2012/01/02

Sony Tablet Type S

以前から、父親の書物の多さと、メモ書きの紙くずの処理に苦慮していた我が家では、これをどうにかできないものかと思っていた。さらにいうと、電子辞書のようなものを買ってきたとしても、最初は物珍しさから自分が独占使用したりしているのだが、そのうちに年数も経っていないのにぶっ壊して、そのまま知らん振りしたまま、他人が使うときに「あっ、それ、壊れてるんだよ」と後から報告するような、超猫人間である。さらにいうと、ほぼ毎週「打ち合わせ」という名目で、小学校・中学校・高校の各級の同級生と飲み歩いているのだが、それはいいとしても、そのときの飲み会の名目が打ち合わせであるために、うちのあるデスクトップPCで名簿作りにも余念が無い。それと、辞書類が異様に多いのである。漢和辞典・日本史時点・国語辞典・大辞林などなど。これらの巨大辞書がリビングの自分が座る傍にずらーっと並んでいるので、これが邪魔で邪魔でしかたない。

辞書類であれば、ネットのウィキペディア先生でもいいし、書物になっているものが電子アプリとしても発売されているので、それを使って、定期的に言葉のアップデートされていたほうがいつでも新鮮なものが知識として手に入る。さらに、本人、川柳を書いているのだが、これがものすごい作品量が多い。どこかに行くたびに、キーワードとなる言葉をメモって、それをあとで川柳の言葉として作り変えるのだが、そのときのメモも終わってしまえば単なる紙くずである。これも、電子メモ帳を使っていれば、紙くずとしての処理もする必要が全く無い。

等々のようなことを考慮したときに、早めのうちからiPad2かタブレット端末を父に与えて、それで邪魔なものを全部処理してくれという気持ちはあったのである。ところが、そんなにメカやネットに強い人ではないので、操作方法としてはすぐに慣れるだろうか?というのだけが心配だった。

タブレット端末類については、実は家に悪評高い「光iフレーム」が先に存在しており、このままでは全く使い物にならないクズ端末であることは知られているから、ネットで改造をしまくって、それなりに使えるアンドロイド端末にした経緯がある。その改造光iフレームによって、電波が入りにくかったラジオ放送をクリアに聴くことができるradiko端末として使うことにしたこともあり、アンドロイド端末に関するちょっとした操作については、ある程度父は慣れたとおもう。だが、あの光iフレーム端末であるために、動作がすごく遅くてイライラする。アプリケーションというものを使えば、いろいろできるんだという認識は父には植え付けることができたことと、画面にタップして操作をするというのはこれで慣れてくれたのは、タブレット端末導入に関してハードルは下げたと思う。

しかし、やっぱりアンドロイド端末の非洗練された動作よりiPad2のほうが断然いいのは知っている。GUIや操作性については、やっぱりアップルの端末は素晴らしいとおもう。子供や年寄りがなんの説明書もなくすぐに操作できる環境を提供できているという意味ではアップルは素晴らしい。だから、iPad2を与えるか、それともアンドロイド端末を与えるかですごい迷った。

実は迷うまでには紆余曲折がある。最初はiPad2を買う気満々でいた。操作性が素晴らしいからだ。ただし、iPad2を国内で購入するとすごい高い、16GBでも44,000円もする。そしてwifiはいいが、外に持ち歩いたときにも使いたいという要望はどうせ将来でてくるのだろうが、ソフトバンクからしか3G利用の端末は買えないとなると、いやだ。ソフトバンクユーザじゃないし、あんな禿げ電話会社の回線なんか使いたくない。そうこうしているうちに、実は海外でipad2を買ったほうが安いということに気づく。円高になっている現在では、各国で売られているiPad2の値段を調べてみた。為替レートの関係からかもしれないが、一番安く買えるのは、マレーシア。日本の価格の1万円以下で買える。次に良いのは台湾。8000円以下で買える。意外に高いなとおもったのは、中国とシンガポール。これらは日本の価格より高い。それでも保有者数が多いというのは、よっぽどこの2つの国に住んでいる人たちは金持ちだということの証拠である。マレーシアが一番安いというのはわかったが、マレーシアに行く予定もないし、マレーシアから人が来るという予定も全然無い。台湾なら自分が頻繁に行く機会があるから、そのときに買おうと思った。ipad2なら現地の言語設定で売られていても、簡単に設定で日本語入力・日本語表示に変更することが可能だからだ。

