2013/01/06

新宿末廣亭正月公演(2013年)

今年の新年も例年通り、新宿・末廣亭の正月落語を観に出かけた。いつもなら三が日のどこかで行くようにしているのだが、今年は仕事始めのあとの週末である1月5日に行ってみることにした。いずれにしろ一般的にはお休みのときなので、14時半から始まる第二部から入館するためには、例年通り早くから並ぶ必要があるんだろうとおもって、当日は11時には末廣亭には到着するように計画を立ててみた。いつもなら11時頃に到着しようとおもっていってみると、既に数人の人が第二部から入るためにもう並んでいて、早すぎーとおもったのだが、今年は11時に行ってみたところ、誰も並んでおらず、ちょうど11時から第一部が始まるため、それを観るために入館しようとする人がチケットを買って中に入ろうとする人が結構いた。

やっぱり三が日の正月にやることがなくなってしょうがないから落語でも観にいくかというような人が多いときと異なり、少し日数が経過したあとにいく末廣亭はそんなに並んでまで観ようとするひとは少ないのかな?と思ってしまった。だいたい、第二部から観るために早めにきてしまい、それが先頭になるようなことはこれまで無かったので、どうしていいか末廣亭の前であたふたしてしまった。支配人みたいな人で、入口で仕切っていた係りの人に「第二部から見たいんですけど、どこで待っていたら良いですか?」と聞いてみた。そうしたら「第二部からですか?ちょっと早すぎません?1時半ごろからお並びになっても十分座れると思いますよ」と言われた。でも、変な席になるのがイヤだったので「いえ、いまから待ってます」と答えて、その辺で待っていた。

同じように、後から二部からの観覧で入館しようとする人がいたのだが、その人たちが入口付近で仕切っているひとに「二部って予約制ですか?」とか「いまから並ばないとダメですか?」というようなことを聞いていた、そのたびに同じような回答を係員の人が答えていたが、既に1人並んでいることがこの人たちの目には見えていないんだろうか?とだんだん不安になってきた。結局11時から12時くらいの1時間の間に、自分の後ろに並ぶような人は全然おらず、みんな「1時半くらいから並べばいい」という言葉を信じてかしらないが、その時間がくるまで伊勢丹や丸井で買い物かご飯でも食べてこようとするひとばっかりがいた。ようやく12時くらいになったときに、落語好きの子供を連れた親子が並び始めたのである。そのひとたちも最初は自分たちが一番最初にきたものだと思っていたら、並び列が出来る定位置のところに1人ぽつーんと人がいるのに気づいて、「二部からの観覧ですか?」と聞いてきたので「ええ、先頭として待ってます」と答えると、その後ろに並んでくれたのである。やっとこれでここに列が出来ているというアピールができたというものだが、それまでの1時間は、末廣亭の店の前で、黙って本を読んでいる奇特な人が1人ポツンと立っているというように見えていたことだろう。

12時半ごろになって友達がお茶とお菓子を持参して現れた。先に列の順番に待つのが自分の仕事で、そのあと、外気は寒いから温かい飲み物となにか食べ物を持参してくるのが友達の役割だった。さすがに1時間半、寒風の中に単に突っ立っているだけの状態は寒くて仕方なかったし、第一トイレに行きたくて仕方なかったのだが、ちょうど良いタイミングで合流できたので、そのまま即効で近くのトイレに行く。こういうときのトイレ問題は本当に困る。末廣亭で並ぶときにはこのトイレのことは先に情報を仕入れておかないと、いざというときにどこにトイレがあるのかわからないで大失態になることはいやだから。

やはり三が日のときと列の出来方が違うようで、この日は係員のひとが言っていたように、1時半ごろになっても末廣亭から寿司屋方向に伸びる列の最後尾が角を曲がっていなかったことに驚く。三が日だったら、既に1時過ぎにはあの角を曲がったところに最後尾のひとは並んでいて、始まるまであと1時間以上もあるのに、自分も含めて並んでいることにご苦労様というようなことになるのだが、今回は全然そうではなかった。でも、最終的には2時くらいになったときには結構な長蛇の列が出来ていたようで、あとから並ぼうとする人が、横入りでもしようと企んでいたのか「何時から入れるんですか?」と係員に聞いていたようだが、2時15分頃ですねという冷たい返答と、お並びになってお待ちくださいという冷ややかな対応に、ショックを受けていたみたいである。なぜなら、正月の落語は、すべて予約制ではないので、並んで入れたひとだけが席を選べるというものである。楽しては観られないのだ。

さて、今回の正月公演、無理やりでも実は1月5日までには行きたいと思っていた。それは松旭亭八重子アンドプラスワンが出演するからで、プログラム上は元日から10日までの1月上旬公演のうち、上半期だけが登場するということが書かれていたからである。彼らのマジックショーを観ないと、やはりお正月が来たという感じがしないのだ。芸としては大体同じようなことをするのはわかっているのだが、それはもう寅さん映画を観ているかのように、そこでそれを出すのが定番というのを、観ている観客側も期待しているというところもあるのだろう。出た!観た!笑った!の三拍子をその場の観客と演者で共感できるための瞬間が気持ち良いのである。

それから第二部のトリは歌丸さん。この人のネタも毎年同じようなネタなので、正直厭きてきたところもあるのだが、まぁまだ高座に立っているということだけで、許そうではないか。だいたい、「人が高座で一生懸命しゃべっているのに、バリバリお菓子を食べながら観ているひとがいる。あっ、そちらのお客さんのことを言っているんじゃないんですよ」という客イジリから始まり、笑点ネタを少し披露して、落語の本題に入るというもの。最後に緞帳が下りるときに、いつもなにかごにょごにょ言っているんだが、これが何を言っているのかいつも分からないでいる。「どうもありがとうございました」くらいのことを言っているんだろうが、ちょっと気になるところだ。

