2008/08/02

悠遊カード(台北)


台北に滞在していると、なにかと観光客にとってはMRTときっても切れない関係になるだろうと思う。台北に数日しか滞在せず、もう二度と来ないのであれば、通常の1回券で良いと思うのだが、何度も台北にやってきて、その度に切符をいちいち買うのは本当に面倒くさい。日本でも同じで、切符を買うより回数券や、SuicaやPasmoを使っている人は多いことと思う。


同じように台北でもプリペイド式の非接触ICカードは存在する。それが悠遊カードだ。だいたいがコンビニやMRTの駅で買うことができる。一般用としては、デポジット分プラス実質運賃で全部で500元で売られている。400元分の運賃が乗れるのだが、これが台北のMRTで使おうとした場合、かなりたくさん乗らないと使い切れない。それもそうで、1回あたりだいたい20元から30元の区間しか使わないと思うので、14~5回くらい乗らないといけないのだ。おまけに、このカードで乗ると、運賃が20%お得になるというメリットもあるため、20元区間なら16元で乗れる。そうすると、ますますカードを持っていたほうが便利だし、たくさん乗る機会があるひとは本当にお得だ。


MRTだけではなく、バスや一部のタクシーでも使うことができるので、使い方は全くSuicaやPasmoと同じである。台北の人であれば大体の人が1枚は持っている。これも日本でSuicaやPasmoを持っているのと同じ感覚だろう。台湾に何度も行くようになったので、いまではこのカードを持つようにしている。いちいち、細かいお金を持っている必要が無いので、便利だ。


最近、東アジアの非接触カードを共通化にしようという動きがある。しかし、日本全体でも、地域ごとにしかカードが使えない状態なのに、いつになったら東アジア共通のものになるのかどうかは分からないし、きっと香港や中国の勢力のほうが強いと思うので、共通システムにした場合には、香港式になるのが高いと思う。そのときには、今のSuicaや携帯の電子マネーの機能は一体どうなるのかは見守っていきたい。


悠遊カード公式サイト

極品軒(台北)

一度行った事があって、もう一度食べてみたいとおもったところがある。上海料理の店である「極品軒」だ。228平和公園の傍にある店で、ここの豚の角煮(東坡肉)はかなり美味い。この味をまた堪能したいと思ったから行きたいと思ったのだ。

台大医院駅から228公園を横切り、そのまま衡陽路を西門町のほうへ向かって歩いていくと、左手にこの店が存在する。周りにあるほかの店とは、少し雰囲気が異なり、少し大人の雰囲気がするところなので、店内に入りにくいかなと思ったのだが、そうでもない。

台北ナビにも書かれているのだが、ここの店はどの料理もすべて美味いから、どれがお勧めかといわれるととても困る。しかし、角煮を使ったハンバーガーは絶対美味いので、これを抜きにこの店では避けられないだろう。

ここで食べたのは次のとおり。

・小籠湯包
・東坡肉のハンバーガー
・葱開煨麺(葱ラーメン)
・砂鍋三鮮(海産物の鍋)
最後にサービスのデザートが出てきた。これはココナッツ風味のウイロウという感じだった。 極品軒
住所 : 台北市衡陽路18号
電話番号 : (02)2388-5880~2

24時間レストラン(台北)

台北には香港式の飲茶専門店が結構多い。その中でも最近人気になっているのが24時間営業中のレストランだ。台湾にはファミレスが全然無いのだが、その置き換わりになるのがこのような24時間レストランなのだろうと思う。いつでもどこでも食べられるという、台湾人のニーズにもってこいの店舗経営を興すことによって成長したのだろう。

今回はエバーグリーンホテルから歩いていける場所の24時間レストランに言ってみることにした。場所としてはかなり不便であるが、現在地下鉄建設中であるため、この地下鉄が開通したらかなり便利になるのだと思われる。民権東路にある「讃星港式飲茶(Diamond Star Hong Kong Style 24hr Restaurant)」だ。

夜の10時ごろに出かけたのだが、それでも店内には何人か客がおり、日本の感覚だと、この時間ではもう飲兵衛の時間だろうと思うのだが、それでも台湾人は食べる食べる。店内はお世辞でも清潔感たっぷりというのには少しほど遠いのだが、それでも中で働いているおばちゃんは、せっせと働いている。日本語ができるおばちゃんはいなくて、ちょっとだけ日本語ならOKというひとが居たため、その人に頼むことをした。

今回注文をした料理は次のとおりである。

・菜っ葉のXO醤炒め

・しいたけのスープ

・蝦の辛味炒め鍋

・福建炒飯

菜っ葉はめちゃくちゃ大きく、これぞ野菜を食べているという感じだ。でも、レタスの切り身を食べているのとは違って、ちょっと自分がヤギや牛になったような感覚になる。つまり、葉の茎の部分が食べごたいがあるのだ。蝦の炒め鍋は、これは絶品。殻をむくのが面倒くさいという難点はあったが、飽きない味付である。四川風とは違うので、激辛というわけではないビリっとしたものだ。福建炒飯は、シンガポール辺りで食べるのとはなんとなく違う気がした。台湾風に味付を変えているのだろうか。

