2007/03/03

ウゴウゴルーガ記念DVD



フジテレビジョンは1日、子供向けのバラエティー番組で、1992年10月から1年半放送された「ウゴウゴルーガ」のDVDボックスを10月5日に発売すると発表した。

 無邪気な子供たちがCG(コンピューターグラフィクス)で描かれたキャラクターたちと掛け合いをする内容が話題となり、子供だけでなく若者層からも支持された人気番組。全放送の中からえりすぐった名場面を8枚のDVDに収録し、映像特典を入れた1枚を付けた9枚組でリリースする。完全予約限定生産で予約締切は5月31日。価格は税込み2万9400円で、販売はメディアファクトリー。

 1日に東京・お台場のフジテレビで行われた会見には、放送開始当時は小学3年生だった「ウゴウゴくん」と「ルーガちゃん」が15年たった姿で登場。「ルーガちゃん」の小出由華さんは、ミュージカルの舞台やバラエティー番組で活躍中だが、田嶋秀任さんは「自分探しの旅の途中」と芸能界からは半ば引退状態。それでも、当時のスタッフやCGキャラクターたちに囲まれると、2人で息のあった掛け合いを見せていた。DVDの特典映像には、現在の「ウゴウゴくん」「ルーがちゃん」による「ウゴウゴルーガ2007」が収録される予定。

 「ウゴウゴルーガ」は93年当時はまだ珍しかったCGが多用された点が特徴だった。テレビの形をした「テレビくん」や画家のような外見の「シュールくん」といったキャラクターは、メディアアーティストとして活躍している岩井俊雄氏が制作を担当。秋元きつね氏、田中秀幸氏といったデザインやアートの分野で活躍するクリエーターもかかわっていた。

ルーガちゃんの blog : http://blog.goo.ne.jp/lhuga/
NTTレゾナントのX-Store : 予約はこちら

iチャネル


NTTドコモの最近の機種(最新の機種ではない)には、情報配信サービス「iチャネル」のボタンがデフォルトで付いている。そして、「iチャネル」って一体何?という人たち用に、端末を購入したら1週間だけ無料でどのようなものか見られるサービスがくっ付いているのがミソだ。そもそもiチャネルはニュースや天気予報などの情報を1日数回自動で配信し、待ち受け画面にテロップ形式で流すサービスであり、見出しのみの受信は通信料はかからないが、より詳しい情報を得るには別途データ通信料がかかるというもの。新幹線に乗ると、車輌の入り口情報に「毎日新聞ニュース」とか「読売新聞ニュース」とかのテロップをご覧になった人が多いと思うが、あれと同じようなものを携帯にデフォルトで載せようとしたものである。


ちょっとしたニュースや天気予報などの知りたい情報をテロップで流されるのは便利だとは思われるが、実はそう思うのは最初だけ。時間が経過すればするほど「邪魔」と思うサービスなのだ。そのような客側の心理を知ってか知らずか、携帯電話を購入したら勝手にサービスが開始されるというのが曲者だ。最初の1週間だけ無料なので、ふむふむと楽しんでいると、そのうち「無料サービスが終わりました。正式に契約してください」というのが出てくる。何にも知らない人は、特に料金表示や詳しい説明が出てこないので、「あれ?出てこなくなっちゃった」と思わせて、契約させるという魂胆になっている。いちおう、ユーザ側が操作をすることで契約させたことにしているので、自動的に契約させたことではないから、法的にはひっかからない。しかし、心理的には、無意味な壷を買ってしまった新興宗教とやっていることは似ている。