あとは、1回中休みが入るだけで、第二部だけでも15人くらいの落語家や芸人が出てくるものである。やっぱり漫才は良い。勢いがある漫才は、観ていてワクワクしてくる。夫婦漫才の人が出てくると、始終頬が垂れてしまいそうになるのだが、それでも違う漫才のひとたちが出てくると笑えるので良い。

そういえば、今回は紙切り芸人の人が出てきたのだが、師匠とその弟子の2人が共演するというのを初めて観た。御題を観客からもらって、それに即した紙きりをするのだが、毎度ながら即興で作り上げる紙切りの技術にブラボーと賞賛したいところだ。師匠よりも弟子のほうが早くて綺麗に出来上がるというときがあったので、そのときには師匠の面目丸つぶれだなと少し思ったことがあったが、その緊張感もなんとなく伝わってくる。

今回は高座に上がる芸人たちは定番ネタを引っさげてきたために、安心して観られるものだったが、どうも観客側がよくなかった。特に、入館前に自分たちのすぐ後ろに並んでいた子供が鬱陶しかった。本人落語好きだというのは、列に並んでいるときに、落語家や芸人の名前をさすとき、オマエは関係者か?といわんばかりに「~さん」付けで呼んでいることから、こいつ何様?と思っていたのだが、これが入館して芸が始まったときにも、他の観客とは違うところで大声で笑っていたりしているし、なにか芸人に対して目立とう、目立とうとする嫌な態度を取っていたのがイヤだった。保護者のひとが放置プレーで子供の好き勝手にさせていたのが一番原因なんだと思うが、あのポイントの外れた笑いをされることで、きっと高座に上がっている芸人たちも、やりにくいなーと思ったことに違いない。

それにしても、末廣亭アリーナ席(?)は当然ながら、両サイドの座布団席までずらーっと満員で入館しているのは、いつもながら圧巻だ。毎日こんだけ人が入っていれば我々も楽しいし、儲けが多いですよねーと、どこかの落語家が正月お披露目公演のときによくつかうネタなのだが、まさしくこれは本心だろう。正月だけじゃなく、普段からもこれだけ人が来てくれたら良いのにと思っているに違いない。いずれにしろ、ちょっと前にジャニタレによる落語を舞台としたドラマがあったせいで、頭がパーの女性ファンが本場落語を観たいがためにやってきていたようだが、もうそういう話題にのることがステータスと思っているバカ女がいなくなったことは嬉しい。

新宿・末廣亭
URL : http://www.suehirotei.com/

マリアナ・リゾート&スパ(サイパン)

サイパン島の土地勘は全くわからないので、どこでもいいと思っていたのだが、人込みが激しい中心部だと海岸もそんなに綺麗じゃないというのは聞いていたから、ちょっと離れた北部地域にあるホテルを選択することにした。名前は「マリアナ・リゾート&スパ(Mariana Resort & Spa)」。サイパン最北部に位置するホテルリゾートである。

サイパン島の中の交通機関はタクシー以外、公共の交通機関がないことは知っていたため、ホテルの送迎が絶対必要だと思った。ホテルの予約をしたときに、一緒に空港とホテル間の送迎をお願いしたのだが、そのときの費用が1人あたり片道15ドルというもの。往復30ドルである。ところが、この値段、高いのか安いのかが実際のところ分からないのだが、空港はサイパン島の南端に位置し、ホテルは島の北端に位置する。車での移動は空港からホテルまでは15分から20分くらい掛かる。途中はほとんど信号が無いために、結局は空港を出発してからタクシーでホテルに着くまではノンストップでいけるわけである。この距離間をタクシー換算した場合には、安いのだろうか?とにかく、値段よりも交通機関が無いために、帰国便が朝の4時半ごろに出発することを考えると、送迎があったほうが楽なのはわかっていたので、即効で申し込んだ次第だ。

さて、ホテルは北端に位置するのだが、これが名前に引けをとらないほど広範囲の敷地を持っているホテルである。それもそのはず、なにしろホテル敷地内を一般車輌が走る道が横切っているのは当然なのだが、ゴルフ場、カートレース場、プライベートビーチ、50mプール、野球場、スパ、コテージ式の部屋と、1日いても全部回りきれないんじゃないのかというところ。だから、このホテルの敷地から出なくてもとりあえず満足できるというもの。とりあえずという言葉を使ったのは、買い物大好き人間がここに泊まった場合には、なにも買うものが無いのできっと厭きるだろうということだ。そういうひとは、定期的に無料の巡回バスがDFSとの間を走っているので、それに乗って繁華街まで行き、そのあたりにある店にいくのもいいのではないだろうか?
ホテルに到着しチェックインしたあとは、部屋まではカートで送られる。歩いてもいける距離ではあるのだが、実はチェックインカウンターがあるところと、部屋があるところの棟はちょっと離れており、さらに建物は横長にすごーく長いため、一番遠い場所の部屋のほうだったからカートに乗っての移動がちょうどよかったと思う。

部屋は海が見える大きな部屋。それも荷物をすごいたくさん広げていても全然埋まらないほどの広さである。なぜか天蓋のあるダブルベッドと、もう1つエクストラベッドではないベッドが付いていた。付属のほうのベッドはほとんど荷物置き場にしかしてないくらい邪魔なものだったし、不必要なものだったが、別に簡易ベッドというわけじゃなく、ちゃんとしたベッドになっているので、あの簡易ベッド特有のスプリングなんかぜんぜん感じない。メインのベッドのほうは本当に広くて、キングサイズのダブルベッド。
 