いずれにしても、忠孝店も含めて、屋台ではない24時間レストランが台北に増えているのは確かだ。日本のデニーズやロイヤルホストが進出するような余地はなさそうである。

2008/07/28

鶯歌陶器博物館

台北近郊に陶器の街として名の知れた鶯歌(イング)という街がある。各駅電車で高雄方面へ5つほど乗れば到着できるので、台北からは約40分くらいで到着することができる。近郊電車の本数は結構頻繁に走っているので電車を1本乗り過ごしても、全然問題なし。片道料金は39台湾元。ちょっとした旅をしたいというのであれば、距離として十分だ。

だが、行ってみてびっくりしたのが2つある。1つは、とにかく暑かった。2つめは、意外に観光客が居たということだろう。

鶯歌の駅を下りた後に、台湾の国旗である青天白日旗のイメージどおり、真っ青の空に眩しい太陽の光に、一瞬怯んでしまった。灼熱の炎天下に長く居ると、きっと脳天が腐ってきてしまいそうだ。鶯歌駅からこのときの訪問先メイン会場である陶器博物館までの間は、歩いて15分くらいの場所なのであるが、この15分が地獄のようにきつく感じたのは、この暑さと日射のせいだろう。博物館までの道は、駅前の道を下って、幹線道路に出たら、あとは道沿いに歩いていくだけ。道中、屋根のある場所がほとんどないので、陽を避けたいということがなかなかできないのだ。

陶器の街にある陶器博物館なので、どういうものが飾られているのか全く想像できなかった。台北には古今の偉大なる遺産が故宮博物院というところに展示されているわけだから、そこに展示できなかった陶器が飾っているだけなのかいなとおもっていたが、ちょっと様子が違った。鶯歌が陶器の町として発展した歴史と、清朝から日本統治時代を経て中華民国統治になった現代までに、陶器がどのように身の回りの生活や驚くようなところで使われているのかというのを紹介しているのが1つの要素。それと、近代陶器職人による陶器の作品展示館といったところだ。

故宮に飾るほど歴史的には古いものではないが、展示するのに値する名器が惜しげも無く飾られているのはすばらしい。もちろん、直接触れることは出来ない。それと、一般生活用の陶器を日本統治時代に敷設した線路を利用して各地の都市に運搬したという歴史を再現した、車輌とそこに積載された陶器食器群は、なかなか凝った展示だとおもった。近代作家の作品は、普通の皿や壷という概念を全く捨ててしまって、単に土を使って形作った作品という感じに見える。特にちょっと触ったら壊れてしまいそうなような作品がたくさん展示されており、運ぶときや実際に窯で焼いたときには壊さないように、どのように窯の中に入れたのか、または乾燥させたのかというのがとても気になる。特に薄い生地にした場合には、乾燥状態のときにひび割れが生じて、それで作品がだめになるとおもわれるからだ。作品の中で笑ったのは、無数のカプセルから構成される1つのカプセルというコンセプトだろう。博物館をあとにして、ご飯でも食べようと出かけたのだが、どこで食べたら良いのか全く分からなかった。しかし、お土産屋が多い通りに出てはみたのだが、これが上からと下からの光の反射で、暑いの何の。サテンでも探そうと思ったのだが、全然それらしいものが見つからない。台湾人らしい人達がたくさんいたのだが、このひとたちは暑くないのだろうか?と本気に思ってしまった。

長栄桂冠酒店


台北で2泊したあとは、少し離れた場所にある長栄桂冠酒店に移動し、そこで2泊することにする。このホテルは、エバー航空のグループが行っているホテルであるため、全体的にゴージャスにできている。ただし、難点が1つあって、どの地下鉄の駅からも遠いのだ。一番近い地下鉄の駅が、青線の忠孝新生駅にあたるが、その駅からも徒歩で10分くらいかかる。駅からホテルに向かう間に、翡翠市の場所を通るが、それ以外は炎天下の中を歩かなくてはいけないので、これが意外にしんどい。どこに行くにもタクシーを使うから関係ないというひとであれば、このホテルはお勧めだが、ケチって地下鉄で移動したいというのであれば、この場所は円山ホテルと同じくらい不便だと思う。


さて部屋の中はどうかというと、スイートルームにしたつもりだったのに、なぜかスイートになっていなかったのだが、もしかしたら、最初からスイートじゃない部屋を申し込んでいたのかもしれない。旅旅台湾経由で申し込みをしたのだが、特別キャンペーン価格で泊まったわりにはいい部屋だったと思う。別にスイートじゃないのだが、文句はつけようが無い。ベッドは広いし、ソファーもあるし、使わないが無料ネット環境もあるし、アメニティも豊富だった。バスルームも、ジェットバスがついているので、バスアメニティがあればのんびり出来ると思う。ただ、1つだけ文句を言いたいところがあるとすれば、洗面台がなぜか金色になっているのが、成金趣味っぽくて嫌だった。ただ、洗面台が2つもあるのがいい。