そんなiチャネルだが、なんと契約数があまりにも最近多くなってきたために、当初の目標契約者数の600万から1000万に事業計画を変更したというニュースが入ってきた。携帯電話で話をしている人が少なくなったので、従量制課金の取れるところが少なくなってきたことは確かだ。その埋め合わせとして、データ通信による従量制課金分野を開拓したいと始めたのがiモードであり、メールサービスであった。その上に、携帯は持っているけど、ウェブを見たり携帯でネットの情報を見るようなことを「しない」人は意外に多い。そのユーザさえも、取り込んでしまおうと思って始めたのが、iチャネルである。普通の携帯向けサイトとは違い、ドコモが自社で行っているサービスであるために、月額契約金額が1ヶ月150円というのは安いと思い、それで利用している人は多い。ドコモ側としては、安くすることで、ユーザの加入の敷居を低く抑え、それで囲い込みをしようとするものだ。6000万加入のあるドコモにとって、全員がこのサービスに加入して貰えれば、単純計算で1箇月90億円の売上になるのは大きい。


iチャネルのもう1つの心理的な要因として、最新情報がテロップで流れるため、自分が携帯で見たいと思っていた情報が、すでにテロップ情報として流れず、見逃したということを使った面がある。テロップ情報は定期的にネットから自動的にダウンロードするために、ある程度時間が経過するとテロップ情報が変化するのだ。それで情報を見逃したり、現在流れているテロップの詳細情報を知りたいと人間は思う。そうすると、そこから先には無料の領域ではなく、データ通信の従量制課金の領域に踏み込むため、おかげでまたドコモ側が儲かるという仕組みになっているのだ。ウェブの情報は見ないが、iチャネルで遊んでいると知らない間に結構パケット料を取られていたという人が多いのはうなずける。

ワンワールド運賃

「ワンワールド・サークルアジア&南西太平洋・エクスプローラー運賃」「ワンワールド・YOKOSOジャパン・パス」を設定!

 JALとワンワールドはこの度、新運賃「ワンワールド・サークルアジア&南西太平洋・エクスプローラー運賃」と「oneworld Yokoso/Visit Japan Pass (ワンワールド・YOKOSOジャパン・パス)」を設定することと致しました。JALの加盟でさらに拡充されたネットワークにより日本やアジア・南西太平洋地区へご旅行のお客様の利便性向上を図ります。

 「ワンワールド・サークルアジア&南西太平洋・エクスプローラー運賃」は、北東アジア・東南アジア・南西太平洋の3地区間にまたがるご旅行がとてもお得にお楽しみいただける全クラス(ファースト・ビジネス・エコノミークラス)の特別運賃です。最大8区間まで、1年を上限とするご旅程にご利用いただけます。

旅程(例) 東京→上海→シドニー→バリ→香港→東京

 また、ご旅行の目的地域内でご利用いただきやすいワンワールドの「ビジット・パス」のラインアップに「ワンワールド・YOKOSOジャパン・パス」を設定いたしました。ワンワールド航空会社をご利用して訪日される海外在住のお客さまを対象としたこの運賃では、JALグループの国内線ネットワーク(*1)を最大5区間まで、最初の日本国内便利用日から2ヶ月間、1区間どこでも1万円の運賃でご利用いただけます。(*2)
  1. 日本航空(JAL)、日本トランスオーシャン航空(JTA)、JALエクスプレス(JEX) 便が対象となります。
  2. JALでは従来設定しておりました「YOKOSO ジャパン・エアパス」は廃止し、「ワンワールド・YOKOSOジャパン・パス」へ代えさせていただきます。

 上記運賃は2007年4月1日予約・発券分より、各国政府の認可を条件にワンワールド加盟航空会社よりご購入いただけます。


 なお、既にワンワールドにて設定しております「ワンワールド・エクスプローラー・世界一周運賃」等のワンワールド周回運賃も2007年4月1日以降のJAL、ロイヤルヨルダン航空、マレブ・ハンガリー航空の加盟でご旅行の選択性が大きく広がります。JALでは2007年4月1日加盟よりこれらの運賃の予約・販売を開始してまいります。

台湾新幹線が全線開通


台湾新幹線が「ようやく」全面開通した。問題だらけで、まともに開通するのかと言われていた新幹線が開通したのは喜ばしい。しかし、まだまだ台湾人にとっては、あまり信用におけない乗り物と思われているようだ。ただ、新幹線という珍しい乗り物に、富士急ハイランドのHAYABUSAに乗る心境と同じように、恐いもの見たさで乗っているというのが現状のようだ。日本人にとっては日本の新幹線ほど、時間に正確で安全で安心できる乗るものは無いのだが、台湾人にとっての台湾新幹線はまだまだ信用を得るのに時間がかかるらしい。