その他の部屋の中はソファとテーブル一式と、リクライニング式の椅子が存在する。テレビをみるときにとても便利だった。しかし、そのテレビが日本ではもうほとんど見なくなったブラウン管式がどーんと部屋にあったときには、思わず、ふるっ!と思ったのは言うまでも無い。しかし、ブラウン管だろうが、ケーブルテレビが発達しているのであれば、何の問題もない。iPod/iPadに入れている動画も普通の映像・音声コネクタがあるので、そこにつなげれば問題なく見られる。なにしろ、テレビは各国の衛星放送が入るのだが、どれもこれもつまらないし、サイパン良いところ一度はおいでと、サイパンに来ている日本人向けの宣伝チャンネルもあるのだが、それってサイパンで宣伝していても全く意味が無いのにとおもいつつ、ひと通りはみたが、二度は観ない。
バスルームは、浴槽とシャワーが別々になっているタイプで、バスルーム自体がこれも広いのでとても使いやすかった。アメニティもまぁまぁ揃っているし、特になにもこの部屋に持ってこなくてもそのまま泊まれるものだったのは嬉しい。日に2回、ベッドのターンダウンを含めて部屋にハウスキーパーがやってくるので、そのときにタオル類を毎回取り替えてしまえば、常に新しいタオルをたくさん使えることができる。
 
そのほかベランダもあり、そこには海を見てのんびりできるように、いすとテーブルが用意されているのだが、特に気分的にはそんなところでのんびりしたいという気にはならなくて、エアコンが効いている部屋のなかでのんびりしているほうが良いに決まっていると思った。
ホテル内のレストランは1箇所。朝も晩も同じところで摂ることになる。プールサイド際のところにあるシャレたレストランではあるが、それほど種類が豊富かというと、まぁまぁあるという程度で、外に食べに行かねばならないという手間を考えたら、ここでもいいじゃないかというのには納得できる味と種類ものが提供されている。種類も、シーフード、パスタ、肉料理と結構ある。おまけに、セットメニュもちゃんと用意されているので、考えるのが面倒くさいという人には、ここでセットメニュを食べるのも良いだろうと思う。セットメニュでは、しゃぶしゃぶや寿司セットのようなものまであるのだが、こんなものをサイパンにまで来て食べたいかというと、それはイヤだったので絶対選ばない。あと、このレストランではいちおうメニュには存在していたが、一度も利用しなかったのがデザートである。これはどの程度の味のものを提供するんだろうというのは気になったが、所詮、ここはアメリカ領土のところなので、アメリカの単なる甘いだけというようなものがあるのだろうという想像はできた。
 
 
朝食の場合は、ビュッフェ形式のものであるため、申し分ない程度の種類が存在する。やはり日本人観光客が結構前から来るからなのだと思ういのだが、日本人用メニュが朝から用意されているところを見て、なるほどーとおもった。
 
ホテルのプールは全く使うことが無かったのだが、それでも膝した位までしかない浅さのプールと、結構深いプールと二種類。でも、そういうところでのんびりするよりは、やっぱり海に行ったほうが良い。海はプライベートビーチになっているので、そこでのんびりするのは良いだろう。白い砂浜というようなものではないところが残念なのだが、それはいちおうビーチにチェアもあるから借りたければそれを借りれば良い。ずーっと遠浅なので、シュノーケリング程度でも結構魚が見えるから、泳ぎが苦手な人は歩きながら海に顔をつけて魚を見るというのが良いかもしれない。
 
もう1つここのホテルでは体験しておきたいところがある。それはサイパンに宿泊している人たちがやってくるといわれているスパがあるのだ。マンディ・アジアン・スパというのがある。ここでマッサージを受けるのも良いし、温泉みたいに温水がプール化しているところがあるので、そこでボーっとするのも良いだろう。結構、色々なところからここのスパを利用するためにやってきている人たちが居て、意外にホテルの中で一番混んでいるんじゃないのか?と思ったほどだ。
 ちなみに部屋の中は全室無線Wi-Fiが利用可能。しかしながら、1日あたり7ドルが必要。3日利用するんだったら、15ドルである。

マリアナ・リゾート&スパ
URL : http://www.marianaresort.com/jp/

サイパンに向けた入出国審査

サイパンは「北マリアナ諸島連邦」に属しているのは知っていたが、それはそういう名前の1つの連邦国があるのかと思っていた。連邦となっているのは、サイパン島を初めとするほかの小さい島(ロタ島など)を含んで1つの国家らしきものを形成しているからなんだと勝手に思っていた。実は、随分昔にグアム滞在でロタ島に日帰りパックツアーに参加したときに、ロタ島は「北マリアナ諸島連邦」という国に属しているから、グアムのときにパスポートコントロールを受けたのとは別にパスポートにハンコを押してもらった記憶があったからだ。だから、今回の旅行も、グアム経由で行くにしても、一度グアムがあるアメリカ入国手続きをした上で、そこでトランジットし、そしてサイパン向けにアメリカを脱出するという面倒くさいことをしなければいけないのかと「勝手に」思っていた。

ところが、途中にアメリカ領土のグアムを通らなければならないから、面倒くさいことにESTAの申請を渡航前にしなければならないのかなーと思っていた。9.11以降、アメリカ領土に入国する人たちを事前にチェックするための制度として導入されたものだから、こんなものを入れる国なんか絶対行きたくないと思っていたので、これまでアメリカには近寄らないようにしていたのだが、今回はグアムでどうしても通らないといけない。ウェブを調べてみると、グアム経由でどこかに行く人も全員、一度グアムで入国審査を受けたあとにトランジットをしなければいけないなんていうことを書いていたから、ますますイヤになってしまった。しかし、もっと調べてみると、2009年から「グアム-北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラムというのがあって、45日以内のグアム・サイパンを渡航する人は、事前にESTA申請をしなくてもいいという制度ができたことを知る。