iPad2を買う気満々だったときに、ソニーのタブレット端末が存在することを知ってしまう。値段としてはiPad2とほぼ同じ。大きさもちょうどいいのである。ただし、こちらはアンドロイド端末。iPad2でひとつイヤだなとおもったのは、持ちにくい事。薄いことは有り難いのだが、あれ持ちにくく、端末の底を持っていると熱くなってくるのである。ところが実際にソニーのタブレット端末を触ったときには、同じように薄型であり、すごく軽いという点ではiPad2と同じだったが、なんといっても持ちやすいこと。本を持っている感覚と同じになっているところである。ただし、ここで言っているのは、ソニーのタブレット端末2種出ているうちの大きな画面であるタイプSのほうである。ゲームウォッチの延長みたいな折りたたみ式のほうは全く検討する余地は無い。さらにいうと、将来父がもつであろう携帯もスマホになることだろうとおもう。スマホは当然アンドロイド。そうなると、同じようなGUIであったほうが老人にはあたふたしなくていいだろうという思いはあったのだ。

しばらく誕生日プレゼントもあげていなかったこともあったので、早速クリスマス前にソニーストアにアクセスして、ポチっとやってしまった。もちろん、このとき、端末に無料で刻印するというサービスをしていたものだから、それも当然父の名前にする。さらにいうと、スタンド兼電源チャージのオプションも格安で売られていたので、これも購入。
即納!という割には、結局クリスマス明けに家に到着した。早速開封して、ちょっと触ってみた。ちょっとは電源が入るものかと思ったら、バッテリーがすっからかんになっている状態だったので、チャージしながら電源を起動してみる。Wi-Fiタイプなので、家のWi-Fiの設定をすることで、即ネットに接続。そうしたら、すぐに「アップデートしますか?」というのを聞いてきた。ソニータブレットはアンドロイドの3.0がインストールされているのだが、それをまず、3.1に上げろというのを要求してくるのである。容量は188MB。結構大きいが、それをダウンロード。しかし、そのまますぐにはインストールはできず、ある程度本体にバッテリーがチャージされないと、インストールはできないらしい。そのほうが時間がかかる。そして、いよいよチャージできたからアップデートファイルのインストールをしてみたところ、さらにまたアップデートを要求してきた。最終的には3.12にバージョンがアップデート。うーむ・・・結構初期にはアップデートしまくりだったが、それだけよくなっているなら許す。

インタフェースとしては、なんとなくWindows 7のような感覚である。デスクトップの画面は映画に出てくるような斜めスクリーンのようなものを他のデスクトップと選択できるようになっている。ちょっとSFっぽい感じがするのだが、これ、個人的には嫌いだ。あとは、他のアンドロイド端末と同じように、好きなアプリをデスクトップ上にアイコンとして置いていくというものである。しかし、iPad/iPod touchに慣れている人にとってはアンドロイド端末が「イケてない」と感じる点がすぐにわかるだろう。それは、たくさんのアプリをデスクトップにアイコン化することでわかることなのだが、iPad/iPad touchの場合、アイコンの上にアイコンを載せて、グループ化というのができる。ところがアンドロイドはこれが出来ない。したがって、整理ができない人が Windows 端末を使っているみたいに、デスクトップにアイコンが汚らしくたくさんできるだけなのである。これじゃ、整理整頓ができず、どこにお目当てのアイコンを入れているのかわからなくなる。もちろん、アイコンの移動はできるのだが、こういう整理が出来ないという点が、アンドロイド端末の今ひとつな点である。

iPod touchでも本当ならいいかもしれないのだが、iPod touchくらいの画面の大きさはとても使いにくい。あれはやっぱり簡易アプリ利用端末兼音楽再生装置なんだと思う。それよりは、今回購入したソニータブレットはちょうどいい大きさであり、画面廻りの反応もとてもよいし、やっぱり鮮やかさについてはとても綺麗に見える。