1月に開業したときには、台北から15分ほど南に下った板橋駅からの開業だったのだが、ようやく台北までの乗り入れが完成して、高雄の隣にある左英駅までの全線約345キロが開業した。台北駅の改良工事は既に昨年内に完成しており、巨大な台北駅のところの一部だけが、異様に綺麗な改札口と切符売り場があり、それが工事中の柵で囲まれている姿が結構面白いな-と思っていたのだが、いよいよあの改札口と切符売り場が活動開始したのだとニュースを見て思った。


以前は特急列車の自強号でも5時間30分もかかっていた高雄までの移動だが、この新幹線を利用して台北から高雄へ移動するのに、たったの1時間40分で移動できる。新幹線が出来る前までは、長距離バスと電車の競合があり、時間的には同じくらい時間がかかっていたため、バスのほうは豪華さや個別テレビ付きとか装飾が凄いというのを売りに競争していたが、これで完璧にバスのほうが出遅れたと思う。単に値段が安いだけしか売りがなくなってしまった。代わってライバルになったのが飛行機だ。台北の松山空港から高雄空港までは約1時間だし、飛行機は空港に着いたらすぐに乗れるというわけじゃないので、時間的にも完璧にライバルになった。値段も新幹線の場合1490台湾ドルで、飛行機の正規運賃が2200台湾元(参考:60歳以上と12歳以下の運賃は1100元。従軍している人は2090元)だから、飛行機のほうが分が悪い。幸い、日本の新幹線のように過密スケジュールで運行しているわけじゃないので、新幹線より速さと便利さを追求する人たちにとってはまだまだ飛行機のほうが便利なようだ。台北の松山空港が街中に存在するので、街中に移動する際には便利だからというのも1つの理由だろう。


使いようによっては、台湾南部へ日帰りで旅行ができることが可能になった。言い換えれば、高雄のような南部の人たちでも日帰りで台北に来れるようになった。ということは、日本の地方都市が過疎化したのと同じように、台湾南部の経済が下降することを意味する。なぜかというと、地元で遊ばず、もっと都会にでて遊んでしまうので、地元に金が落ちないからである。台湾人にとってはやはり台北は憧れの都市。今までなら1泊しないと台北で遊べなかったのに日帰りで遊べるようになるのは嬉しいことだ。現在台湾新幹線の運賃は正規になったが、先日までの「お試し期間」のときには半額で運用していた。このときの客層と客の動きを見ていると、先述の内容を前兆が見えた。特に、新幹線の途中沿線都市は、さらに客が下りないために経済効果が下がることだろう。台南や嘉義や台中で降りて遊ぼうという人は元来台湾には居ないからである。みんな台北に行きたがる。この基本構造を知っていれば、台湾新幹線の今後がわかるような気がする。

2007/02/28

普洱市


プーアル茶の産地「雲南省・思茅市」が、2007年4月8日から「プーアル市」になることが、正式決定した。

健康にいい成分をたくさん含むプーアル茶は、ダイエットや便秘解消に効果があると言われ、中国女性に大人気のお茶だ。日本でももちろん人気があり、特に油料理をメインとする中華料理のレストランでは定番のお茶となっている。ところが、すべての中華料理の店で提供されるとは限らない。それはプーアル茶の値段がとても高いからであるというのが理由だろう。安い茶葉を使っていれば良いだろうというような甘い考えで提供できるようなものではないからだ。それだけ、儲かっているようなレストランか、または正統派の中華料理レストランの店でなければ提供できない状態だ。言い換えれば、プーアル茶を普通に「お茶」と頼んだら出てくる店は、良い店だと思って良いだろう。しかし、プーアル茶はどの味に独特な風味があるので、好き嫌いが出てくるお茶だと思う。プーアルの製造方法にも関係するのだが、焙煎発酵の年数を上げていけば上げていくほど、お茶の風味は増し、お茶というか、乏しい語彙で表現すると土のような風味に感じるお茶である。しかし、普通の緑茶と違って、プーアル茶は、茶葉がとても長持ちして何杯も飲めるお茶だといえよう。それだけ風味が茶葉に詰まっているお茶なのだ。