ESTA申請を事前にしなくてもいいということが分かっただけ、渡航前の面倒くささは減ったかなとは思ったのだが、実際にもっと吃驚したことは飛行機に乗った後からのことである。グアム行きの飛行機にのったときに、機内で、グアム到着時に提出するべきアメリカ入国時の申請用紙が配られた。これはアメリカを経由・滞在するに関わらず、全員が提出しなければいけないものである。だから、このなかで「どこに滞在するのか?」という問いに対して、自分はこのときグアムというアメリカの地を経由して、北マリアナ連邦国に行くものだと思っていたので、その欄を「TRANSIT」と記載した。

結論から言うと、北マリアナ連邦もグアムもどちらもアメリカの信託地になっており、グアムは準州の扱いだが、北マリアナ諸島連邦はコモンウェルスの位置づけとして、アメリカの領土ということになっていることと知る。そして、2009年から北マリアナ諸島連邦の入出国管理はアメリカ合衆国が直接管轄することになったため、グアムに到着時に提出する書類はサイパンでも共通的に使われる「アメリカ入国のための申請書」と同じ扱いなのである。だから、先に書いたブルーの申請書の項目には「TRANSIT」と書くのではなく、サイパンで宿泊するホテル名をかかねばならなかった。これに気づいたのは、グアムの入国審査のときに「どこにいくのだ?」と係員に聞かれたので「サイパン!」と答えたら、「Which Hotel?」と聞かれて、そのホテル名を答えたら、その欄には修正されて登録されたからである。サイパンはアメリカだったのです。

実際に入国審査のときまでサイパンがアメリカの土地の一部になっているということに気づかなかった自分は一体旅をする資格があるのだろうか?だいたい、今回、サイパンは初めてだというのに、最初からサイパン島の中を探索するつもりが全く無かったので、サイパンに関するガイドを一冊も買わなかったのが原因だったかもしれない。ホテルから一切出るつもりが無かったからである。

それと、グアムもそうだが、サイパンに到着する際に、どちらもアンケートみたいな用紙を入島する前に書かせられる。自分たちの場合はグアム入島時にこのアンケート用紙は「君たちには全く役に立たない」と言われて破棄された。なにが書かれているかというと、どういう目的で来たのか、どこから来たのか?という観光者の傾向をデータ化するために使われているんだろうと思われる。サイパン到着時の時には、模様は違うが、同じような質問項目が書かれている用紙を貰い、それに記入し、空港ターミナルから出てくるときに係員に手渡した。

それにしても、噂で聞いてたが、グアム到着時の入国審査の長蛇の列は酷すぎる。自分たちのようにトランジットしなければいけないような渡航者の場合、結構時間がかかるので、間に合うのか?とかなり焦る。ところが今回、グアムにくる飛行機の出発が遅れたために、到着も当然かなり遅れた。余裕のトランジット時間があるものかとおもっていたが、全くなくなってしまい、そのうえ、入国審査場のところで、歩き回っている係員が名前を呼んで叫んでいた。なにごとか?とおもったら、「君たちはサイパンに行くんだろう?じゃ、時間が無いからこっちに来なさい」といわれて、言われるがままにその人に付いていった。長蛇の列を一気にすっ飛ばし、一番先頭までワープしてしまった。長蛇の列のなかで長時間待たされることはなくなったのは嬉しい。
しかし、そのあとの手続きも面倒くさかった。

グアムでのトランジットの場合、入国審査を受けたあと、そのまま左側のほうに立っている、即席机を作っている係員のところにいって、トランジットのボーディングパスとパスポートを渡す。そうすると、秘密の扉みたいなところを開けてくれて、そのまま真っ直ぐ行けと教えられる。これが、どうやらボーディングパスを持っているトランジットの人たちが通る扉のようで、トランジットのあとの航空券を持っていない場合は、チェックインカウンターのほうに通されることになるようだ。

秘密の通路を通ったあとには、今度はグアムを出るための手続きがとられるのだが、それは単純に荷物検査の前に適切なボーディングパスを持っているのかというのを確認するためのものだった。そのあとの荷物検査は、手荷物検査のほかに金属探知機のゲートを潜るのだが、アムステルダムのスキポール空港にもあったとおり、全身をスキャンするゲートがあり、そこを通らないといけない。面倒くさいには、このゲートを通るときに、全員靴を脱いではだしにならないといけないということだ。靴にもなにか隠しているかもしれないという疑いを全員に持っているというアメリカ政府の考えなのだろう。だから、マヌケなのだが、ゲートを潜ったあと、靴を取りに行くとき、手荷物検査と同じベルトを通ってきたところまで裸足でトボトボと歩かないといけないところだ。

そういえば、帰国したあとに不思議なことがある。サイパンからグアム経由で成田に帰るルートだったのに、出国審査は実はサイパンで行われたことだ。てっきりグアムで行われるのかとおもい、サイパンからグアム間は同一国内移動の扱いかと思っていたのだが、それは違っていたことだ。だから、サイパンで出国審査を受けたため、グアム到着時にはとくになにも無く搭乗し帰国したというものである。これは早朝にサイパンを出発することになったからなのかどうかは分からない。

