルコ料理なのに、その実体を意外にも日本では知らない。あまりトルコが日本人にとっては馴染みがないところだからかもしれない。最近では、ケバブが街中の屋台や店として見られるようになったので、ちょっとだけトルコ料理の片鱗を見ることができるが、全体を知ることはなかなか難しい。そういう状態で、このようなちゃんとしたトルコ料理屋というのは良い勉強になる。

この店に入ると、店の中はトルコ色で満たされているのが分かる。トルコの現代音楽が店の中にかかっており、厨房は全員トルコ人、きっとその中の一人の嫁なんだろうというひとが、フロア-を仕切っている。しかし、かなり無愛想。日本人なのに日本人を毛嫌いしているように見える。そして、中国人のように注文したメニュを忘れるという欠点はあるが、まぁ、それはご愛嬌として笑っておこう。それと壁はトルコの名産である小さい絨毯が掲げられている。

さて料理はというと、「これぞトルコか!」というようなものではなかった。ヨーロッパ文化とインド文化の間に君臨しているためか、両方のいいところが混ざっているように思える。ここで食べたものは次のとおり。

・挽肉のトルコピザ
・マトンの野菜炒め
・鰯の葉っぱまき
・トルコ風紅茶

まずはピザだが、これはインド料理のナンのような形になっていて、そのナンのようなものは袋状になっており、そのなかに挽肉が詰められている。ちょうど提供される際には、もう1口サイズに切られている。味は想像しやすいものだと思うが、これといった変わった特徴は無い。

どちらかというと、鰯の葉っぱ巻きは冷菜の1つなのだが、このほうが味としては驚きがあった。トマトソースにヨーグルトソースが載っているのだが、それだけではなく、葉の中には挽肉が撒かれている。これが香草たっぷりの肉になっているので、これが不思議な味だった。中東っぽいという素人的な考えが浮かんでくるが、それだけ体験したことが無い味だといいたい。

マトンの野菜炒めは、ちょっとした鍋物として温まるものだと思う。肉がマトンなので少し臭みがあるのかなーとおもったのだが、トマトソースで煮ているので、全然その臭みがなくなっている。

最後にサービスとしてトルコ風の茶が出てくる。それがとても小さいコップに出てきて、とても熱いので、一体どうやって飲むんじゃいっとツッコミを入れたくなります。正式に飲むには、小さな角砂糖を入れて飲むらしいのだが、あまり入れたくないのでそのまま飲んだ。

実際にこのときに行ったのは昼頃だったのだが、別の日に夕ご飯として行ったときには、どうみてもトルコ人というような客がたくさんいた。こういう現地の人が来るような店は良い店なので、もっと開拓したい。

ボスポラスハサン : http://bosphorushasan.com/
住所:東京都新宿区新宿3-6-11第一玉屋ビル2F
電話:03-3354-7947
営業時間 : ランチ 11:30~15:00
         ディナー17:00~23:30

駒形どぜう

湯西川温泉の帰りに浅草駅で降りた際、昼ご飯兼夕ご飯として、前から行きたかった「駒形どぜう」に行ってみた。名前の通り、ドジョウ料理専門の店であるのは言うまでも無い。浅草生まれの母に言わせると、あんなものは、月島のもんじゃ焼きと同じで食い物じゃないとよく言っていたが、昔は貧乏人が酒のつまみやちょっとお腹を膨らせたいときに食べたものであろうが、いまではそのドジョウも隅田川では獲れなくなっているので、貴重なものだから、重宝されてしまっている。なんだか、こういう食べものって多くなったのではないだろうか!?