さて、プーアル茶の雑学はこの辺にして、話は町のことに戻るとしよう。ニュースによると、今回の街の改名の由来は次の2つの理由から起こったようである。

  1. その昔プーアル茶は、プーアール山一帯が有名産地だったという。だがその後、品質が悪くなったために生産が止まり、その後思茅市へと受け継がれていった。だから、今でも「世界茶源 中国茶城 普洱茶都」と名乗っていること


  2. プーアル茶産業の拡大のため。現在思茅市の約半分の人口が、プーアル茶産業に従事している。プーアル茶は、市民のふところに大きな影響を与える、とても大切な産業だといえるだろう。


従って、プーアルの名前を世界的に大々的に宣伝することで、プーアル茶の普及に努めたいというのがねらいだそうだ。金儲けのためならなんでもするという中国的な発想の表れだ。




確かに昔から雲南地域とチベットの間では、茶馬古道と呼ばれる道を通って、馬に大量のプーアル茶を詰め込んで運んでいた歴史がある。茶葉商人がチベットやインドに運んでいったことで、チベットやインド地域に茶を飲む習慣が生まれ、その延長でインドで茶の栽培が始まり、植民地の宗主国であるイギリスに茶が運ばれていったという起源がここ雲南省なのだ。茶馬古道の沿道には、世界遺産にも指定されることになった麗江市もここに該当する。

日本から雲南省の省都である昆明と直行便がある。昆明へは中国の内陸部へ行くためにはいい中継地点でもあるとおもわれるので、中国のよき昔の風景を楽しみたいという場合には是非行くべきだと思う。

最も美しいコンドーム装着器


南アフリカのケープタウンで開催されたデザイン博覧会で、コンドームの装着を容易にした器具に「最も美しいオブジェクト」賞が与えられた。 同賞にはこのほか、超近代的なプレハブ住宅など14作品が候補に挙がっていた。 受賞作品の考案者Roelf Mulder氏は、同器具を使うことで3秒以内にコンドームを装着できるようになるとしている。 また、デザインに6年を費やしたという同器具により、人口の10%以上がHIVウィルスに感染している南アフリカなどで性感染症予防に貢献できると話している。


ちなみに、このコンドーム装着器は、実際に売られていて、南アフリカの会社であるPronto Condoms社から発売されている。この会社のサイトにいってみると、この装着器の「使用方法」も書いてあるので、実際にどうやってつかうのかな?と思っている人は是非ご覧あれ。

Cable to Russia

通信ケーブルとは、普段の生活ではなかなか感じることができないものであるが、実は海外との通信を行う上では、非情に重要なものであると分かっている人は非常に少ない。昔は、海外への通信というと電話通信しか頭に浮かばないのが当然だっただろうが、今では電話通信よりデータ通信強いて言えば、インターネットによってPCの前に座っていながら、各国の情報をゲットできているのは、まさしくこのケーブルのおかげである。日本とアメリカの間は、已然から太い回線で結ばれていたし、需要も多かったので知られていただろうが、大陸経由の通話路は実はあまり知られることが無かった。先日、台湾で地震が起こったときに、中国大陸と台湾間を結ぶ海底ケーブルが切断されたことにより台湾がネット上の孤島になったのは記憶に新しい。じゃ、ロシアの場合は?というと、これまでロシアの需要が思ったほど必要だと思われていなかったので、大したことが無いとおもわれていたが、これからロシアは中国以上に重要な拠点になるために、通信量も大幅にあがっていくことが考えられる。いまは、アメリカ経由での通話路でなんとかできているところ、これ以上通信トラフィックがあがっていくと、ロシアへの直接ケーブルがあったほうがいいに決まっている。今回のニュースはそんな需要から敷設されることになったのだろうが、どうも、昨今のシベリア石油利権と同じように、ケーブル敷設は日本の金で行って、その後はロシアの会社のものに勝手になりそうな気がしてきた。意外に世界ではぼーっとしている日本人はせっかく手に入れた利権は中国人なみに、しがみ付いてでも持っておく必要があると思う。今後のロシアへのトラフィックも含めて注目の地域だ。