基本的にはアンドロイド端末であるため、アンドロイドマーケットにいって、無料のアプリをガンガンに落としてくれば、それなりに自分の使いやすい環境になることだろう。将来は、自分のスマホをテザリング利用してしまい、このソニータブレットを外に持ち出しをして、外で操作してもいいとおもう。特に調べ物が多かったり、地図を見たりするんだったらいいだろう。ただ、あの飲兵衛オヤジのことだから、きっと飲み屋で自慢げに酒の席でソニータブレットを出したことにより忘れてくるんじゃないのだろうか?という気がする。これを防止するために、追跡機能のアプリをインストールでもしておく必要があるかなという気がする。

直感的な感想だが、やっぱりアンドロイド端末のモッサリ感というのは拭えない。自分みたいなデジタルヘビーユーザだったら、アンドロイド端末を使いこなせるとはおもうのだが、初心者や子供、そして年寄りのような人たちには、iPad2のほうが断然操作性がいいし、彼らの直感で端末を動作することができることと、アプリをインストールをする場合、アプリの選択についてもまだまだiPad/ipod touch端末のほうが豊富であることから、iPad2のほうがいいと思われる。そういえば、自分で使っているスマホのほうは、ビジネス用で最低限のソフトしか入れていないのだが、ipod touch は同じソフトのほかに娯楽用のアプリも入れているのだが、そのアプリの選択は、アプリお勧めサイトから毎日送られてくるものから気軽に選択してインストールすることが可能だ。アンドロイドはその点まだこなれていないと思う。

まぁ、これからソニータブレットと仲良しにしばらくやっていくことになるんだろうから、温かく見守ってあげようとおもう。

■ソニータブレット Sシリーズ
http://www.sony.jp/tablet/

■ 16GBのiPad2の正規価格 (2012/1現在)
台湾 : 15,500WTWD
マレーシア : 1,499MYR
シンガポール : 668SGD
香港 : 3,888HKD
中国 : 3,688RMB
韓国 : 640,000KRW
タイ : 15,900THB
インドネシア : 4,699,000IDR
ベトナム : 11,699,000VND
ドイツ : 479Euro
アメリカ : 499USD

2012年新春顔見せ興行(末広亭)

今年もやってきました新宿末広亭の新春顔見せ正月初席。去年からは正月2日に行くようにしたこの正月寄席だが、やっぱり正月3日よりも質がいいということは改めて感じた。正月3日は、必ずNHKのテレビ中継が入るために、今年も3日に行われたようなので、通常出演する人ではない人が出てきて、つまんない芸をすることになるが、2日だと予定されていた芸人が出てくるので、楽しみをそのままキープできる。

しかし、正月3日のほうが待ち行列が絶対長いとおもうのだが、それはどういう理由なんだろう?ひとつは、正月も3日もすれば、だんだん行く所がなくなってきて、つまんないから、寄席でも見ようという気になって来場する人が多いのか、それとも、テレビの中継司会ではいる爆笑問題をみるためにやってくる人が多いのか、それがわからない。いずれにしろ、落語を心底から好きな人が見に来ているわけじゃないということは確かだろう。本当に好きなら1月3日を外して末広亭に来るべきだと思う。

今年は去年と同様、11時頃には新宿末広亭に到着するようにしたのは大正解。自分より早く来る人なんか居ないだろうとおもったら、更に早手の人がいたのには吃驚した。つまり自分たちのグループが2番目。しかし、入館するのは2時10分頃なので、ここから約3時間以上の待ち行列に耐えられるかどうかは、個人の忍耐による。一人で待っているのはとても辛いところだが、仲間がいたほうが絶対いいはずだ。一人でいると、一番困るのはトイレの問題。仲間がいると、誰かが順番を守ってくれているのであれば、その間にちょっと列から離れてトイレにいくことができるが、一人で待っているとそれが出来ない。だから、一人で待っている人は一体どうしているんだろう?と毎回思う。もしかして、オムツでもして来ているのだろうか?