駒形どぜうの場所は、浅草寺から南に下って、駒形橋のところまでくればすぐに分かる。傍には玩具メーカーのBANDAIがあるので、そこまで行けば傍にあるというのが分かるだろう。現代的なBANDAIと古風な建物の駒形どぜうが傍にあるというのは、なんだか浅草らしい混在環境だなと実感する。

店の中に入ると、1階は大きな畳部屋が目に見えるだろう。実際には2階も同じような畳部屋なのだが、1階のほうが昔ながらの感じがすると思う。というのは、テーブルというものが無い。座る位置と同じ位置に料理が出されて、あぐらや正座をしながら食べるものだ。外人にとってはとても食べ難い姿勢だと思う。じゃ、二階はどうかというと、これも似たようなものだ。しかし、違いといえば、背は高くないがテーブルがあること。こちらもあぐらか正座を掻かないとテーブルの位置に合わない。

昼ご飯時や夕ご飯時だとすると、きっと観光客や普通の客で店の中は混んでいるものだとおもう。このときに店に入ったのは確か昼の3時半頃だったのだが、それでもそこそこ店には人がいて、酒を飲みながらドジョウを食べているようだ。オヤジの集団で食べている人たちは、だいたい酒が入って、大声でしゃべりながらという人たちだった。まぁ、こういう店なので若い女の人が来るような場所ではないのだろう。あとはおばさんたちの集団か家族連れというひとたちが多かった。

ここでは、調子を乗ってしまったのか、ここで選んだご飯は「駒形定食」。他にも定食はたくさんあったのだが、なぜか比較的量が多い物を選んでしまった。料理は以下のとおり。これで5950円。なかなか量が多くて、少し腹をすかしていくべきだろうと思う

『駒形定食のメニュ』

・お通し
・鯉のあらい
・どぜうなべ
・柳川
・とりつくね焼
・茶碗蒸し
・どぜう汁又はなめこ汁
・お新香
・ご飯(お茶漬け)
・果物

「鯉のあらい」は泥臭くなく、海の白身魚と同じようなものなのだ。昔は川魚として食べられたもので、これも食べものに貧相な内陸部の人たちが食べるものとして思われていた。いまでは、鯉のあらい程度でも高級食材の1つになっているところがなんとも笑える。皇居に住んでいるあの巨大な鯉を料理にしたら、どれだけたくさんの人たちが食べられるのだろうか?

「どぜうなべ」は薄い底の鍋にドジョウが乗っており、その上に刻まれた葱を自分の好みに合わせて載せて食べるというものだ。葱がシナシナになったときをトリガーに食べるのが良い。葱はこのときたくさん載せるのがいいとされている。ドジョウはもちろん生きたままではないのだが、ドジョウの形をみたら、その辺の女の子は気持ち悪いといって近づかない人も居るだろう。鍋が薄いのでドジョウが煮えるのに時間はあまりかからない。少し日本酒でもちびちび飲んでいれば、すぐにドジョウが食べられる時間が来る。

「柳川」はドジョウ鍋ににているが、上に溶き卵が掛かっているのが違う。卵が掛かっていると、その臭みがなくなるので食べやすいかもしれない。

「どぜう汁」は見た目としては、泥水?と思うようなものだ。しかし、具にドジョウが入っているという点で味付がある。しかし、単にドジョウが入っているだけの味噌汁かなと思っていると、「おぉ?!」と吃驚するから注意だ。どのような味付けかは・・・実際に食べてみて欲しい。文面にするほど文章力が無いのでここでは記載できないが、言うまでもなく変わった味がする汁だといえよう。

ここではドジョウ料理がメインだが、他にも酒のつまみになるようなものを提供しているので、飲兵衛にとってはなかなか酒肴が多くていいところだろう。

駒形どぜう : http://www.dozeu.com/
東京都台東区駒形1-7-12
TEL.03-3842-4001

湯西川温泉

クリスマスの時期はだいたいシンガポールや台湾に避寒のために渡航してしまうのがここ数年の例年行事になっていたのだが、今年は趣向を変えて、どこか鄙びた温泉宿でのんびりするのも良いかなと思っていた。そこで選んだのは、以前行ったときに、想像どおりの鄙びたさだったことが印象として残っていた湯西川温泉を選んだ。