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 NTTコミュニケーションズとロシア大手通信事業者のトランステレコム社(Closed Joint Stock Company TrasTeleCom 略称:Trans TeleCom)は、本日、日本~ロシア間光海底ケーブル(「北海道-サハリン・ケーブル・システム:Hokkaido-Sakhalin Cable System」略称:HSCS)を共同で建設する計画に合意し、両社間で覚書(MoU)を締結しました。


 HSCSは、NTT ComとTransTeleComが共同で新たに敷設するもので、北海道石狩市とサハリン州(樺太)ネベルスク市間約500kmを結ぶ、最大640ギガビット/秒の大容量光海底ケーブルです。完成時期は、2007年末を目途としています。


 HSCSは、TransTeleComが保有するシベリア鉄道沿いの約50,000kmにわたる光ファイバーバックボーンと接続し、日本とロシア・欧州を結ぶ最短ルートとして提供します。これにより、日本・アジアからロシア・欧州向けインターネットバックボーントラヒックを最短ルートで疎通させるとともに、データ通信サービスを利用する多国籍企業のニーズに応えます。さらに、既存インド洋経由ルートに加え、通信ルートの多様化を図ることで、地震などの災害時でもグローバルに迂回するネットワークの構築を目指します。



TransTeleComについて TransTeleCom(本社:モスクワ、社長:Sergey Lipatov)はロシア国有鉄道100%出資の子会社で、ロシアに総延長50,000kmにわたるバックボーンケーブルを保有し、高品質な国際通信サービスを提供する、ロシア新規通信事業者の中で最大手の会社です。同社の光ファイバー網を利用して、ロシアでの音声通信、IP、データ通信を提供しています。TransTeleComのより詳しい内容については、http://www.transtk.ru/www/nsf/esite.nsf/をご覧ください。 なおNTT ComとTransTeleComの間では、平成18年10月に国際データ通信に関する包括的協業について合意しています。http://www.ntt.com/release/2006NEWS/0010/1023_2.html

2007/02/27

マカオ

昨今何かと話題になっているマカオ。これまでは隣接した香港のほうにスポットが浴びて、同じ西洋の国の植民地だったマカオは、常に二番手であり、あまり相手にされなかったような気がする。強いて言えば、マカオを仕切っていたカジノマフィアのおかげで、なんとかマカオ=カジノのイメージだけは持たれるようになったが、それ以外に、何があるの?といわれると全くマカオ以外の人から見ると何も想像できない場所であったに違いない。北朝鮮のせいで、世界の注目が集まってしまった観があるが、マカオも調べると実は歴史的な物件もたくさんあるし、西洋と東洋が巧く交わっている場所であることがわかるところなのだ。


金持ち中国人が増えてきたこともあり、彼らの財産を預けるところとして、世界一店舗数があり、華人にとっては絶対誰もが口座数を持っていると言われている香港上海銀行に金を預けたあとは、住んでいるところから高飛びしようが、政府が転覆しようが、ここに預けていれば世界中のどこに住んでいても自分の財産を利用できるというメリットがある。マカオの銀行も同じような機能を持っているのであるが、やはり金融都市を目指している香港のほうが先輩格であるために、マカオの銀行を使っているという人はまだまだ少ない。


それでも中国人にとっては、それまで国内旅行でさえ大変だったところが、金持ちになって少し余裕が出てきたこともあるから、香港へ買い物に出かけたり、香港からマカオへ渡ってそこでギャンブルに興じるという人がどんどん増えてきたらしい。そのおかげか、マカオ特別行政区政府は2006年のマカオへの旅行客が2199万8122人と前年比18%増え、過去最高になったと発表した。およそ半分を占める中国本土客が大幅に増えたことが理由。カジノを目当てにマカオを訪れる客が多く、12月単月の旅行客は216万2917人と前年同月比30%増え、初めて200万人を突破したと発表した。