いずれにしろ、今回の渡航において、入出国審査の面ではいろいろ驚いたことばかりだった。驚いたことといっても、個人的に勘違いしていたことばっかりだったということもあるのだが、改めてアメリカ領土内に行くのは面倒くさいことばっかりだから、もう二度と行かないなというのは思った。

ESTAの申請
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-esta2008.html

グアム-北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-gcwvp.html

ユナイテッド航空でサイパンへ

友達がマイレージプログラムのゴールドステータスになるための、いわゆる修行の旅としてサイパンにいくことになったのだが、それはユナイテッド航空の便で行くことにした。旧コンチネンタル・マイクロネシア航空の路線を引き継ぐことになった路線で行くことになったので、成田発着の便でグアムまではまずは飛ぶ。そのあとは乗り換えでサイパンなのだが、なんとこれらの路線で予約したのに、グアムまでの飛行機はビジネスクラスしか空いてなかった。やっぱりクリスマス時期に移動するから、家族連れのようなひとたちがめちゃくちゃたくさん居たために、それでエコノミーが全く空いていなかったようである。だから、行き帰りのグアム線はビジネスクラスに搭乗することになった。

ビジネスクラスでの渡航を自腹を切って乗ったのは、これが初めてじゃないのだろうか?それまではダブルブッキングやらマイルで乗ったことはあったのだが、心から乗っても良いとは思えない航空会社のビジネスクラスに乗るのは、なんとなく気が引ける。だけど、友達の修行の旅に付き合うのも、別に良いかなと思っていたし、サイパンには行ったことがないし、久しぶりのユナイテッド航空もたまには良いかということで選んでみた。

サイパンまでの往復の日程は下記の通り。

■往路 2012/12/22(Sat)
UA 827 NRT 11:10 - GUM 15:45
UA5077 GUM 17:35 - SPN 18:25

■復路 2012/12/25(Tue)
UA5070 SPN 04:35 - GUM 05:25
UA 828 GUM 07:00 - NRT 09:45

出発はいつもヨーロッパにいくときと同じような時間に成田からだったので、いつものとおりに少し早めに成田に到着する。さっさと手続きしようと思っていたら、8時半までチェックインができませんっていうのでしばらく待つことになる。しかし、その間に、成田空港は異様に人がたくさんいることに気づき、なんでこんなにたくさんいるんだろう?とおもったら、少年野球団の海外遠征があるのかわからないが、その子供の数が100人はいたんじゃないのだろうか?といわんばかりの数と、その親御さんたちで成田は喧騒となっていたのだ。おかげで、チェックイン後の出国手続きに非常に時間がかかってしまったので、それだけでイヤになった。
それにしても毎回思うのだが、ユナイテッドのチェックインは、乗客にセルフチェックインをやらせるくせに、荷物を預けるところは結局人を介することになり、その手続きがすっごい時間がかかる。ということは、セルフチェックインをさせても、そのあと待ち行列がめちゃくちゃ出てくるわけだから、これだったら、全部係員を経由したほうがいいんじゃないのか?と本気で思う。荷物のチェックインも全部乗客にさせるのであれば、セルフチェックインでもいいとおもうんだが、移住するのか?というようなたくさんの荷物を持ってチェックインしようとする中国系のやつらが、重量オーバーなのを無視して荷物をあずけようとするのを防ぐためにやっていることなのかな?と勘ぐってしまう。

さて、時間がかかってようやく出国手続きをしたあと、今回はビジネスクラスで行くということもあったので、ユナイテッドのラウンジで出発までのんびりすることにした。ユナイテッドのラウンジは結構広くて、ゆったりしているのだが、飲み物は少ないし、軽食は本当に少なくて、まぁ、無いよりはマシかという程度のものだった。WiFiが無料で利用できるところは空港内でも使えるのでこれは同じ。大人数が空港を利用するような混雑時にはこういうラウンジで座る場所を確保しておくというのは結構便利かもしれない。
 
 
しかし、いきなり出発の飛行機は遅れた。出発40分の遅延が出たのである。ラウンジではユナイテッドの出発に合わせてアナウンスをしてくれるのだが、グアム便のアナウンスが一向にないのである。だから、もしかしたら欠航になったのか?と思ってしまった。どうやらグアムに飛ぶための機材が届かないために出発が遅れるということだ。でも、ラウンジにいるので、搭乗開始が始まった頃に合わせて「いまから搭乗できますー」というアナウンスがラウンジ内に入る。これは便利だ。特に待たなくてもそのまま乗れるというものだ。

予約時に行きのグアムまでの便は友達とはバラバラの席でしか予約ができなくて、どんだけ混んでいるんだろう?とおもったら、どうやらやっぱり家族連れのひとたちが席を欠航占有していたために、穴あき状態でしか座席が予約ができなかったことが乗り込んでみてわかった。隣りに座っていた人は、てっきり1人で旅行している人かなーとおもっていたら、どうやら親戚一同でグアムに行く予定の1人であり、他のメンバーはエコノミーに座っていたことが判明。姪らしい子が頻繁に席にやってきて「おかあさんがなんたらかんたら」というのを良く話をしていた。鬱陶しいわ。だいたいエコノミーの客がビジネスのエリアに入ってくること自体も鬱陶しいけど、それを静止しないこのクソ女のほうがもっとウザい。おまけに、グアム到着時に提出する書類の書き方が分からないのか、なんだかこちらに聞きたそうな顔をしているのを何度か目撃したが、完全無視してやった。

さて、行きのユナイテッドのご飯は昼食で、どうせ、ユナイテッドのご飯なんてクソまずい犬のえさみたいなものだろうと思っていて、最初から期待はしていなかったのだが、まぁまぁ食える食べ物が出てきたことはよかったと思う。が、ビジネスクラスで出てきたご飯の質を考えると、これではエコノミーのご飯はエサだったんだろうなと想像がつく。ちなみに、このときの昼ごはんはこれ。