湯西川温泉に行くには、東武鉄道で鬼怒川温泉まで行き、そこからバスに乗り換えていく場合でもいいし、鬼怒川温泉経由で湯西川温泉駅まで電車で行き、そこからバスで行くという方法がある。どちらも同じバスが通るので、どちらの駅を使ってもいいと思う。それにバスの本数が思ったより少ないので、事前に時間を調べてから行くべきだろう。鬼怒川温泉から乗ったほうが、始発なので、バスの中で席に困ることは無いはずだ。とはいっても、どんなに混んでもバスが満員になることはこの路線に限って言えば無いだろう。ちなみに、鬼怒川温泉から湯西川温泉まではバスでだいたい50分くらい。湯西川温泉駅からだと20分くらいだと思えばいいだろう。

しかし、このバス路線からの風景は、本当に姥捨て山に連れて行かれるような心境を思い起こさせるものだ。なぜなら、途中、バス停が結構たくさんあるのであるが、そこを利用する客はまず皆無である。それとなんでこんなところにバス停があるのか?というようなバス停もたくさんある。ほとんど途中で乗り降りする人が居ないので、バスはだいたい定時に到着する。バスからの風景として、途中ダムの地域を通るのであるが、ここは絶景だ。無味乾燥というか心を無にすることができる場所だと感じることができる。

さて、終点の湯西川温泉に近づくと民家がちらほら見えてくる。湯西川温泉の入り口あたりには小奇麗な新しそうな家がたくさん立っているが、これはどうやら道路工事のために立ち退きを迫られた人たちが代わりに建てた家のようである。工事による一時的な成金が増えた表れだろう。しかし田舎とはいえ、かなり大きな家ばかりだ。こういう田舎だと、土木工事くらいしかまともな職というのがないためなのだろう。田舎の人たちが「うちにも道路を作ってくれー」とか「新幹線をどうしても作れ-」と騒いでいるのは、まさしく土木工事による一時的な収入が欲しいために騒いでいるものであって、建設後のメンテナンスのことや利用方法なんていうのは誰も考えていないというのは一目瞭然だ。たまにこういう田舎に来ると、日本の経済の縮図を見ることができるので勉強になる。

湯西川温泉は関東のなかでも「平家落ち武者の集落」として有名な場所だ。だから、いまでも町の秘密の掟というのは結構たくさんあるようだ。基本的には敵方・源氏に見つかっては困るので、目立つものを掲げることは許されない。例えば、鯉のぼりなど。昔ながらの伝統・風習を守りつつ、現代までその流れを絶やさずに生活していることが体験でき、かつ都会の騒々しさから逸脱できる場所ではあるので、のんびり出来る場所としては打って付けの場所だ。近年、その交通の便と雰囲気がだんだん知られるようになってきたようで、徐々に観光客の数が増えてきたようである。一時期はどうしようもなく観光客がこないので、台湾人のような外国人観光客を相手にしか商売をしていなかったようである。

さて、今回利用した旅館は、湯西川温泉の中でも上流に位置し、源泉を有する「上屋敷・平の高房」というところを選んだ。源泉を有するというところに魅力があることと、ネット上で調べてみると、他に有名な旅館に比べて定評が高かったからである。ただ、ここ通常車で来る人が多いために、バス停からはめちゃくちゃ離れている。しかし、バスで来る客のために、バス停まで無料の送迎があるのでこれを利用するのも良い。バスに乗る前に、「何時のバスに乗るので、宜しくお願いします」と電話をしておけば、バスが到着する時間に合わせて、バス停で待っていてくれるので便利だから。

この旅館は、旅館という名前に似合わず、敷地面積・建物の広さといったら、かなり広い。それに創業はまだ30年程度だというにもかかわらず、内部は新しく建てたように、古めかしさは全然匂ってこない。建物の外壁もそうであるが、部屋の内装も古めかしく感じず、かつ露天風呂のところも問題ない。頻繁に改装工事を行っているのだろうというのが想像できる。