マカオの知名度もあがれば、もっと日本人観光客がマカオにいくだろう。そうなると、日本とマカオの直行便も跳ぶこともあるだろうな。

日本大好き台湾人

台湾人の日本好きは、年々凄みを増していると感じる。昨今は、東京だけではなく日本の地方都市へ観光旅行に行く人が多いというのは、よくニュースを見かける。もちろん、やはり東京への旅行は人気が高い。そのほかに人気が高いのは、雪が無い台湾人にとってものめずらしい冬の北海道と、李登輝前総統の影響からか、和倉温泉の旅館「加賀屋」へ泊まって温泉三昧という旅行であろう。北海道の場合は、雪への憧れというのもあるが、気温が低いので、年がら年中亜熱帯の台湾からすれば、「涼しい」というのは贅沢極まれない憧れなのだろう。台北から札幌への直行便も就航しているくらい実は人気がある路線だ。
いまでも十分北海道は台湾人旅行者にとって人気があるところではあるが、さらに台湾人を取り込もうと、北海道が行政も含めて一生懸命に成っているのは目立つ。台湾人旅行者に限っては、国際免許証がなくても北海道ではレンタカーが借りれるというのも昨年報道された。さらにもっと北海道を知って貰おうということと、北海道へのリピートをしてもらいたい理由から、北海道の旅行会社が台湾人および香港人に対して、北海道の名産をネット通販すると発表した。北海道のお菓子といえば、マルセイバタークッキーとか、ロイズのチョコが上げられるが、あのお菓子が台湾人に受けているのかどうか不明。「北海道のものだから」というステータスで欲しがるというのは想像できるが、味で受けるかどうかは知らない。さらに、台湾を中心に「楊思敏」の名で活動する小林麻美の新設するウェブサイトに北海道の観光情報を載せたりするそうだ。現在でも、小林のブログサイトには1ヶ月で50万件のアクセスがあるため、これを利用して購買を促そうということを考えているようだ。

小林麻美のブログ : http://tw.myblog.yahoo.com/jw!I7h6rxefERpZSxwR.zCpMH_3/

有限会社プライ : http://www.prai.co.jp/

台湾からのチャーター便を使って日本の地方都市への直行便が春になってから多く飛んでくることらしい。まずは、3月から5月までの2ヶ月間に掛けて、台湾人観光客約2000人をターゲットとした福島県内への旅行の規格が決まったようだ。中華航空を利用して直接福島空港へ到着し、2ヶ月間の間に15便を運行する予定。最初のチャーター便は3月27日に出発だ。しかし、その頃の福島といえば、春先なので桜の時期にあわせたツアーになるのだろう。福島といえば、三春の桜だろうなー。あれは豪華絢爛な景色が見られるので、台湾人でもあの豪華な桜の満開を満喫できると思われる。でも、桜の時期が終わったあとは一体何をするのだろうか?まさか、猪苗代湖あたりのスキー場でスキー!?時期としては遅いと思う。五色沼あたりの散策というのもあるだろうが、そんなメインディッシュが無いツアーは飽きてくるのではないかと思われるが、どういうつもりなのだろうか?実際に福島へのツアーへ参加する台湾人に、旅行参加の理由を聞いてみたいところだ。ちなみに、福島県内に宿泊した台湾観光客は増加傾向にあり、2005年は14,635人と前年を14%上回ったそうだ。

2007/02/25

The Queen

たいだい旅行に行くときには、最近機内のエンターテイメントを見るより、自分で持参した本を読むことが多くなってきた。しかし、先日台湾に行ったときの飛行機(UA)では、なぜか機内の映画を見たいなと久しぶりに思ってしまった。アメリカの航空会社なので、日本で未公開になっている映画も放映されている。その中で見つけたのが、「The Queen」だ。