トレーと一緒にサラダとガーリックフランスパンが運ばれてきて、そのあとに1つ1つレンジかなにかで温める選択式のメイン料理を運んでくるというのは、ちょっと良いかもしれない。このときのメインは、鶏肉のナゲット風とアスパラガスのクリームソースかけだった。量としてはこれで十分だと思うし、なにせ温かい料理だったところが一番良い。味はというと、所詮アメリカの航空会社の料理であるためにお世辞でも、すげーうまいとは言えないのだが、頑張って作ってみましたという意気込みだけは認めようと思った。

デザートとして出てきたのは、マンゴームース。このときにはコーヒーを頼むのだが、昔エコノミーに乗ったときに、運ばれてきた紙コップに「うまいスターバックスのコーヒーをどうぞ」というふざけた文言が書かれていて笑ったのだが、やっぱりコーヒーはまずかった。どうやったらこんなにクソ不味いコーヒーが出来るのかというのを教えて欲しいくらいである。ビジネスだったらちょっとはマシかなと思ったが、カップが陶器になっただけで味は変わらず。紅茶にしておけばよかったと後悔した。

グアムから先の飛行機は、グアムでの乗り換え(これは別途記載)のあと搭乗口に行ってみたのだが、予想通りのプロペラ機!フランスとイタリアの合弁会社ATR社のATR42-300という機種だった。通路を挟んで両側2席ずつで46席分。こじんまりとしている飛行機であり、ユナイテッドの子会社グループのユナイテッドエクスプレス(United Express)と提携をしているCape Airが運行しているものだった。しかし、便名はユナイテッド航空の便名になっていたので、てっきりこれはマイル対象なのかと思っていたのだが、それはユナイテッドのマイレージ会員の場合は加算対象になるのに、それ以外のマイレージプログラムに参加している場合、ユナイテッド航空の5000番台の飛行機は加算対象にならないという。これは家に帰ってきたあとに、加算されていないことがわかってちょっとショックだった。つまり、同じユナイテッド航空の便名でも加算可能なものとそうではないものがあるということなので、友達に付き合って修行の旅に出たとしても、自分には全く関係ないということになる。それでもグアムからサイパン間のマイル数は羽田=伊丹間よりも少ないので、どうでもいいっちゃどうでもいいところだ。
プロペラ機での50分の飛行機は、ジェット機とは違う楽しみがある。なにしろ、屋根のあるジェットコースターに乗っているようなものだ。ちょっとした風でもすぐに揺れるし、そんなに高度が高いところを飛んでいるわけじゃないので、窓からの景色は海ばっかりしか見えないが、それでも離陸時と着陸時のときの低空飛行時の景色はすばらしいし、ジェットストリームと地上からの吹き上げ風がミックスされて結構怖いがこれも醍醐味。
グアムまでの客層はそれなりにたくさん観光客がいたのだが、グアムからさらにサイパンに行く人は日本人ではほとんどおらず、別のアジア系が少しはいたのだが、あとはほとんどがサイパンローカルの人たちばっかりだった。だから、これからサイパンなんだ、うふふーというような浮かれたような人はそんなにいなかったところが嬉しい。だいたい南国に行こうとすると、脳みそが既に沸いている人もいたりしてドン引きするときもあるのだが、このときには全く無かった。
いちおう短時間とは言え、飲み物とおつまみは提供されるところがさすが航空会社だ。これくらいの時間だったら、何も要らないのにと思うのだが、そこはサービスなのだろう。飲み物といっても、メニュはなし。全員強制的にペットボトルの水が配られるというもの。たくさんモノを搭載できる飛行機ではないので、この仕組みは仕方ないのだろう。当然、飛行機はパーソナルビデオもないし、音楽サービスも無い。
帰国便のときは、早朝4時半出発の飛行機なので、2時にチェックアウトして飛行場に向かう。これがとても眠い。いちおう寝たのだが、ほとんど寝ていないのと同じ。チェックインはさっさとできたのだが、そのあと飛行機に乗り込むまでの時間が暇すぎた。なにしろ、サイパンの空港にはラウンジはあるのだが、それはスターアライアンスのメンバーでは使えないところだったので、一般ベンチでしか待ってられない。そして、いつになったら搭乗するんだろう?とおもっていたら、搭乗口前で待っていたら、いきなり空港内で名前を呼ばれた。どうやらすべての人が搭乗口の先の搭乗確認をするためのチケット確認をしない限りにおいては、全員を機内に入れないということらしい。最初からいたのに、最後になってしまって、他の客から「なんじゃ、こいつら?」というような眼で見られたのは悔しい。
 
 
行きと同じような飛行機のってまずはグアムに到着。グアムでは多少乗り換え時間があったのでラウンジで待っていようと思ったのだが、このラウンジが激混み。早朝だったのにも関わらずなんでこんなに人がたくさんいるんだ?この人たち全員ビジネスクラスの人?とおもった。しかし、よく考えていると、実はグアムから日本の地方向け路線は結構飛んでいて、同じような時間帯に地方向けに出発する人たちが集中してこのラウンジにいるということが判明。ラウンジにいたのはほとんどが日本人ばっかりだったから、それで納得。グアムのラウンジはそんなに広いわけじゃないのだが、たぶん人が多すぎたために狭く感じた。メニュにカップラーメンがあったことが笑える。朝からなぜかカップラーメンを食べてしまった。どうせ飛行機に乗ったら朝食が出てくるというのにも関わらず。あとはドーナツがラウンジにあったのでそれを食べているのだが、これが人気がありすぎて、補充されるとさっさとなくなってしまうというもの。
 