入り口を入り二階へ続く階段を上っていくと、広いロビーに出くわす。入り口正面には、那須与一が扇の的を撃とうとしている、屋島の戦いの風景が壁絵としてデカデカと掲げているので、その大きさで吃驚する。それとロビーも、なぜこんなに天井が高いのか?というくらい高いので、これも圧倒される。

各部屋は、平家の名将かまたは源平合戦にちなんだ名前が付けられている。泊まっている間で平家の武将になった気分になれる。しかし、部屋の中は至ってシンプル。最低限必要なものは全部揃っているので、カバン一つでフラットきても問題なし。ただのんびりするつもりでこないと、周りに何も無いし、出かけるにも町の中心地に行くにも不便なので、部屋の中から出ないことを前提にした過ごし方を想定していないと、退屈で仕方ないかもしれない。

お風呂は、部屋の中にはもちろんある。しかしこちらは循環湯なので、旅館の人も言っていたが、「利用しないほうがいいです」とのこと。他人に裸を見られたくない外国人が使うようなのだが、日本人はこんなところを使わないようにしよう。旅館の中には内風呂があり、こちらは良し。だいたい8人くらいが同時に入れるくらいの浴槽だ。露天も併設されているので、できれば露天のほうに入りたいものだ。露天のほうは天然なのであるが、中にあるほうは湯沸しになっているようである。その他に、一度建物を出る形式になるのだが、貸切の露天風呂と、共同露天風呂というのがある。お風呂巡りをしているだけで、この旅館の中では充分楽しめるだろう。貸切風呂のほうは、1時間おきに予約できるし、あまり利用者が居ないようなので、思い切って予約したほうがいい。事前に予約する必要はなく、旅館に到着し「今から行こうかな」と思ったときにフロントへ電話すれば良い。
料理は部屋だしではなく、全員大広間のところで食する。その際、グループごとに囲炉裏が用意されており、囲炉裏には串焼きされているものが刺さっているので、昔ながらの焼きものを楽しみながら食べることができる。もちろん、焼き物以外の料理も膳に詰まれているので、それを食べるのも良し。しかし、やっぱりこういう旅館にきた場合には、量の問題がある。どれも美味いので、「美味い美味い!」と食べていると、気付いたときには食べ過ぎて、満腹太郎になってしまう。オプションで、鹿肉や熊肉も食べられるので、挑戦したい人は食べてみるのがいいだろう。自分たちは、1日目は鹿肉で、2日目は熊肉を食べてみた。鹿肉は、以前オーロラを観に行ったときにトナカイの硬い肉を食べたのだが、それと同じように脂身が全く無いので、硬くて味気が無いなという感覚がやはりあった。熊肉のほうは、やっぱり食べている種類が豊富のせいか、肉がとてもジューシーで美味い。いろいろな雑穀をたべている動物ほど、肉は美味いといわれるが、熊ほどなんでも食べるものは居ないだろう。

そういえば、気になったのが、ロビーにあった雑誌類。ロビーで待っている間に読むようにと、いろいろな本が用意されているのだが、そのなかに「温泉学会」というのを発見。中を読むと、温泉に関するいろいろな論文が書かれていたりしていた。注目した記事としては「『天然』温泉の定義を探る」という記事だろう。記事の中で、湯の温度が適温である42度くらいで地上に吹き出るのはかなりの稀であり、通常はそれよりも湯温が高いか低いかのどちらかだ。したがって、温度が高い場合には水を増して温度調整をせねばならず、温度が低い場合には湯沸しして丁度良い温度にしないといけない。水増しをすることによって、温泉成分は変わってくるから、これを天然というべきなのだろうかというようなものである。秘湯を誇っている温泉だから、こういう学会にも参加しているのだろう。