この映画は、故ダイアナ妃が交通事故で死亡したときのイギリス王室の心境と舞台裏を表現したもので、ところどころで、事件当日および事件後の国民の様子や当時のニュース報道などを盛り込まれているドキュメンタリ-風の映画になっている。交通事故で死ぬまで、エリザベス女王はダイアナ妃をあまり快く思っていなかった。しかし、反面、国民には絶大な人気がダイアナにあったことは良くわかっている。従って、国民心情と王室としての威厳を保とうとする葛藤の間に揺れるエリザベス女王と、国民の様子をブレア首相が随時説得し、国民と同じように哀悼の意を表記するよう説得するところが見所だ。

しかし、なんと言ってもエリザベス女王を演じた女優ヘレン・ミレンの「激似」だろう。よくもまぁこれだけ似せられたものだと感心するくらい、現在のエリザベス女王にとても似ている。イギリス出身の女優であるために、イギリス英語を完璧にこなしてはいるが、如何せん、貴族ではないので発音が気になった。しかし、あまりにも似ているので、本物が演じているんじゃないのか?と思ってしまったほどだ。それに対して、ブレア首相を演じていたマイケル・シーンのほうだが、なんだかエリザベス女王の前では、テレビで見るような少し自身がありげな男性という感じではなく、その変の課長級のサラリーマンが無理して女王に取り合っているという感じに見えたのが印象的だ。もっと笑えたのが、実際にもそうなのかもしれないが、エリザベス女王の夫であるエジンバラ公フィリップは、何にもしない単なるお茶好きの年寄りとして映っているというところも笑えるが、まぁ、実際にもあまり目立った存在じゃないので仕方ないのだろう。

さて、女優のヘレン・ミレンであるが、実は彼女の祖父はロシアのロマノフ朝時代の貴族だったようだ。今では英語名の「Helen Mirren」を名乗っているが、実際にはロシア名の「イレーナ・ヴァシーリエヴナ・ミローノヴァ(Ilyena Vasilievna Mironov)」というのがある。ロマノフ朝時代に外交官をやっていた祖父がロシア革命と同時にロンドンに亡命を行い、そのままロンドンに住み着いたのだが、ヘレン・ミレンの父親の時代に、ロシア名のままだと生活に支障があるからという理由から「ミラー」という名前を名乗ったのだそうだ。だから、彼女が風格としては貴族としての風格はあるように見えるのが、こういう理由でもあるらしい。ちなみに、ヘレン・ミレンの母であるキャスリーン・ロジャー(Kathleen Rogers)のほうの家系は、ヴィクトリア女王時代にイギリス王室お抱えの肉屋だったらしい。日本版のウィキペディアには、「父親のヴァシーリイ・ミローノフはロシア帝国貴族の出であったが、ロシア革命により亡命を余儀なくされた。」と書いてあって、父親の時代に亡命したような書き方があるが、これは間違い。

苦悩する女王を絶妙な角度で演じているヘレン・ミレンの演技が光るが、ストーリーとしても国民の目、女王の目、首相の目、そして側近の目からみた故ダイアナ妃に対する思いがこれを見ると、いまのイギリスの状況が分かるというものだ。超有名人で下級貴族出であるダイアナと超上級貴族出身の現女王の「貴族観的視点」と人気の格の違いについて不服であることは良く分かる。伝統を守ろうとする王室と、開かれた王室を目指そうとする政府の間の軋轢についても良く分かるものだ。同じ王家を持つ日本も似た感覚に捕らえがちだが、やっぱりイギリスの皇室と日本の皇室は全く質が違うというものだ。ヨーロッパの諸国間にあった勢力争いに政略結婚が使われていた土壌と、所詮、島国の中で同じ民族のなかでの政治に皇室が使われていたのとは訳が違うと思う。ヨーロッパ人にとってはこの映画はとても分かりやすい映画だとは思うが、日本人にとっては何が問題になっているのか実は難しい映画かもしれない。一般市民と同じように、女王はなぜダイアナの死に素直に悲しまないのかというのかと考えてしまうことだろう。こういう映画を観て、ヨーロッパの複雑な貴族社会を感じ取れればと思う。

主役のヘレン・ミレンの演技が光っているので、ヴェネチア映画祭ではスタンディング・オーベーションが鳴り止まなかったというのは記憶に新しいところだ。