グアムから成田までの飛行機は朝食メニュで、オムレツとフルーツとサラダという、もう健康そのもののようなメニュだった。ホテルの朝食と同じようなものが出てきたのでこれは嬉しい。そして、やはり1人1人ずつどこかで温めてきたものを持ってきてくれるのは嬉しい。パンがクロワッサンなどを含めた、いろいろな種類のパンを選べるところが嬉しい。
ユナイテッド航空はこれまで敢えて乗らないようにしていたのだが、どうやらこれからちょっとは乗らないといけないようになってしまいそうだ。だが、やっぱりユナイテッド航空には機内サービスを期待してはいけない。シンガポール航空やチャイナエアラインのようなところと比較すること自体が、同じ土壌にいるわけじゃないので比較してはいけないのだが、どうしても比べてしまう。ミクロネシア路線としてその方面に行くときにはこれからも利用したいところだが、グアム乗換えで小島にいくときにはマイルがつかないことが分かったので、グアム程度で良いじゃんと思うようになってきた。

バンコク迷走(書籍)

文化程度の上下というのは何を基準にしたら良いのかは非常に難しい。工業化しているから文化程度が高く、農作業従事者が多いから文化程度が低いなんていうのは、荒唐無稽のお笑いでしかない。各国はなんらかの独自の文化が存在するわけで、いまの北朝鮮や毛沢東がいた時代の中国なんていうのは、文化自体が発展の妨げになるという意味不明なクリーンイメージを政治や国家に求めていたが、こういうのは除外としよう。最終的には国民性とあわないことは歴史が証明している。

戦前では、白人社会、特にヨーロッパはアジア全般に対して、野蛮人が存在しているエリアと野蛮で低俗な人間しか存在していないという固定観念から、欲しいものだけは現地からかっぱらって、現地の有能者を使って、あたかも自分たちが仕掛けたのではなく、現地人同士で醜い闘争することで、ひとつ高い舞台から彼らの闘争をみていて、美味しいところだけを本国へ利益という形で持って帰ったという歴史がある。名誉白人の称号をその後貰うことになった日本人もヨーロッパ人と似たようなところがあり、同じアジアの国家に存在するのだが、自分たちはアジアのほかの国とは全く異なり、彼らよりは先端的な考えを持っており、法治的ではあるが独裁的な要素を持っておらず、気持ちはアメリカ・ヨーロッパの人たちと同じというのが定番の世界になったのが戦後の高度成長期にまともな食事を食べられるようになった日本人が思い始めた思想だ。

そんな時代に育った人が東南アジアを根城とするような放浪生活のようなものをしたら、当地でどういう考えで行動するかというのは分かりやすい想像だ。例え、武器を持たないで当地に行ったとしても、ヨーロッパ人が19世紀までに行動する際に持っていた思想をそのまま体言化しようとしたことだろう。それは何かというと、所詮、アジアの諸国は日本のように発展することはなく、いつまでもみすぼらしく、いつまでも日本人が高飛車で居られるよな社会であるのが当然であり、いつまでも日本からの円借款でしか生き残れるわけがないと本気で思っているということだ。

下川裕治の「バンコク迷走」という書物は、至る所に上述の「東南アジアはいつまでもみすぼらしいことが似合っている」というニュアンスが出ている不快極まる書物だ。内容としては、バンコクを旅行するときに、いろいろな形で遭遇する各種の習慣・仕組み・文化を紹介しているものである。だから、彼の思想を除けは、そんなに古い紹介ではない本書は、バンコクを初めて旅行をする人にとっては有益な情報が結構載っている。ガイドブックは全く特集が書いておらず、どちらかというと食べる・寝る・そして観光地としてみるべきところはどこかを書いているようなものだが、それらの情報を補完するようなものだということ。

自称、バンコクを何度も来ており、タイへ語学留学もしたというからタイは本気で好きなんだろうが、たぶん年々発達していくタイの成長に対してはどうしても納得がいなかったのだろう。「前はこんなタイ人じゃなかった」とか「前のバンコクはこんな街じゃなく混沌としたところがよかった」といつまでも寝ぼけたことばかりを言っているのが文章のなかによく出てくる。おそらくまだバンコクにセックス旅行をするために来ているような欧米人やら金持ち日本人のなかには、タイの現地人にちょっと金を渡せばすぐにセックスできると思っているし、この本の中ではまったく性的表現がでてこないのだが、このひともきっと妻子があるにも関わらず、現地の人との交流としてセックスを利用していたような人種なんだろう。こういう人が、自分は長くバンコクに滞在していたから、バンコクのことなら何でもよく知っているとでも言わんばかりに自慢しているんだろうが、結局はタイおよびタイ人に対する見下したモノの見方しかしたことがないから、タイの経済的発展についてなぜそういう動向になったのかということについても、おそらく政治的にどういう戦略を持っているのかも、王室がどういう行動をしているのかも、きっと新聞掲載程度の情報しかもっていないのだろう。タイの新聞掲載程度であれば、それは一般日本人よりも少しはタイの情報を知っているから、書物やネット上でタイに関する情報をちょっとだけ詳細に書いたりすることが出来るんだろうと思うが、それを「ボクはよく知っている」という宣伝のために使われるのは本当に腹がたつものだ。タイ人から見たら「奈にいっているの、このおっさん」という程度にしか映らないのだろう。