のんびりしたい人には絶対お勧めの温泉地なのが、ここ湯西川温泉だ。公共輸送機関で移動できるところがなんとも良い。

ちなみに、このあたりの集落の人はもちろん平家の末裔の人たちなのだが、名前はそのまま「平」を名乗っているのではない、平家であることがばれたくないという昔からの風習があるために、「平」の漢字を変形させて、てっぺんの「一」の字をずらして「半」にし、人偏をつけて「伴」という苗字を使っているのが一般的らしい。ちなみに、湯西川温泉では「伴久」と名乗っている旅館がたくさんあるのだが、そのオーナーは全部「伴」さんである。旅館に置いてあった女将紹介本に書いてあった。なるほど、他にも平家であることを隠すために苗字を変えている家系は結構多くあるようだ。

バス時刻表 : http://www.asahibus.jp/html/time/yunishi_kinu.pdf
上屋敷 平の高房 : http://www.takafusa.jp/
温泉学会 : http://www.miki55.com/onsengakkai/

セルリアンタワー東急ホテル


渋谷にはろくなホテルが無いなーと昔から実は思っていたのであるが、実際にはそんなことがなかった。最近、渋谷に行く機会が全く減ってしまったので、単に渋谷の情報に疎くなっていただけだったようだ。渋谷といえば、東急資本の建物がたくさん乱立しているので有名な場所で、学生の時には、飲み会・遊びといえば、渋谷で遊んでいたところはある。ただ、通勤路でもなくなったし、用もないので、渋谷にはよほどではない限り、今ではいくことが無い。

通称「にーよんろく」と呼ばれている国道246号線は、主要幹線道路であることは言うまでも無い。その246沿いに今回紹介する東急セルリアンタワーホテルがある。駅からは立体高架橋を渡って、三軒茶屋方面に向かうと、歩いて5分ほどで見えてくる。このホテルのところだけなぜか小奇麗になっているので、あのごちゃごちゃした渋谷の小規模建物軍の中では目立つ存在だ。

クリスマス前にこのホテルに行ったときには、泊まるために行ったのではなく、茶を飲みに行っただけである。このときは、ロビーフロア-にある喫茶ラウンジで、イギリス式のお茶の時間を楽しんでみた。

高い天井は、広い空間をイメージするようで、ガラスの壁を通して外の日光が入ってくるのは明るくて良い。セルリアンタワー東急ホテル : http://www.ceruleantower-hotel.com/
ガーデンラウンジ・坐忘 : http://www.ceruleantower-hotel.com/restaurant/zabou.html?link_id=re_za02

高尾山


東京から一番近いハイキングコースとして名高いものになっているのは、高尾山である。東京の小学生は誰もが一度遠足として通う場所でもあるし、気軽にハイキングが楽しめて、いつ行っても訪問者の要求を満たしてくれる場所として充分担ってくれる場所である。交通の便もとてもよく、車で行く馬鹿は除いて、公共交通機関が発達している東京ならではの便のよさは抜群だ。京王線で高尾山口までいけばいいだけ。実際の山に登る場合には、登山道を歩いていく元気が有る人はそれを使えばいいし、そうではない人でもいけるように、ケーブルカーとリフトという2種類の交通輸送機関が用意されているので、これを使うととても便利である。

11月下旬に発売されたミシュラン・東京版にも何故か高尾山が掲載されているのだが、ミシュラン審査員を、どこかの日本人の馬鹿が連れて行って「おぉ、ファンタスティック!」と言わせたために、高尾山がミシュランに掲載されたのだとおもう。そうじゃなければ、あんなところがミシュランに載るわけが無い。まぁ、連れて行かれた場所だけを「素晴らしい」と選ぶ馬鹿なフランス人も馬鹿だとおもう。

さて、紅葉の時期の高尾山は、東京都内とやはり気温の違いがあるためか、だいたい都心部よりも1週間くらい遅くから紅葉が始まる。ちょうど11月下旬にある連休頃に行った場合には、これから紅葉が始まりますというのが素人でもわかるくらいの紅葉のつき方だった。