そうそう、今回初めて知ったことがある。正月公演の場合、第一部と、第二部および第三部は、それぞれ入れ替え制になってしまうため、第一部で入館した人は、第二部をみるとき、一度外にでてから並びなおさないといけないのかと思っていた。ところが、今回並んでいる間に末広亭の人が言うには、第二部を開演するまで外で並んでいるのもいいが、別途第一部の料金を払ってくれれば、第一部は二階の末席になるかもしれないけど、そのまま外に出ないで第二部以降も移動してもいいから見られるというもの。これは、寒風吹きさらしになっているところで長時間並んでいるよりは便利なシステムだとおもった。しかし、それでも第一部に空き席がある場合にだけ有効であるため、正月3日のように、爆笑問題をみるためだけに来るような人が多い日の場合には適用されないんじゃないのだろうか?詳しくは末広亭のおじさんに聞いてもらったほうがいい。

今回の正月公演では、いつもと違うようなメンバが第二部で見れることができたのは嬉しい。通常、第三部には出てくる、唯一上方落語から参加している笑福亭鶴光が二部に出てきたことだ。鶴光だけにエロ落語でも出てくるかなーとおもったら、桂小枝が探偵ナイトスクープでよく行っている「小ネタ集」みたいに、短い駄洒落のオンパレードみたいなものをしゃべくっていた。そういえば、鶴光のときだけ、都都逸みたいに前に机を用意していたのは不思議だ。落語ならばあんな机はいらないだろうに、あんまり用意された机を有効につかっていなかったんじゃないのかなとおもった。

それと、予定では、もともと第一部に出てくる予定だった「ナイツ」が第二部にやってきていた。いつものようにヤフーネタでもやるのかと思っていたのだが、そうじゃなくサッカーネタをやっていたのには驚いた。しかし、顔が老けている分、他の落語家の人と変わらない堂々とした態度だったのが印象的。でも、内容の面白さは、それほど抱腹絶倒というわけじゃなかった。

奇術で見たかったのは、松旭斎八重子とプラスワンの手品。それほど落語みたいに、ドッというような笑いがあるわけじゃないし、ミスターマリックみたいに、誰もが驚くような芸を見せるわけじゃないのだが、これを見ないとお正月が来ないなというのは個人的はある。八重子と一緒にやっている助手の「プラスワン」さんが、いつも同じネタで失敗するような手つきをするのが面白い。あんな単純な技をうまくごまかせないとは、あれはわざとなのか!?

それと圧巻だったのは紙切りの林家今丸の芸。一枚の紙から、下書き無しで、鋏ひとつであらゆるものを作ってしまうというひとの芸である。最初は自ら御題を考えて作っていたのだが、そのほか2種は、会場のお客さんから御題を貰って作っていた。1つは「昇り竜」もうひとつは「凧揚げ」である。どちらも新年に相応しい御題だったとは思う。それを見事に作り上げた芸は芸所的だとおもった。作った作品はそのまま御題をだした人に差し上げていた。

それと、今回の公演で一番良かったのは、夫婦漫才の東京太・ゆめ子を見られたこと。なかなか最近夫婦漫才というのをテレビも含めてみることがなくなったのだが、舞台でそれを生で見られるとはいい経験だった。どこまで本気でボケているのかわかんないし、酒が入って単なる酔っ払い状態になっているのか、正月だから全然わからない。でも、いいのだ。お正月だから、楽しい話を舞台でしてくれれば、観客としてはそれで楽しいのである。そして、拍手喝さいは出るし、それで大きな口を開けて笑えればいいのである。

やっぱり忘れてはならないのは桂歌丸。第二部の主任を務めている彼は、落語協会の会長。副会長は笑点でもおなじみの三遊亭小遊三だが、ベテラン真打の落語家は、この会長に関することを結構いじっていた。「まだくたばんないんですよねー」とか。特に、歌丸の一番弟子の桂歌春が面白い。「早く死んで、歌丸の名前をくれ」とか、「歌丸の師匠である米丸の名前でもいい。どっちでもいいから、早く死んでくれー」といっていたのは笑えた。毎年桂歌春は似たような歌丸ネタをしてくれるのだが、今年が一番面白かったと思うし、お客さんもそれに合わせてすごいノリで笑ってくれていたのは、高座にいる落語家にとっては、こんなにやりやすい観客はいなかったんじゃないのだろうか?

過去の記事
2011年新春顔見世興行(末広亭)
末広亭での新春落語(2010)
末広亭の新春落語(2008)
新宿末広亭(2007)