本の内容についてあまりレビューと記載しなかったが、基本的には上記にような文調で書かれているので、タイが発展して来たことに対して心から喜んでいるような様子は全くない。なぜ自称「好きなタイ」が発展していくことに対して嘆くのだろうか?嘆く必要がないじゃないか。一緒に喜んだら良いじゃないかと思うのだが、この人はどうしてもできないらしい。古きよきタイを知っているからそれが壊れるのがイヤだというような書き方をしている。これはタイとタイ人を尊敬せず、バカにしている表現を綺麗でかつ歪曲した形で表現しているに過ぎない。こんな人がタイにいて、タイのことを語ることは悲しいことだろう。

下川裕治氏のブログ
URL : http://odyssey.namjai.cc/

バンコク迷走
著者:下川 裕治
文庫: 309ページ
出版社: 双葉社
発売日: 2006/07

日中韓 新・東洋三国事情(書籍)

著者は中国生まれの韓国人三世で、日本に帰化した人に。その人が日本・韓国・中国に住んでいるそれぞれの国民性の比較論を記載しているというから、どんな内容なのかというのが気になっていた。しかし読んでみて非常に不快極まりない内容だったし、日本人をこんなにバカにした内容だったとは吃驚した。

当の本人は、中国のことも、韓国のことも、日本のこともよく知っているという知ったかぶりな言い方をして、さも3者の違いがわかるのは私だけみたいなニュアンスで記載されているが、単なる日本人を陥れ、中国人が一番素晴らしいというようなことを記載しているし、韓国人なんか世界中で嫌われているクソ犬なのにも係らず、そこには全く触れないで韓国人は日本人より優れている調の記載で書かれていることばかりだったから、内容を読み進むにつれて、一体この本は何が言いたいのか、そして何を目的としたものなのかというのを改めて問いただしたいところである。

社会性、性的志向、他国に対する思想、自国民に対する考え方などなど、多方面における日中韓の三国の違いを述べているのだが、これがことごとく、日本が一番劣っている、または日本が一番人間性が形成されていないといわんばかりのことを結果論として述べているところが腹立たしい。そして、なによりも動く暴走族のような中国人および遅れてきた中華思想の持ち主の韓国人のほうが世界的には素晴らしいし認められていることだといわんばかりのことも書いているのも気に食わない。それでいて、よくも三ヶ国のことをよくわかっていると言えた者だと思う。

論述としての切り込み方の面は素晴らしいと思われるが、せっかくその切り口でいったのに、なぜ結果的に日本人が一番ダメみたいになっちゃうわけ?と読み進めるうちに、だんだん読むのがイヤになってきた。ただし、一般的な考え方ではなく、この著者の考え方を表現化しているので、こういうことを考えるひともいるんだなという参考資料として読むのであれば、なんの問題もない。ただ、その考え方が「私が標準的な考え方です」と表現するような言い方は止めて欲しい。私が中国的であり、韓国的であり、日本的な考えを持っている臨機応変に対応できる人物だということをアピールしたいのだろうか、それはわからない。

なんだか久しぶりに後味の悪い本に出くわしたという気がした。が、何度かこの本はあとで読むべき内容だとは思う。この著者が考えたというのであれば、おそらく類似思想を持った韓国・中国の両国民にいるんだと参考になるからである。

日中韓 新・東洋三国事情
著者:金 文学
文庫: 296ページ
出版社: 祥伝社
発売日: 2011/2/5

新年のご挨拶 2013

みなさま、2013年、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

時間と記事の内容が増えるに従い、濃密な内容になっていければいいとおもっていた個人的ブログも、2013年になっても全然一向に進歩がなく、内容がなく、そして文字数が多いだけという、読者にとってはなんとも拷問のような記載方法しかこいつはできないのか?と毎回思われていることでしょうが、たぶん、これは2013年という新しい年になっても変わらないことなんだろうと思う。

元々が、他人に見せるためにブログを始めたというのではなく、その時に感じていたことや記録として残しておきたいことを集めて記載していただけなので、ネット上にボクという存在があるので、みんな見てみて!というようなアピール的なブログとして発展してきたというわけじゃない。あとで自分が記載した内容を自分が読み返して、このときにこんなことがあったよねーと、本来なら自分だけしか知りえることがなく、自分だけが知っていれば良いだけということを、ただ単にお節介ながらも他人にも開示してしまっているという、単純に文章の露出狂でしかこのブログはない。

毎年なにか新しい趣向でブログを発展していこうとは思っているのだが、結果としては前年度と全く変わっておらず、散文内容も変わっていないというオチになり、毎年の「今年こそは」は全く気合だけということを露呈してしまっている。旅行記が多くなってしまっているこのブログも、できるだけ幅広い分野で記載したいところではあるのだが、タイムリーな心情やニュースに対する考え方は、徐々にツイッターに以降してきた。特に転換期が2012年だったかと思われる。ブログのほうは文字数が多く記載できるために、ツイッターで複数のTLを使わなければ記載できないことをまとめることができるという面では大変効果的だ。だから、ブログはこれまでもなんとなくとおもってやってきたとおりに、タイムリーではない内容について批評を含めて記載していきたいところである。

あとは今年からアップロードする写真に対する扱い方をなんとかできないものかと模索したい。自分で撮った写真を他人に流用されるようなことを結構見てきたのだ。別に規制したいという気持ちはあまりないのだが、承諾もなしに勝手に使われるのは気分が悪い。だから、どっか別の人がなにかに使った場合には、それをトラッキングできるような仕組みを画像に埋め込んでおきたいと思うのだが、それをどうやって実現すれば良いのかは勉強中。他人の写真を勝手に流用するんじゃなく、リンクとして紹介してくれればいいのにと本当に思うのだが、なぜ自分の写真として利用したがるのかがわからない。

いきなり批判から入ってしまった。こういうクセは今年は直していきたい。