しかし、同じように紅葉の時期の高尾山を散策したいとおもっていた東京近郊在住の人たちが、老若男女とやってきていることが、京王線に乗って高尾山口に近づくと分かった。熱心なハイカーは、重装備のハイキング一式を持っているし、気軽に来ている人もカメラを持って歩いているからだ。最近はデジカメも一眼レフのカメラが人気があるようで、こんな人でも一眼レフかよーというような爺や婆が持っているのを見ると、お手軽になったものだと改めて感心する。フィルムカメラと異なり、気に入らなかったら取り直しすればいいというお手軽さが受けているのだろう。そして、なぜか、だいたい一眼レフのカメラを持っている連中に限って、「私はこんなにすごいカメラの装備を持っている」と自慢したがるように持ち運んでいるのが笑える。なぜこんなに他人に自慢をしたがる人たちが多いのだろうか?

高尾山口に到着したあと、ケーブルカーで中腹部にいこうとおもったのだが、これがまた超満員。普通の日ならほとんど人が乗らないのだろうと思われるケーブルカーも、こういうときには大盛況だ。ケーブルカーは山腹を斜面に沿って登っていくために、もともと車輌が斜めになっている。座っている場合にはあまり気付かないが、車内で立っていると、その斜面の角度がもろに響いてくるので、結構辛い。香港のケーブルカーより角度が急なので、あのケーブルカーをイメージしている人は泣きを見ることになる。

ケーブルカーを降りたら、そのまま高尾山山頂まで歩くことをお勧めする。途中、サル山があったり高尾山薬王院の神社があったりするので、山頂までの山道も全然苦には思わないだろう。ただ、紅葉の時期だと、夏の富士山登山か豊島園の夏のプールのように、登山客がわんさかいるので、その人混みだけで嫌になるのはどうしようもない。自分のペースで行進する事ができないで、前に歩いている人の歩調に合わせて移動しなくてはいけないのがとても嫌だ。さらに前に子供連れが歩いていたり、よぼよぼの爺や婆が無理して歩いている場合には、さらに遅くなる。

山頂付近は少し広場になっているので、そこで座り込んで周りの風景を楽しんでいる人も多く見受けられた。花見の季節だったら、きっと飲んだ暮れのおっさんたちの集団が、大きな敷物の上で騒いでいるんだろうなというのが容易に想像できる。写真を撮影するなら、このあたりの紅葉している木を写真に取るのが良いとおもわれる。緑葉樹と広葉樹が微妙な配置でミックスされて、色とりどりの葉を写す事が出来るからだ。
もう1つは薬王院の境内に続く階段をバックに撮るのが良いだろう。この階段傍に立っている樹木は、真っ赤に染まるので、寺ととても映えて写る。

横浜ローズホテル


今年の11月下旬の連休はいつもと趣向を変えて、横浜でのんびりしようかと思った。それまでは、ちょうど紅葉の時期だからということもあり、京都に行って紅葉を見たいとか、温泉地でのんびりするということも考えたのだが、紅葉の季節はもっと早くからじゃないと予約ができないので、いまさらホテルを予約しようにもどこも空いていなかったのである。近場に泊まってみるという贅沢な趣向というのは一度体験してみたいと思ったので、思いっきり選んでみたのが、よく行く中華街の近くにある「横浜ローズホテル」である。

場所が場所だけに、客としてこのホテルを利用している人は、中国語を話す台湾人、中国人、香港人が多いようで、日本人でも東京周辺に住んでいる人がこのホテルを利用すると言う事はあまりないようである。といっても、日本風のホテルに、欧米の資本が先だってまで入っていたこともあり、ヨーロッパのホテルにも劣らないもてなしと部屋の清潔さには驚いた。