壁掛け液晶テレビはおそらく42インチくらいなのだと思うが、壁が広すぎてその大きさが大きく見えないのが不思議だ。あと、DVDプレイヤーがデフォルトでついているので、台湾で音楽・DVDを買ってきた場合に、部屋の中で見られるのが嬉しい。しかし、自分のように台湾に来たらDVDを買う人には良いと思うが、買わない人にとっては全く意味なしのAV機器だと思う。


taipei eye

台湾で行った事が無い場所の1つに、台北で京劇を見るということをしたことが無いことに気付く。台北で京劇というのはなんだか変な話だなという気がする人も多いと思うのだが、実は台北で京劇の文化を残そうとする動きは日本統治時代から行われていたようである。そもそも京劇という名前のとおり、北京近郊で行われていた芝居劇のことを京劇というもので、清朝の保護のもと、もともとは湖北省の劇団が呉語で行われていたところ、その独特の声の出し方が人気を博して、北京でも大流行し、上海辺りで喋られていた呉語から北京語に移って今の京劇ができたようだ。
Taipei EYEは、中山北路沿いにあり、国賓飯店に頻繁に泊まっていたが一回も行った事が無かった。金曜と土曜の夜8時からだけ上演されており、おもに観光客相手に上演されている。だいたい地元の人達が見に来ているというのではなく、日本人団体観光客や西洋人が見にきているようだ。どれだけの席数があり、どれだけのひとが来客としてくるのかわからないから、早めにチケットを買うことにした。当日でも切符は余裕で買えるので、前もって買う必要は無い。席も基本的には自由席であるため、早く切符を買う必要も無いだろう。ただし、上演されるのが2階のフロアであるため、エレベータに乗る前に切符は買わないといけないし、例え自由席でもいい席を取ろうとした場合には、やはり早めに行ったほうが良いだろう。でも、焦る必要は無い。それにスタッフの人たちも基本的には日本語が話せる人たちなので、全く問題なく切符や芝居を見ることが出来るだろう。
芝居が始まる前には、京劇の演者たちが化粧をしているのを見ることが出来る。もちろん中国ギターを弾いてムードを盛り上げているところでである。一緒に写真をこのときにとてもらうことができるし、茶目っ気たっぷりの演者たちは、カメラを向けるとカメラ目線でにっこりとしてくれるのが嬉しい。SMAPの中居みたいな気持ち悪く、全くのつくり顔というのがわかるようなスマイルではなく、写真馴れしているというか、どんな客にでも愛想よく振り撒いてくれるところがなんだか嬉しい。
それにしても自分たちで化粧をしているとしても、その化粧箱をちょっと横目でみたのだが、結構いろいろな道具を使っているのだなと知る。歌舞伎役者もおそらく同じようなメイク道具を使っているのだろう。
この日の演目は、2部構成になっており、1部目はアミ族の原住民の踊りで、2部目は京劇の定番演目である「金山寺」だった。

アミ族の踊りだが、おばさんたちの踊りも見事だが、若い男の子たちの踊りが見所だ。元気一杯にステージ一杯に踊るので迫力とスピード感がある。途中でタイヤル族の結婚の儀の際には、一般客が花婿・花嫁の役をやらされて、一緒になって踊っていた。一番最後には、大勢の一般客が一緒になって彼らの踊りの輪の中に入る。原住民系の子の顔立ちは、典型的な顔もあれば、もう漢民族と融合してしまって、顔つきが漢民族の顔の子もいる。またデブの原住民というのは、あまり見たくないのだが、やはり飽食の時代なのでデブの子も混ざっているのが痛々しい。なぜなら踊っているとき、汗だくになっていたからだ。
2部目の「金山寺」は中国でのおとぎ話である「白蛇伝」の話の一部にあたる。カンフー顔負けのアクロバットなパフォーマンスは見所十分。舞台右側には、セリフの日本語字幕が出ているので、何を喋っているのか分からなくても、それを観ればよくわかる。甲高い発声の京劇は、中国楽器によるメロディとその節にのるセリフも1つの聞くべき要素だと思うが、字幕を目で追うよりも、やっぱり演技をしているひとたちの踊りやパフォーマンスをみているだけでもいいと思う。最近の香港映画では、ワイヤーアクションばかりで飽き飽きしてくるが、この京劇で演じられるものはワイヤーなんか全く使っておらず、武器としての棒ももちろんワイヤーなし。複数の人たちで棒を互いに投げ合い、戦いのシーンではその棒を手や足で跳ね返す技のところは必見だった。

京劇を見たのは実は2回目で、1回目は上海にいったときにみたのだが、何を言っているのか何の芝居なのか全然理解しないで見ていたので、途中で飽きてしまった。歌舞伎も同じだと思うが、話を知ってみているほうが理解しやすいというもの。そして、今回の京劇は見入ってしまったので、カメラで撮影でもしようかとおもっていたのだが、すっかり忘れてしまった。

また台北にきたときには、違う演目も見られると思うので、来るたびに見てみたいと思う。

Taipei Eye (台北戯棚)