泊まった部屋はツインルームで、ベッドは結構大きい。部屋の広さも充分だったし、バスルームもかなりいい。アメニティとして用意されていたのは、フランスのブランド「ロクシタン」のシャンプー・リンスとボディーシャンプーというのも、なかなかセンスがあって良い。部屋はケバケバしい色を使っているわけではないシックな色遣いなので、部屋にじっとしていても落ち着く。変なお泊りセットを持っていかないでも、全部このホテルの中で済まされるので、洗面道具も寝巻き類も持参する必要はない。部屋履き用にもちろんスリッパは容易されているので、財布1つ持っていけば十分楽しめるだろう。もちろん、個人的に化粧道具が必要な人は、それを持ってくるべし。

ホテル内にあるレストランは、中華街でも名店に入る重慶飯店が入っている。ここで食べるのも良いし、場所が中華街であるため、他の中華街の名店に行ってご飯を好きなだけ食べるのも良いだろう。自分たちは、このときは、あまりホテルから出歩くということをあまり頭に無かったため、ホテル内にある重慶飯店に行くことにした。ホテルの1階にある重慶飯店は、普通だったら中々敷居が高いように思うので、中華街で食べたいな-と思ったときにはまず選択の1つに入らないレストランだろうと思う。ホテルに泊まっているから、気が大きくなってこのレストランを選んだのだろう。実際に客層を見ていると、このホテルに泊まっている人たちはもちろんいるが、少人数の宴会として使っている人たちもいるし、家族で食べに来ている人も居る。カップルでこのレストランでご飯を食べている人は、若い人は皆無で、金持ってますよーというような紳士とそれに連れてこられた嫁または現地妻のような人が多かった。

ここで食べたのは次の料理。

・四川風麻婆豆腐
・青椒牛肉絲
・水餃子
・炒飯
・杏仁豆腐

定番といえば定番なのだが、これらを食べることにより、だいたいそのレストランの味というのが分かる。

麻婆豆腐は、名物料理であるようで、さすがに辛かった。花山椒が食欲をそそるくらい掛かっているが、これがまた辛さを倍増させる。多少の辛さには平気だと思っていた自分でも、ちょっとこれはてこずった。しかし、食べられない辛さではなく、またただ辛いだけの料理というわけでもなく、食べれば食べるほどまだ食べたくなるような辛さだったのは印象的だった。それまで麻婆豆腐は、ただ辛いだけの料理としてしか思っていなかったのに、なかなか奥が深い味わいだなと感じたのはこの時だった。

青椒牛肉絲は、これも見た目には全然辛そうに見えないのに、実は隠し味として辛い味付けがしてあり、麻婆豆腐と合い重なって、辛さが強く思えたのは言うまでも無い。味付としてはそれほど濃いわけじゃないので、四川料理全般に辛いと思われてはいるが、それをぶち破ってくれた気がした。

水餃子はお世辞でも美味いとはいえない。やはり四川料理に餃子は発達した地域ではないので美味いものに仕上がらなかったのは仕方ないだろう。餃子といえば、小麦の生産地域として発達した中国北部地方、特に黄河流域かもしくは旧満州地区の餃子じゃないと美味くないだろう。ここの水餃子は、なんとなく小麦の塊を食べているような感じだったので、餃子はもう頼みたくない。

炒飯はボリュームが多く、味はあっさり。メイン料理の四川料理が辛さの塊になっているところに比べると、舌の調整にはもってこいと思われる。炒飯は、あのぱらぱら感が一番の味の決め手なのだが、ここの炒飯は、本当にぱらぱらしている。食べるべき逸品だろう。

杏仁豆腐は及第点があげられない。神田小川町にある四川厨房の美味さに比べれば、劣るに劣っているといえよう。杏仁豆腐というより、これじゃ、フルーツポンチだねーといいたくなるようなものだった。どうして、杏仁豆腐で美味い店に中華料理のなかでは当たらないのかが本当に不思議である。

重慶飯店のお土産専門店は中華街には3軒ほどある。ここで中華のお菓子である月餅を買うのも良いし、マンゴーやライチなどの果物を使ったゼリーを買うのも良いだろう。一番大きい土産専門店は、中華街真ん中にある店だろう。ここはいつ行っても人がたくさんいるので、すぐ見つかるだろう。